あまりの難度の高さに(小生にとって、ですが)、半ば逃げ出すように試作を終わらせたテレビアンテナですが、もう1つの難関が待っています。セクション内に4本が必要な大型の電柱です。以前作った平面設計図を久々に利用して、4本の位置を示しました。便宜上、第1~第4電柱と呼ぶことにします。

 

まわりの建物が小ぶりなせいもあるのか、この電柱、とにかく背の高い印象があって、自宅の周りにあるものとは違う、特殊な電柱だと思っていました。(結論としては通常の電柱だったのですが)。こちらの写真に第1と第2電柱が写っています。

 

こちらには第1~第3電柱が写っています。

 

下灘を最後に訪問したのはコロナ前の2019年9月なのですが、そのときは電柱をつくるなんてまだ遠い先の話だったので、取材を全くしていません。この夏こそ帰省して取材に行こうと思っていたのですが、コロナ第7波でままなりませんでした。コロナ収束を待っていてはいつまでたっても着工できないので、電柱が写り込んでいる手持ち写真とグーグルストリートビューを使って、製作を開始することにしました。

 

4本の電柱を順に紹介しましょう。こちらは第1電柱です。駅舎前の下灘珈琲の隣にあって、2本の大きな支柱が特徴です。下灘周辺の電柱は、てっぺんに見慣れないL字型のアームがついていて、そのため何か特殊な電柱だと思ったのですが、これは四国電力独特の「高圧槍出金物」というんだそうです。ここの電線には6,600ボルトの高圧電流が流れています。

 

第2電柱は「オレンジの家」と「茶色い家」の間にあります。比較的シンプルな電柱です。

 

第3電柱は「藤色の家」と「黄緑の家」の間にあります。4本の中では最も賑やかな電柱で、柱上変圧器(6,600ボルトを200ボルトと100ボルトに下げるもの)が2個あります。この電柱だけはL字型のアームではありません。

 

第4電柱はセクションの端、「ピンクの家」の右側にあります。4本の中では一番シンプルな電柱です。それにしても、伊予灘の美しさは格別ですね。

 

さて、ここまで単に「電柱」と呼んできましたが、厳密に言うと電柱には、電気を運ぶ「電力柱」と、通信用の「電話柱・電信柱」があります。前者は電力会社が、後者は通信会社が立てたものですが、こちらは共用柱といって、電気と通信の両方に使われる電柱です。たぶん四国電力が所有していて、NTTが一定の使用料金を払っているのだと思います。

 

一番上には6,600ボルトが流れる「高圧配電線」があって、その下には200ボルトと100ボルトが流れる「低圧配電線」があります。この2つは危険なので高所にあって、電柱と絶縁するために碍子が使われています。

 

一方、一番下はNTTの電話線と光ファイバーで、碍子はありません。不明なのがその間の2本のアームにつながった電線です。碍子がないので、配電線ではないと思います。

 

電力会社は「電柱共架」といって、ケーブルテレビや通信など、他の事業者から一定の利用料をとって電柱を利用させています。おそらくこの2本はAUの光ファイバーとか地元業者のCATVケーブルだと思います。あるいは四国電力自らの通信事業用の光ファイバーかもしれません。上の線には「共架札」という事業者の名前が書かれた札がついているようなのですが、残念ながら拡大しても解読不能です。

 

模型作りには全く関係ないのですが、いったいこの2本が何なのか、気になって仕方ありません。さんざん調べてもわからないので、共架事業を担当する四国電力送配電株式会社様の伊予事業所に電話して聞こうかと思ったのですが、さすがにお仕事の邪魔になるのでやめました。

 

それにしても、こんな内容を読む人がいるのかしらん、と思いつつ、これまで鉄道模型で電柱の作り方が詳しく紹介されたことはなかったように思うので、今後、ちょっと詳しく書いてみようと思います。