来る9月23日の『西九州新幹線』開業によって、全線交流電化だった長崎本線は特急電車が肥前鹿島止まりになり、その隣の肥前浜までは普通列車が電車で残るものの、そこから先、終着駅長崎までは非電化されてしまう運命に…。
 
以前にも拙ブログの787系ネタでチラッと触れた通り、新幹線に鞍替えしてしまう(むしろ大出世?)名門特急『かもめ』など、8月に同系に乗車するというお話をしましたが(※ソチラに関しては無事乗車を果たす。一連の旅の全貌については改めて紹介)、コレとはまた別な話、 7月下旬になってJR九州のオリジナルツアー『415系長崎本線横断号 THE FINAL』が同社のプレスリリースで告知され、「乗ってみたい…」と思いつつも既に九州に行く予定を立てていたため、結局応募しませんでした。
しかし、 私自身415系のセミクロス車(大分)にはまだ乗った事がなく、しかも一部が非電化されてしまう長崎本線を走行する「最後のツアー」という謳い文句に惹かれ、やはり乗り鉄の血が騒いでしまった私は既に完売済だった「ボックスシート占有プラン」に乗るという条件でキャンセル待ちに登録した処、下りの8月20日門司港発にキャンセルが発生、お知らせメールが届いてすぐに購入手続きを済ませ、片道のみ参加する事に相成ったのです。
 
 
 
というワケで、ツアー前日の8月19日(金)に私は新千歳から空路で九州入りする事に。
札幌駅からは8:02発の4838M特快エアポート80号(721系F-4103+F-4203)を利用。ラッシュ時と重なる事から今回、料金値上げ以来初めてuシートを利用する事になりましたが、やっぱり距離に比して¥840の料金の割高感は否めないですね。えきねっとでチケットレス予約導入しているのですから、チケレス割引があっても良いのでは…。
 
 
 
35分で新千歳空港駅に到着後、福岡空港行AIR DO114便(B737-700)に搭乗。尚、当便はANAとのコードシェア便(ANA4814便)となっており、九州への往復航空便と宿泊はANAダイナミックパッケージで予約しておきました。
 
 
 
福岡の港と街並みを望みながら、福岡空港に無事着陸。定刻では12:00着ですが、気流の関係か順調に飛行したようで10分程早着しました。
 
 
 
福岡空港から博多へは地下鉄空港線(筑肥線直通・筑前前原行481C)で。車両は2000(N)系21編成(⑥2506)でした。
 
 
 
博多駅の新幹線口(JR西日本管理)。一応博多口にも出ているのですが、今回はコチラのみの写真を載せておきます。
 
 
 
さて…翌日のツアー本番までは宿泊以外全くのフリープランかつノープランだったのですが、門司港駅近くにある『九州鉄道記念館』を観てくるか、はたまた翌日に長崎へ行くにも関わらず在来線特急『かもめ号』の乗り納めをしてくるか…で迷いました。
そのかもめ号、13:55発の23号は787系による運用で、もう長崎までは味わう事のできなくなるDXグリーン、なおかつ海側席に空席があれば乗ろう!と決め、取れないのならば九州鉄道記念館見物に行こう…というワケでみどりの窓口に並ぶ事に。平日昼間にも関わらず、かなり混雑しておりました。
 
 
 
15分程も待ってようやく私の番となり、かもめ23号DXグリーンの空席を尋ねた処3席全て空いているとの事で!宿泊は小倉に宿を取っているため博多↔長崎の『2枚きっぷ』(新幹線開業によりこの設定もなくなる)と一緒に購入しました。
 
 
 
駅ナンバリングが「00」が示す通り、まさにJR九州全駅の盟主である博多駅。
2023Mかもめ23号は4番ホームから発車します。
 
 
 
鹿児島本線の過密ダイヤを捌くためか入線は発車5分前位とかなり慌ただしく、撮影もそこそこに…。右の883系は大分行8041Mソニック81号と思われます。
 
 
 
かもめ23号は787系(本ミフBM8編成で、行先表示がLED化改造されたタイプ。グリーン車は①号車クモロ787-8です。
 
 
 
787系つばめデビュー以来、リレーつばめ向けに改造されるまでは走る応接室『トップキャビン』(定員6名)だった跡に設けられたDXグリーン席ですが、リクライニングとレッグレスト(オットマン)は全て電動、肘掛けも含めてシート全体がスライドする構造となっており、リクライニング角度も通常のグリーン車よりも深く、 前後スペースも広く取られているので一度乗るとヤミツキになってしまいそうです😁¥2720の追加で乗れるので、新幹線のグランクラスなんかよりはメチャメチャコスパ良くて最高の居心地ですね!(あくまでも個人の感想🙇)
 
 
 
高級感が際立つ木目調の仕切り壁。この車両には1993年ブルーリボン賞の受賞プレートが装着されていました。流石JR九州、783系以来歴代の在来線特急電車は皆ブルーリボン賞・ローレル賞のいずれかを受賞していますね!ソレに引き換え…北の会社はというと…😥
 
 
 
豪華な設備に乗車したのとは裏腹に、食事は至って質素(?)。博多駅の駅弁屋で予め購入しておいた『復刻かしわめし』(鳥栖の中央軒謹製。¥780)を昼食として頂きました。
 
 
 
長崎本線の実に風光明媚な車窓風景。
新幹線になれば、こんな風景を見ながらの旅も普通列車以外ではできなくなってしまうんですよ!もっとも、列車に乗ればカーテンを閉じ、スマホばっかイジって景色なんかどーでもいいという価値観な人間が蔓延る現代社会…実に嘆かわしいと私は思うのですが。
 
 
 
長崎の市街地に入り、長崎電気軌道の路線と並行します。
 
 
 
終着・長崎駅5番線には15:54到着。奥に見えるのが9月23日に開業する新幹線ホーム。
 
 
 
車両は折り返し整備後、16:17発の博多行2030Mかもめ30号となります。
 
 
 
私はしばらくホームに留まり、長崎駅でもう見られなくなる車両を中心に駅撮りする事に。
国鉄末期に登場した、同じ415系でも普通鋼製車体のグループとは似ても似つかずな「211系顔」の1500番台(本ミフFm1514編成)が2番線に入線。16:36発の肥前山口行2878Mとなりますが、コチラの駅名も9月23日ダイヤ改正で見られなくなります…。
 
 
 
私を乗せてきた787系は、再び博多へ向けて出発していきました。
高架化されてわずか2年半程で使われなくなる電化設備…。再び長崎駅に来た時、どうなっている事やら。
 
 
 
一旦ホームから降ります。
改札内には西九州新幹線『PR大使』を務める長濱ねる(長崎県出身)の等身大パネルと新幹線N700Sの顔ハメ看板、そして歴代の『かもめ号』として使われていたキハ80系と485系の写真パネルがありました。関西~九州を結んだキハ80系かもめが一旦廃止され、長崎本線・佐世保線が電化、博多からの485系L特急として『みどり』を併結する形で復活するまで1年余りのブランクがあったんですね…。
 
 
 
西九州新幹線の改札口も既に出来上がっており、改札機にカバーが掛けられている状態。写真は在来線からの乗換改札口。
 
 
 
先述の通り長崎駅には8月上旬に既に訪れていて、2020年の高架新駅になってから2度目の訪問なのでした。
 
 
 
私は土産物を買いに、駅舎内にある『長崎街道かもめ市場』に立ち寄り、博多駅で買ったモノも含めて宅急便でまとめて自宅へ送りました。
 
 
 
そして駅ナカのレストラン街にある中華料理屋で私の好物である長崎皿うどんとチャーハンを一度に平らげましたが、お味はまあまあ…といった感じで、ヤミツキになる程ではありませんでした(個人の感想🙇)。
 
 
 
食事を済ませた処で、2枚きっぷの片割れを持って再び改札口を通ります。
写真の発車標は18:18発の2038Mかもめ38号ですが、その下に表示されている「車両不具合による特急運休」は、19:18発の2042Mかもめ42号(885系)の事。
 
 
 
そしてホームに上がった処、なんと!?415系普通鋼製のFo520編成(ロングシート車)が3番線に入線してきたので慌ててカメラを向けました💦方向幕は諫早を表示しており、18:30発の830Mの運用に入るようです。
 
 
 
あれぇ?確か…長崎までは1500番台しか運用に入らないハズだよなぁ…?と思いつつも、長崎駅で415系普通鋼製車を先取りして見る事となりました!どうやら、この日から3日間「代走」という形で長崎までの運用に入っていたようです。 20・21日両日に門司港~長崎を1往復したセミクロス車のツアーとの関連性は不明ですが?
 
 
 
私は『白いかもめ』こと885系による38号で博多へ戻るつもりでしたが、自由席の窓側席が全て埋まっていたため見送り。後続の787系による18:51発の40号まで待つ事にしました。
 
 
 
その向かい側に停車中の415系Fo520編成(分オイ。てっきり南福岡車と勘違いしてましたm(__)m)ですが、JR東日本からの譲渡車(元常磐線用)との事で。同社時代に装着された連結面転落防止ガード(いわゆる外ほろ)が異彩を放っており、所属表記は以前配置だった「鹿カコ」が消された状態になっていました(※4月に大分に転属したとの事)。
 
 
 
かもめ38号発車後の18:26に、787系BM5編成による2029Mかもめ29号が同じ5番線に到着。折り返し、私が乗車する2040Mかもめ40号となります。
 
 
 
車内清掃後、先頭⑦号車自由席(クモハ786-5)に一番乗り。車内中央の荷物置場を境に前後セクションの座席モケットの色調が異なるのがユニークです。前寄りはブラウン系、後寄りはグレー系となっていました。
38号と時刻が接近しているためか、40号の自由席は一転してガラ空きでした。しかし後続の42号に乗る予定だった乗客の落胆は如何ばかりかと?
 
 
 
お隣⑥号車に設置されていた自販機は、 2022年3月を以てサービス終了…。もっとも、乗車前に駅売店やコンビニで飲食物を買い込むというのが一般的となったため、この措置はやむを得ないのでしょう。
 
 
 
今回乗車したクモハ786-5の運転台側妻壁にもブルーリボン賞の受賞プレートが。南福岡車は元つばめ用編成のため、座席にも「TSUBAME」ロゴが残っています。
 
 
 
JR北海道でいう処の「チケットホルダー」ですが、九州では「座席のミニポケット」(885系は座席ヘッドレスト本体、他の大半の車種は枕カバーに装着)といっており、駅到着時の車内放送でも「座席のミニポケットからの切符のお取り忘れにご注意ください…」と流れます。北海道でも、ファンからのウケを狙ってるのか(?)同様の放送をするユニークな車掌さんがいらっしゃいます(笑)。
 
 
 
先述しましたが、9月23日の西九州新幹線開業と共にその駅名が消えてしまう肥前山口。もっとも、自治体名はずっと昔から『江北町』となっており、ソレに合わせた改名ではありますが、鉄道ファンにしてみれば『かもめ・みどり』の分割併合を行っていた駅として馴染み深く、長年慣れ親しんだ駅名がなくなる事に対してはやはり一抹の寂しさを感じます。
 
 
 
かもめ40号の終着駅・博多には20:55に到着。
 
 
 
この日の宿泊地である小倉へは普通もしくは快速列車を利用するつもりでしたが、ちょうど2番ホームから21:04に大分行3057Mソニック57号が接続するため、ソレに飛び乗る事に。
 
 
 
しかし…小倉までの乗車券は予め購入していたものの、自由席特急券までは未購入。「事前購入と、車内精算での購入金額は異なりますのでご注意ください。なお、ホームに特急券の券売機がございますのでご利用ください…」的な車内放送が流れていたため慌ててホーム上にある自動券売機に駆け込み、小倉までの特定特急券を購入してきました。
 
 
 
私自身、883系に乗車するのは初めて。デッキの大分県産工芸品の展示スペースには驚きましたが…。
 
 
 
小倉までの先頭車である⑦号車自由席車内。そこそこに席が埋まっている位で、乗車率は45%程。
 
 
 
ソニック用883系の最大の特徴なのが、ヘッドレストが某ネズミキャラを思わせるシート…。ただ、奇をてらい過ぎたデザイン故か、背もたれが薄いため座り心地はあまり良くありません。シートバックの網袋の代わりにゴムバンドで結んだプラスチック製ネットもユニークな特徴で、足元にはフットレストバーの撤去跡が残っています。
 
 
 
別途購入した乗車券と、博多→小倉の特定特急券。窓枠下部には木製テーブル的な台がありますが、 老朽化が進んでいます…。
 
 
 
フローリングの床も、デッキ付近は摩耗が激しく見るも無残な状態に…。運用開始から25年が経過しており、近々リニューアルが実施されるのでしょうか。
 
 
 
コチラは洗面台。デザインは申し分ないのですが、他のJR九州在来線特急車両と同様に液体石鹸入れの撤去跡があり、この措置はコロナ禍のご時世には好ましくないですね…。
 
 
 
さて…ソニック57号は赤間、折尾、黒崎、戸畑の各駅に停車し、私の下車する小倉駅には21:50に到着。
 
 
 
883系Ao18編成の4、5号車は追加増備された車両で、製造元の日立の都合でアルミ製車体になっており、他車がステンレス鋼製のため外板がビード加工なのに対してツルっとした外観なのが特徴。
 
 
 
私自身、小倉駅に降り立つのは初めて。昔本で見た国鉄時代の『民衆駅』駅ビルのイメージが強かったのですが、今はこんな立派な駅になってたんですね! 
 
 
 
しかし、この日の宿は新幹線口のほうなので、ソチラ側から出る事になります。
 
 
 
その宿こそが、毎度おなじみ東横INN(小倉駅新幹線口)。先述の通りANAダイナミックパッケージでの予約で、ここで1泊し、翌朝門司港駅に向かいます。
 
今回はここまで。
『本番』である415系長崎本線ツアー以降の行程は順次紹介させて頂きます。
つづく