わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【福岡県内今月ラストラン】特急「かわせみ やませみ」で博多へ! 快適すぎる座席に感動

 

2022年8月10日(水)

今回やってきたのは福岡県の門司港駅鹿児島本線の起点となっている、九州の古くからの鉄道の玄関口です。

駅舎は重要文化財に指定されており、駅周辺は「門司港レトロ」として北九州市内で人気の高い観光エリアとなっています。今でこそ本州方面へと続く本線に対して門司港は支線の終点のようなイメージがありますが、かつて下関~門司間が連絡船で結ばれていた頃はその重要な乗り継ぎ駅としての役割を果たしていました。

駅舎内へ入ると天井が高く、その一角に自動券売機が置かれています。かつて人が対面で切符を売っていた頃の窓口のような名残がありますが、これとは別にみどりの窓口が駅を入って左側のところに設けられています。

改札口のそばには「関門連絡船通路跡」と書かれた地下道の入口のような場所があります。この地下道は駅構内からそのまま海峡方面へと繋がっているようで、連絡船と列車のスムーズな乗り継ぎができたようです。残念ながら現在この地下道は通ることができず、また大きなパネルで塞がれており中の様子を伺うことはできません。

そんな門司港駅より、今回乗車するのは15:19発の特急〔かわせみ やませみ91号〕博多行。発車標の限られたスペースに、かなり小さい文字ですが列車名がしっかりと表示されています。

5番線でしばらく待っていると、ゆっくりと列車が入線。見えているのは「やませみ」の方の車両で、深緑色の美しい車体が目を引きます。2両編成の気動車で、門司港発博多行として走る今回の場合は「かわせみ」が先頭となります。

「かわせみ」の方の車体は濃い青色をしています。広々としていて長編成も入線可能な門司港駅のホームにたった2両の気動車が停車している光景はなかなか不思議な感じがするものです。

発車時刻が近づいているので、早速車内へ。今回は2号車「やませみ」の通常座席(リクライニングシート)に乗車します。おなじみ水戸岡鋭治氏のデザインの車内では、モケットの色や模様が少しずつ違っており、照明やカーテン等の調度品も特別感があります。

列車は定刻通りに門司港駅を発車。途中門司、小倉、黒崎、折尾、香椎に停車して終点博多へと至ります。同区間では朝晩を中心に特急〔きらめき〕が運行されていますが、それより少し停車駅は少なめです。

2両とも全車普通車指定席で、特急券みどりの窓口にて定価で購入しました。お盆の繁忙期にあたるため、特急料金は通常よりも200円増しで1,330円。検札に来てくださった車掌さんが発券箇所の「横浜駅」というところに気づき、「遠いところからありがとうございます!」と言ってくださいました。

「やませみ」車内には売店(ビュッフェ)があり、各種名産品が販売されています。外が暑かったこともあり、速攻で「くりりアイス」(380円)をチョイス。球磨産の栗をふんだんに使用した濃厚なアイスクリームで、とっても美味しかったです!

15:33に小倉駅へと到着。ここで山陽新幹線へ乗り換えてしまえばものの20分ほどで博多駅へたどり着くことができますが、もちろんそんなことはせず乗り続けます。

小倉駅ではすぐに発車する予定でしたが、何かトラブル(?)があったようで乗務員さんたちがホーム上で何やらバタバタとしていらっしゃいました。結果的に定刻よりも7分ほど遅れ、15:41頃に小倉駅を発車。何か他の路線からの接続を取ったのか、でもそれにしては乗務員さんがかなり焦っているように見えたので気になります。

小倉を出発すると、何本もの線路が架かる紫川を渡ります。目の前に見えている黒い建物はゼンリンミュージアムで、地図の歴史や文化について学ぶことができる大変興味深い施設です。

かつてスペースワールドがあったその跡地は再開発が進み、現在はアウトレットモールやイオンモール等の大型商業施設エリアになっています。車窓からは一瞬さっと見えただけでしたが、駐車場はかなり埋まっていましたので多くの人で賑わっていることでしょう。

黒崎駅折尾駅には特急〔ソニック〕〔きらめき〕等も含め全ての列車が停車します。この時点ではまだ遅れが回復している様子はありませんでした。

せっかくなので車内探検をしてみることにします。「かわせみ」の方にも同じリクライニングシートがあり、こちらは車体の色に揃え青を基調とした色合いです。やはりこちらも少しずつ座席の模様が違っているようで、細部までこだわったデザインです。

車内の一部にはカウンター席やボックス席もあり、カウンターからは窓の外を眺めながら移動を楽しむことができます。リクライニングこそしないものの、まるでおしゃれなカフェにいるかのような雰囲気です。

また、1人がけの椅子が並ぶカウンター席の反対側には、大人1人と子ども1人で利用することを想定した「ベンチシート」があります。通常の特急料金に210円加算することで利用でき、2人がけですが1つの座席として発売されます。

他にも車端部などにソファー席があり、こちらはベンチシートと異なり2人がけの座席が1席ずつ発売されるようです。

わずか2両編成でありながら実に多彩な座席設備があることが分かります。

遠賀川駅古賀駅福工大前駅では運転停車を行いました。遅延していたため時間調整が必要だったのか、それとももともと予定されていたものなのかは分かりませんが、あまりにも座席が快適すぎるのと鹿児島本線の線形が良すぎるのとで気づけば夢の中でした…!

実は元々、〔かわせみ やませみ〕は熊本~人吉駅間を結ぶ観光列車として2017年春のダイヤ改正から運行を開始しました。しかしその後2020年7月に発生した豪雨災害の影響で肥薩線が不通となる状態が今なお続いています。そこで復興応援企画として、同年8月より門司港博多駅間で臨時列車として運行されるようになりました。日によっては〔かわせみ やませみ〕だけでなく、同じく肥薩線で活躍していた観光列車〔いさぶろう・しんぺい〕を連結し4両編成で運行することも。

そして今月23日からは、再び活躍の場を熊本県内へ戻すことが発表されています。既に〔あそぼーい!〕や〔九州横断特急〕といった観光列車が運行されている豊肥本線の熊本~宮地駅間でダイヤ改正当日の9月23日より運行されることになっており、これに伴い9月19日のラストランをもって門司港博多駅間での運行は取りやめとなります。

しかしこの三連休中、現在進行形で九州を襲っている非常に強い勢力の台風14号の影響でJR九州管内では本日18日(日)より計画運休が行われており、これに伴い〔かわせみ やませみ〕も18日(日)・19日(月)は運休となることが発表されました。門司港博多駅間でのラストランは19日(月)の予定でしたが、これが17日(土)へと繰り上がったことになります。

最後の途中停車駅である香椎駅には、何と定刻通りの到着。恐らく私がウトウトしている間にとてつもない回復運転がなされたようです。

いよいよ新幹線と並走し始めると、博多はもう目の前。東海道・山陽新幹線N700Aと〔かわせみ やませみ〕が並走するのもこの夏が最後となることでしょう。

なんやかんやありながらも、無事に定刻通り17:00に博多駅へと到着。ちょうど帰宅時間帯を迎えており、郊外へと向かう列車を待つ通勤通学客でホーム上はかなり混雑しています。中には珍しい車両に興味を示しカメラを向ける人の姿もありました。

 

いよいよ9月23日からは、〔かわせみ やませみ〕の豊肥本線での運行が始まります。門司港博多駅間での2年間の締めくくりは残念な結果となってしまいましたが、今後の活躍にも期待したいと思います。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。