○ム 海崎から 西大分 大分 ゆき | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昭和56年4月に日豊本線海崎駅の乗車券類簡易委託発売所で発行されました、「○ム 海崎から 西大分 大分 ゆき」の普通乗車券です。

 

 

民間外注印刷調製の券となります。

 

連綴式の常備軟券で、当時は軟券類のうち冊に綴じられていない「枚物軟券」については民間への外注印刷が始まった頃で、この券は昭和56年4月20日の運賃改訂での新運賃券となりますが、門司印刷調製の活字製版券から起こした印版の運賃部分だけを新運賃に差し替えて印刷したものと見受けられ、「810円」の「1」の文字は門司印刷の活字の「1」のフォントと異なり、運賃の部分のみ差し替える際にズレてしまったのか、記載が左側に傾いてしまっています。

 

着駅は「西大分 大分 ゆき」と表記されておりますが、上段に記載された「西大分」の方が「大分」よりも先の駅で、発駅から見た着駅の順序が入れ替わっている事になり、海崎~西大分間の営業キロは64.4キロで、昭和55年4月20日の運賃改訂の際の制度変更までは「発売日共2日間有効」であった区間であり、制度変更で「発売当日限り有効・下車前途無効」となっても。まだ当時は赤地紋券に変わっておらず、「発売日共2日間有効」の時代と同じく青地紋券で調製されていたものと考えられます。