京鉄博 EF66-27展示記念 / 最初で最後3機のゼロロク | 安芸もみじ / Photos, Historys, Trains - Hiroshima JAPAN

京鉄博 EF66-27展示記念 / 最初で最後3機のゼロロク


日本の大動脈の物流を支えた偉大な国鉄形機関車が、いよいよ終焉を迎えるにあたり京都鉄道博物館にて特別展示が行われました。

定期運用は今年の5月に離脱しており、現在は臨時便や代走に就くのみですが、この最後の1機となったのはEF66-27号機。

展示期間は8月20日(土)から本日28日(日)まで。



京都鉄道博物館にEF66が入るということで、カットモデルと静態保存と3機が揃う、最初で最後の機会でした。

カットモデルは運転席の仕組みを学習できるように、オープンセット化されたEF66-10号機。

静態保存は機関車を下から見学できるように嵩上げ台に載っているEF66-35号機です。



10号機と35号機の位置関係は写真の通りで、10号機は今回の特別展示機 27号機と、こんな感じで見ることができました。

EF66 10号機は1968(昭和43)年8月5に一次車として落成し下関機関区へ新製配置され、広島機関区所属時代を経てJR貨物 吹田機関区所属機となり、2010(平成22)年3月31日付けで廃車となりました。

EF66 35号機は1974(昭和49)年9月13日に最終グループとして登場し下関機関区へ新製配置され、JR西日本となってから余剰車となっていたためJR貨物 吹田機関区に移籍し、2013(平成25)年3月31日付けで廃車となりました。



EF66 27号機は3次車として1973(昭和48)年8月15日に落成して下関機関区に新製配置された後、ブルトレ運用削減によりJR貨物 吹田機関区に移籍し、最後のEF66形0番台として責を果たしています。

10号機の運転台から27号機を撮ってみました。

運転席からは27号機の顔は見えませんが、助士席からはEF66の特徴的な鼻筋を感じられながら、うまく端正な横顔を入れて撮影できました。




続いては27号機から奥に見える35号機と合わせての写真と、35号機からバックに写る27号機です。

スマホ画面だと判り辛いですが、35号機の両側に27号機のクリーム色の警戒色が見えるように撮りました。

3枚目は2階へ上がって、左に10号機、正面に35号機、奥に27号機と3機が1枚に収まるように撮りましたが、151系が華やかさを彩っての共演です。



この3機揃った写真こそが今回の私の目的で、行く前から「あそこから撮ろう」と決めていたポジションで、入館者はとても多かったのですが、うまく撮れてホッとしています。

さてこの動輪はMT56形モーターを搭載するEF66のものですが、製造年月が平成1年12月となっています。

MT56形モーターは、EF65F形が重連運転で運行していた1,000t貨物牽引での100km/h走行を、1機でまかなうために開発されました。




その出力はEF65のMT54形モーターの1.5倍となる650kw・884hpを叩き出し、1時間定格出力は3,900kw、最高速度110km/hと当時の電気機関車として世界最高出力でした。

試作車として1966(昭和41)年に誕生したEF90が履いて各種性能試験は実施され、1968(昭和43)年から量産されることになり、ここにEF66が誕生することとなります。

EF66の量産が始まると、EF90は量産化工事が実施され、1968(昭和43)8月4日に工事が完了する際にEF66-901号機となり、2001年2月9日に廃車となるまで東海道 山陽本線を駆け抜けました。




この模型は35号機の裾へ展示してあるEF66の原形をベースにした11号機ですが、運転席の内部やボディー内部のメカまで精密に再現されています。

EF66はそのゾロ目の形式からロクロクと呼ばれていましたが、国鉄分割民営化後にJR貨物によって100番台が増備されると、区別するためにゼロロクと呼ばれるようになります。

現場サイドではゼロ型とも呼ばれていたようですが、晩年まで残っていた30号機や36号機などが廃車となると、ファンがいつしか呼び始めたニーナの呼称がEF66-0番台そのものを示すことになります。



27号機なのでニーナと呼ばれていたものですが、0番台が27号機1機のみとなってしまったことから、ニーナ = ゼロロクとなったのは自然な推移でしょう。

EF66-0番台は1~55号機までが新製され、901号機を含めた56機が日本の高速物流の一時代を担い、一部の車両は東海道 山陽本線の寝台特急列車の任にも就きました。

この模型は上が2階に展示してある0番台と100番台のNゲージ、下は京都鉄道博物館の出口にあたる二条駅舎内の、ミュージアムショップで販売されているHOゲージです。



ここからの写真はオマケなんですが、鉄道開業150周年のミニノートキーホルダーと、2018年の広島車両所公開から1号機と30号機です。

左右ヘッドライトを結ぶ正面の銀色の飾り帯は、国鉄機関車は運転台に冷房が搭載されていなかったため、外気取入れ用の通風口があの位置にあり、それを隠すための鎧戸代わりでした。

運転台屋根上の長方形のボックスは後付けされた冷房装置で、運転台が空調完備となった折に雨水等流入防止のために、通風口は塞がれています。



冒頭から保存機と現役機、ラストの1号機と30号機を見比べるのも、楽しいかも知れません。

ちなみに京都鉄道博物館で展示されているMT56形モーターですが、EF66の一次車は1968(昭和43)年の登場で、1989(平成1)年と言えば100番台の一次車がデビューした年。

100番台の初廃車は2020(令和2)年に104号機ですが、京都鉄道博物館が開館したのは2016(平成28)年。

このモンスター直流モーターは、どこからやって来たんでしょうか•••••••いつか聞いてみよう。

惜別ヘッドマークを掲げたEF66-27号機ですが、まだ車籍が登録させている現役機ではありますが、間もなく廃車となることは間違いありません。

JR貨物の広報によれば、廃車後の処遇については何も決まっていないとのことですが、せめて来年の終戦記念日では50歳バースデー記念のお披露目はお願いしたいと切に思う次第です。

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