関西人の私が東京都内を旅する場合、多くは鉄道を使用します。
その理由の一つが「バス路線に詳しくない」からです。
なので、都内観光は99%…ホテルから近隣の駅まで徒歩移動し、鉄道で施設近隣の駅で下車後また徒歩移動というのが通例でした。
なぜなら…当たり前かもしれませんが…旅の御伴である「時刻表」には首都近郊の鉄道路線図は有りますが、バスの路線図は掲載されていないからです。
が、いまやネットの時代、スマートフォンで移動手段をチェックできる時代です。
そこでふと思い立ち、ネットで検索してみると…
「みんくるガイド」
なるものを発見しました。
…ご存じでした?
…私は知りませんでした。
通常は都バスの車内や営業所で入手できる折り畳み式のリーフレットなのですが、郵送でも取り寄せる事が出来ると知り、早速入手しました。
と、今回使用する宿のすぐ傍にバス停がある事を発見。更に今回の東京旅の目的地がすべて都バス、都営地下鉄、さくらトラムで移動出来る事を知りました。
「表定速度」という言葉があります。
これは「速度」…という言葉と少し意味が違い…A地点からB地点までの距離を移動時間で割った数値で…その乗り物の最高速度がいくら早くても、駅や信号で停車している時間が多かったり長かったり、あるいは加速、減速性能の悪い乗り物は表定速度が遅くなります。
表定速度の遅い乗り物の典型がバスや都電です。
例外を除き、全ての駅、バス停に止まり、赤信号で止まり、交通渋滞に巻き込まれながら走るこれらはとても「遅い」乗り物です。
ところが…いくら鉄道の表定速度がバスや都電と比べて速い…からと言って、そもそも宿や目的地の近隣に駅が無い場合はどうでしょう。
その駅までどうやって行くの?…歩くの?…どれくらい歩くの?…という事を、案外「旅程」を考える時、忘れてしまうのです。
つまり
…便利な乗り物かどうか…は…
「速度」でも
「表定速度」でも
判断できないという事です。
今回の東京旅行はそれを実感した旅となりました。
ホテルで朝食をとり、すぐ傍のバス停から東京駅行きの都バスに乗り込みます。
都バスの多くは「先払い」なので、700円の「都営まるごときっぷ」を購入。
700円…これは格安です。
「月島」で都営地下鉄に乗り換え、前述の「刀剣博物館」や寺社仏閣を訪ね、「新庚申塚」からは人生初となる都電「さくらトラム」に揺られ、今回の目的地の一つ、「飛鳥山」登山をしました。
…登る?
飛鳥山…その名は山…ですが…Wikipediaによると「東京都で一番低い山」なのだそうで…実際…山なのか…丘なのか…高台なのか…微妙な場所ではあります。
都内では有数の桜の名所なのだそうですが、私はこれに乗りたかったのです。
そう…
アスカルゴです。
構造上モノレール…なのですが…
200Vで動く「エレベーター」扱いなのだそうです。
自称「てっちゃん」の私。是非このアスカルゴ…乗ってみたかったのです。
倍賞千恵子さんのアナウンスを聞きながらの景観はとても興味深く、S字を描きながら勾配を登る都電の姿も見られました。
なによりエアコンが効いていて快適!
しかも無料!
時間さえ許せば…ずっと乗っていたいのですが…
山頂までわずか2分。
私の都内初の登山は2分で終わりました。
このアスカルゴの山頂乗り場からの景色…まるで「箱庭」を見ているようで、とても楽しく、時間を忘れてしまいました。
アスカルゴの最終便が午後4時…と聞いていたので、それまで
ぼけー------っ…
と、カメラを片手にミニチュアの様に見える王寺駅前の光景を堪能した一日でした。
今回初めて「都営まるごときっぷ」を使用しましたが、まさに「便利」という言葉がぴったりの切符でした。
ちなみに大阪の地下鉄、市バスの一日フリー切符は800円(土、日は600円)。
バスや地下鉄、路面電車の便利さ…不便さ…って、知っているようで知らないなぁ…と、感じた旅となりました。