1992年JR北海道のリゾート列車第6弾として誕生した『ノースレインボーエクスプレス』(以下、NRE編成)。デビューしてちょうど30周年の節目を迎え、それぞれ製造から29年で引退したニセコエクスプレスクリスタルエクスプレス・トマムサホロの経年を越え、同車のリゾート編成としては最も長寿な車両となりました。

しかし…ご承知の通り、そのリゾート列車最後の生き残りとなったNRE編成も、ついに来春(※正確な時期は明言されていない)に引退する事が発表されてしまいました。最大6編成を擁したリゾート列車の歴史に幕を下ろす事となり、発足当初はイケイケムードだったJR北海道の凄まじい凋落を見せ付けられる思いで、その歴史を見つめてきた私にとってはとても心が痛むのであります。

 

今回は、そのNRE編成で昨年9月に運転された特急ニセコの記事です。同年9月9日(木)に鉄トモであるらんちゃん女史とペア乗車してきた時の事はコチラの記事で紹介しているのですが、その後3連休最終日の9月20日(月・祝)に私は改めて札幌~函館を往復で乗車しています。本当は本記事も早期に紹介したかったのですが、結局遅筆な私ゆえに発表できないまま放置…。

しかし、先般の引退発表、そしてデビュー30周年記念にあたり、昨年書き掛けだった記事を完成させた上で今回紹介させて頂きます。今年も同様の時期にNRE編成で『特急ニセコ』が運転(※リンク切れの場合はご容赦を)されますが、北海道新幹線札幌開業に伴う函館本線『山線』の廃線決定に加え、NRE編成の引退決定で全国から乗り鉄撮り鉄問わず鉄道ファンが殺到するのは目に見えており、実際に函館行の上り列車においては平日休日問わず全ての日程の指定席が乗車1ヶ月前の発売直後の段階で完売しています。下り列車には一部空席が見られるものの、あったとしても通路側の若干数のみで、あとはタイミング次第でキャンセルを狙うか、2両連結されている自由席を確保するしかありません。さらにボッタクリツアーで名高いによるツアーの団体枠で予め席を抜かれている日程もあり、この事も指定席の取りづらさに拍車を掛けているようです。何度も拙ブログで述べていますが、みどりの窓口で買える列車の指定席を旅行会社の団体枠で抜く行為は専用車両の増結でもしない限りやめて頂きたいです。JR自らボッタクリツアーを開催する事に関しては賛成ですが、自社以外の旅行会社のために団枠を抜くという行為は一般の乗客(乗り鉄も含む)を馬鹿にしているようで、とても看過できる事ではない、という思いを率直に言わせて頂きます。

 

ここから本題として、2021年9月20日の乗車記を紹介しますが、今回は『割とテキトーな記事』につき、途中駅の時刻の記載を省かせて頂きます。ご了承ください。

最寄り駅から学園都市線526M(733系B-3103+B-3203編成)のuシートに乗って札幌駅に7:05に到着します。今回の上りニセコ号は自由席に乗車するため、早めに並んで席を確保する必要があるからです。

 

 

 

 乗車券は『乗車券往復割引きっぷ』の札幌市内~函館を最寄駅で購入していますが、札幌駅到着後改札内にある精算機兼話せる券売機でニセコ号乗車(山線経由)の自由席特急券を購入してみました。北斗が走行する海線経由だと300㎞を超えてしまいますが、山線経由だと300km未満となるためお安く済むのです。最寄駅で特急券まで買う時間がなかったため、今回初の試みとしてオペレーターとのやり取りで切符を購入してみました(特急券のみの購入のため)。尚、既に有効な乗車券を持っているかどうかカメラでの確認が行われます。

帰路に乗車する下りニセコ号は指定席を確保しているので、予めえきねっとで予約していた特急券を同じ券売機で受け取っておきました。

 

 

 

特急券購入後にニセコ号が発車する2番線ホームに上がった処、既に3号車自由席の乗車口には4組もの列が。ただ、荷物を置いての場所取りもしていた者もいて、コレはいただけない…(※写真はその事とは関係ありません)。

 

 

 

昨年の乗車記ブログでも述べた通り、ニセコ号の入線は7:52頃と結構タイトな時間…。

 

 

 

隣の3番線には、7:53に発車するラベンダー編成によるフラノラベンダーエクスプレス(フララベン。2020年まではNRE編成使用)が在線していたのですが、ニセコ号入線からわずか1分後には発車してしまうので、座席確保優先のため残念ながらその並びを撮る事はできませんでした…😥

尚、今年2022年シーズンはフララベンの運転が8月28日を以て終了しているので、ラベンダー編成とのツーショットを見る事はできません。

 

 

 

今回乗車する自由席3号車のキサハ182-5201。1形式1両の珍車です。テーマカラーはライトグリーンなので、客室仕切りドアも同色になっています。全国的にも今や貴重となったダブルデッカー車(道内最後の1両)で、付随車という事でエンジン音がないため客車に乗っているような感覚なのがまた魅力的なのです。

 

 

 

3号車の車内。やはり2階席とあって天井が低く圧迫感があるのは否めませんが、自席に座っている限りでは問題ないレベルかと。しかし走行音は他の号車よりは静かで、重心が高くなりがちな2階席においても乗り心地は決して悪くありません。

この日は3連休の最終日という事もあってか、指定席の予約率も高かった(7割程度)のですが、3号車自由席の乗車率も6割程で、場所によっては1人客が相席になった箇所もありました。

 

 

 

今回も上りニセコ号は進行右側に席を確保したため、銭函~小樽築港の間では日本海(石狩湾)の眺めを楽しみました。

 

 

 

小樽駅2番線に到着。

今回は4分停車の間、駅舎側の4番線ホーム(裕次郎ホーム)に廻って編成写真を撮影しました。思えば…裕次郎さんが亡くなられて今年でまる35年。小樽築港の貨物ヤード跡に建設された『石原裕次郎記念館』が2017年に閉館した後は更地となり、石原プロも解散、俳優・石原裕次郎誕生のキッカケを作ったともいえる兄の慎太郎氏も鬼籍に入られましたが、作品は永遠に生き続ける事でしょう…(『西部警察』の北海道ロケで、小樽も舞台になっていたらより面白かっただろうな…)。

 

 

 

余市駅。今回は『ソーラン武士』とノースレインボーの顔の並びを撮る事ができました。

特産品のアップルパイなどの販売は、相変わらずの大人気(私は今回も購入せず)。

 

 

 

余市駅での編成写真。

ちょうど晴天となったため、側面は逆光になって影ができてしまいましたが、まぁ仕方ない。

 

 

 

余市~仁木では果樹園の中を進みます。

 

 

 

銀山~小沢で稲穂峠を越えると、いよいよ羊蹄山が見えてきます。

 

 

 

倶知安駅に到着(1、2枚目の写真は前日9月19日に撮影)。

新幹線工事による在来線ホームの移転に伴い旧ホームの使用は2021年10月30日を以て終了したため、このシーンも思い出となりました。そして、今年は新ホームになってから最初のニセコ号運転となるのですが、NRE編成としては最初で最後のシーズンとなるワケですね…。

 

 

 

倶知安駅改札口のLED発車標(コチラも9月19日撮影)。

なんと、ノースレインボーの車体がLEDアートとして表示されているではありませんか!

このような心憎い演出は、勿論鉄道好きの駅員によるモノでしょうね…。やっぱりこういう鉄道愛のある人こそ、JR北海道に必要な人材だと思います!

 

 

 

ニセコアンヌプリを見ながら、倶知安駅を後にします。

 

 

 

そして車窓左側には羊蹄山が!今回は山頂が雲に隠れる事なく眺める事ができました。

 

 

 

倶知安駅からは『ニセコ町観光協会』のスタッフが乗り込んで特産品の車内販売が行われましたが、今回は『ダチョウどら焼』『のむヨーグルト』(前回も購入)に加えて『あんこカスタード』を購入(コレはおススメ!前回買わなかった事を後悔…)。

 

 

 

次に停車するニセコ駅までの間、車窓右側にはニセコアンヌプリと、蛇行する尻別川の景観が楽しめます。

 

 

 

そして、この列車の愛称名と同じ名前のニセコ駅に到着。

 

 

 

ニセコ連峰と尻別川の車窓風景。

 

 

 

昆布駅を過ぎ、後志地方随一の米どころである蘭越の水田地帯を通ります。

 

 

 

いきなり飛びますが、後志管内から渡島管内の山間部を越えて内浦湾沿いの長万部駅に到着。当駅といえば駅弁『かにめし』が有名で、上りニセコ号運転日(※一部日程除く)に限り予め電話予約しておく事でホームで購入する事ができます(※予約多数の場合は受付終了の場合アリ)。

 

 

 

この日も『まんべくん』がホームでお出迎え!

 

 

 

停車中の間、キハ281系の札幌行7D北斗7号が発着していきます。

この時は緊急事態宣言発令下という時期もあって基本5両編成。先頭5号車(自由席)は試作車の900番台で、生まれはNRE編成より半年早いです。キハ281系は9月末の定期運用離脱に先立って廃車が始まっており、五稜郭では一部車両の解体が進められています。

 

 

 

長万部駅から先は内浦湾沿いを進み、対岸には山線区間の車窓から眺めた羊蹄山がクッキリと。

 

 

 

車窓風景を愛でつつ、予め予約購入しておいた『かなやのかにめし』を食します。

 

 

 

またまた飛びますが、列車は大沼国定公園の中を進み、進行右側には小沼、その向こう側に駒ケ岳を望む美しい車窓風景が広がります。尚、この時乗車したキサハ182-5201のデッキ側通路には大沼の風景画の額縁が飾られていました。

 

 

 

北海道新幹線の接続駅である新函館北斗駅。

 

 

 

そして函館平野に降りて遠くに函館山を望むと、特急ニセコ号の旅もあと少し。

 

 

 

最後の途中停車駅・五稜郭駅。背後に見える五稜郭車両所は、苗穂工場に機能を統合する形で廃止される事が決まってしまいました。北海道で国鉄工場をルーツとする車両工場は苗穂を残すのみに…。

 

 

 

函館運輸所の車両群と背後に函館山を望みながら、終着・函館駅に到着。

 

 

 

今回は往復乗車、すなわちトンボ返りなのでサッサと改札口を抜けて、たった18分という短い折返し時間の間にお土産など諸々の買い物を済ませます。

 

 

 

そして再び改札口を通り、慌ただしく撮影を済ませます。

 

 

 

この時2番線には道南いさりび鉄道(いさ鉄)の『タラコ』こと朱色5号のキハ40 1807が停車していました。

 

 

 

帰路に乗車する指定席は最後尾5号車(キハ183-5201)。乗車率は往路程多くはありませんでしたが、やはり途中で日没を挟むからでしょうか。

 

 

 

NRE編成のハイデッカー車(ダブルデッカーの3号車を除く全車)の側天窓は、煤と水垢汚れが酷かった(コレはクリスタルEXPも同様…)のですが、昨秋からの苗穂工場入場時に再塗装の化粧直しと共に汚れ落としが行われたようで、視界がクリアになっていました。

 

 

 

各車両の巻き上げカーテンはそれぞれのテーマカラーに合わせた色になっていたという事に気付いたのは、実はこの時…(汗)。

 

 

 

帰路は往路の逆戻りなので違う視点の車窓風景を紹介しておきます。帰路は往路と異なり、進行右側の内浦湾側に席を確保しました。

新函館北斗駅を出発後、仁山峠からチラっと見える函館平野と函館山を見下ろす風景。

 

 

 

小沼と大沼(写真2枚目)。やっぱりハイデッカーだけあって、一般の平床車両とは見え方が違います(わかるかな~?)。

 

 

 

そして雄大な駒ケ岳を眺めながら北上していきます。

 

 

 

森駅に近付くと、内浦湾、そしてその対岸に羊蹄山や有珠山などの山並みが見えてきます。

 

 

 

そして森駅に停車。

 

 

 

森駅を過ぎると内浦湾沿いの後方に駒ケ岳が見え、徐々に離れていきます…。

 

 

 

そして長万部駅に到着。再び『まんべくん』のお出迎えを受けます。

 

 

 

帰路もキハ281系との出会い。札幌からの6014D北斗14号が発着、コチラにもまんべくんが手を振っていました。

 

 

 

長万部駅停車中に撮影した3号車階下ラウンジ。やはり数組が陣取っていましたが当の本人達はホームに出ていたため不在。

 

 

 

この日(いつからかの詳細は不明)は5号車共用トイレが故障、さらには同じ5号車の空調装置(冷房)までもが故障しており、9月下旬といえども車内温度が上昇して暑かった…。そのため少しでも冷気を入れるためか4号車と5号車の間のデッキドアは開放され、テープで固定されているという始末。

ちなみに、特急ニセコ号運用終了後も宗谷本線特急の代走に入った際には側扉(プラグドア)の故障、トイレ手洗い水の凍結と各部のマイナートラブルが多発、これらの事も含めて引退を決めるキッカケになったのでしょうか…。

 

 

 

またまた飛びますが、山線区間に入りニセコ駅に停車。

 

 

 

『先輩』ニセコエクスプレス(キハ183-5001)の眠る車庫と9600形SL9643号を望む…。

 

 

 

この時は『駅長犬』ハーディー君もお出迎え。

 

 

 

ニセコ駅を発車後、尻別川と羊蹄山の車窓を楽しみます。

 

 

 

ニセコ駅からは往路と同様に観光協会による車販が倶知安駅までの間廻ってくるのですが、今回は『コーヒーとくるみのクッキー』を購入。ただ…私的には食感がイマイチだったかな…。

 

 

 

比羅夫~倶知安で見られる羊蹄山の麗姿。流石に9月も下旬に入り、日暮れも近くなってきました…。

 

 

 

函館本線山線区間の中枢・倶知安駅に停車。ホームではジャガイモ澱粉が原料の『豪雪うどん』の販売がありました(私は購入せず)。

 

 

 

復路は往路より停車時間が長いため、ゆっくりホームに出て撮影する事ができました。

先述の通りホームは新幹線工事のため新施設に移転されたため、この長いホームに停車する光景も過去のモノに…。

 

 

 

倶知安駅を過ぎると陽はどんどん沈み、いよいよ車窓を楽しむ事はできなくなります。

またまた飛びますが、札幌市内に入り、最後の途中停車駅でJR北海道で2番目(2020年度)に乗降客数が多い手稲駅に停車。特急ニセコ号の旅もあと少し…。

 

 

 

19:29、約5時間半の旅を終えて札幌駅5番線に到着。隣の4番線のキハ261系は、19:39発の4011Dおおぞら11号。

 

 

ちょっとやっつけ気味の記事で恐縮ですが、昨年2021年シーズンのNRE編成による特急ニセコ号の往復乗車を紹介させて頂きました。

残念ながらNRE編成による運転は2シーズンで終わる事になってしまいますが、指定席が完売している列車も「諦めなければ」タイミング次第でキャンセルを拾える場合がありますので、どうしても指定席を確保したい!という方はえきねっとサイト(会員に限る)や、みどりの窓口に立ち寄るなど空席をチェックしてみては如何でしょうか。尚、11月には週替わりで道内各地にNRE編成による臨時列車(特急ニセコ号も含む)が運転されますが、今回はそれらの事について触れないでおきます。

また、これから乗車を予定されている方は、新型コロナウイルス感染予防に留意し、飲食時以外極力のマスク着用(特に鉄ヲタにはそういう事ができない奴が散見される😠)、車内での酒盛りを控える、そして撮影マナーの遵守など、他の乗客やJR関係者の迷惑になる行為は慎むようお願いしたいモノです。