【報道】湯田温泉〜山口に新駅検討開始 | 金屋代かずおのお部屋

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(SLが走る路線に新駅計画が浮上)

 

2022/9/14,中国新聞は「SLやまぐち号が走るJR山口線に新駅検討 湯田温泉―山口駅の2.3キロの間にもう一つ」と題して,山口市が新駅を設置する検討を始めたと報じました.仮に山口線に新駅が設置されれる場合,「仁保津駅」に次ぐことになります.

 

  報道の内容

山口市議会の一般質問にて,伊藤和貴山口市長が「済生会山口病院」「市中央公園」の整備に関連して,周辺に公共交通でのアクセスを確保する,という内容でした.

実際,「市中央公園」には「山口中央図書館・山口情報芸術センター」「NHK山口放送局」「山口ケーブルビジョン」「山口市教育委員会」「山口警察署」など,主にメディア関連の施設が並んでおり,イベントも多く行われています.

一方で,山口市内の国道9号線・県道204号線(旧国道9号線)は慢性的に混雑しており,市中央公園周辺においても,駐車場が十分確保されているとは言い難いです.湯田温泉〜山口は2.3キロと短いですが,設置されればそれ相当の利用があるかもしれません.

  設置するとすれば

せっかくですので,筆者が以前から当該地区を自動車で走り回っていた感想(ただし最近は行っていません)と,googleマップでの航空写真から検討していきます.

 

ズバリ,当該新駅を設置するとすれば,一の坂川が椹野川に合流する「井手ヶ原河川公園」,住所で言うと「山口市旭通り」になると思います.都合よく線路に沿って林が並んでおり,「矢原駅・仁保津駅」のような,ホームがあって駅舎はトイレのみの簡素な駅であれば設置できる可能性があります.線路西側にはそれなりの交通量がある道路があり,まっすぐ行けば「市中央公園」があります.バスを通せば,少なくとも市中央公園方面への交通は便利になります.

線路東側には山口市の不登校児童・生徒対応の施設があります.これを移転して簡素な駅前広場にできる可能性がありますが,接続する道路が細いです.

なお,この場所に設置された場合は,新山口方面からの山口高校への最寄り駅になります.

 

  所感

当然ですが新駅の設置には莫大な費用がかかり,その費用は(ごく一部の例外を除き)自治体が出さなければなりません.こと,山口線では特急も走行し,新山口〜山口では単線・列車交換可能な駅が「大歳駅」のみである中で目一杯の列車が走っています.場合によっては湯田温泉駅の交換設備を復活させることも検討しないといけないかもしれません.

また,列車が増えると車両(および乗務員)が必要になり,キハ40系やDEC700型(またはその改良量産型)ではコスト面の関係から,いっそのこと「新山口〜宮野」を電化してしまおうということになればさらに費用がかかります.

 

山口県ではJRローカル線の存続を要望しており,今回の新駅もその利用を促す側面もあるのですが,実際に設置されるかどうか,設置した駅が利用されるかどうかは未知数です.今後の検討に注目します.

 

11/9追記:

その後,筆者は実際に新駅が設置されそうな場所に行っていました.