みなさんこんにちは。前回からの続きです。



先日、8日まで「阪急百貨店うめだ本店(大阪市北区)」で開催されていた「鉄道模型フェスティバル」を訪問した際の様子を、シリーズでお送りしています。



まずは、お目当てだった鉄道模型各メーカーの新製品展示を拝見しながら、その車両にまつわる思い出を中心に項を進めているところです。


引き続いて「TOMYTEC」のブランド「鉄道コレクション」の車両についてなのですが…
これも、わたしにとっては小さい頃から馴染み深い「OsakaMetro10系」車両です。



大阪市内中心部を縦貫する、ドル箱路線「御堂筋線」で半世紀近く活躍した、同線の顔とも言える存在でした。同社ホームページより。


朝日大阪夕刊 2022(令和4)年7月4日付け 27面(社会面)より。長年、親しまれたくだんの「10系」の引退が迫る…という記事。 


それに際して記念の一日乗車券が発売されるなど、こちらでは話題になっていました。
デビュー以来、現在までの姿があしらわれた、
なかなかいいデザインだと感じます。


奇遇だったのか、先ほどの記事が載っていた7月4日の運行を以て、全車両の引退が発表されました。この時勢もあり、特別なイベントなどが行われない、いわゆる「サイレント引退」だったようです。


「引退記念セット」ということで、今回の商品化はそれに合わせたものでした。



ところで、今回模型化されたのは、最後まで残っていた編成がモデルです。
当時から30年を迎えた平成の半ばから、車体の内外装や器具類に更新が施されたタイプで、見た目には、顔つきを引き立たせるブラックフェイスが、大きな特徴でした。


そういったことで更新前、都合、昭和50年代から平成年間まではこの姿で活躍していました。
イメージがだいぶと異なりますが、わたしにとってはこちらの方が印象に残っています。

ここからは、当シリーズで幾度も参考にしている「カラーブックス日本の私鉄18 大阪市営地下鉄(赤松義夫・諸河久共著 保育社刊 昭和57年9月発行)」から当時の様子を拾ってみます。


表紙を飾るのは、本題の「10系」。
当時は最新鋭車両で、次々と増備が重ねられていた頃でした。


ページを繰りますと…これは懐かしい「心斎橋駅(大阪市中央区)」。蛍光灯ながら、シャンデリアさながらの照明はいまも健在。

子どもの頃の年末など、駅とつながる大丸やそごうで親に連れられショッピングしたり、帰路に外食させて貰ったりしました。人の多さもさることながら、眩しくてすんごいところやなあ…などと感心していました。余談でした。


ところで、この「10系」最大の特徴のひとつは「冷房装置の搭載」です()。



この当時、主力だったのは「30系」や「50系」という車両でした。前者は「大阪万博」に合わせて大量導入されたもの、後者はそれ以前の標準車両で、いずれも冷房はありませんでした。

いまでは、地下鉄でも冷房車両というのは当たり前ですが、この頃は非冷房が当然の時代。


大阪のみならず、地下鉄は地下を走るゆえ、トンネル断面の関係から高さのある冷房装置を取り付けることが困難だったり、放熱の問題があったために、なかなか進捗しませんでした。

しかし、技術の進展で冷房もこのような薄型のものを開発出来るようになり、早速、この車両にも設けられました。


「御堂筋線」は地上を走る区間が比較的長いのですが、上空に架線のないこともあり、車窓からでもこのように気持ちの良いほどすっきりとしたものです。
大阪市営地下鉄、最初の冷房車両でした。


そして姿を変えつつ、編成も8両から9両、現在の10両へ。大阪の大動脈を支えた名車でした。

しかし、とかく夏場にはありがたかったです。
これではなく、非冷房の車両などに乗り合わせると、ありとあらゆる窓を開け放っていたので車内放送も聞こえぬほど、ものすごい爆音でしたし…それも、懐かしいエピソードです。


先日の記事でも述べたような気がするのですが気づけばいつの間にか、身近にお世話になった
車両が、次々と姿を消して行くように感じる、今日この頃です。お世話になりましたm(_ _)m

次回に続きます。
今日はこんなところです。