Limited Rapid さくびさくら / 津山駅にて | 安芸もみじ / Photos, Historys, Trains - Hiroshima JAPAN

Limited Rapid さくびさくら / 津山駅にて


7月23日、みまさかスローライフ列車を撮影に津山へお出かけした際に、そのまま津山駅で撮影した″快速 さく美さく楽″です。

車体に装飾されている列車名はローマ字と漢字で″SAKU美SAKU楽″で、JR,西日本のホームページを見ると公式表記はこちらのようです。

ヘッドマークは″美楽″と目立ちます。



ピンク色のキハ40なので、ひらがな表記もかわいいかな?と思い、タイトルはひらがなにしてみました。

この列車が誕生すると聞いた時、ピンク単色みたいなイメージで捉えてしまったので、どんな色合いになるんだろうと気がかりだった列車。

昨年の5月29日の記事でも危惧した内容で書きもしました。



しかし実際に会ってみると、何とお洒落で可愛らしいことでしょう。

運転区間は岡山~津山間をノンストップで1日2往復、金・土・日・月曜日に9月30日まで運行されます。

金・土・日曜日は岡山発 10:50 → 12:22 津山着・津山発 12:52 → 14:12 岡山着・岡山発 14:33 → 15:51 津山着・津山発 16:21 → 18:17 となっています。



かつての急行砂丘は岡山~津山間 58.7kmを1時間9分で結んでいましたが、SAKU美SAKU楽は1時間32分の所用時間です。

そこは鳥取とを結ぶ定期急行列車と、岡山県北を結ぶ観光快速との差ではありますが、車内での提供サービスのための時間でもあったりします。

月曜日は快速ことぶきと併結しての運転で、岡山発 9:47 → 10:59 津山着・津山発 11:40 → 12:50 岡山着・岡山発 13:05 → 14:14 津山着・津山発 15:53 → 17:02 岡山着。




定期快速列車との併結ですが、各停車駅での乗降は快速ことぶきのみ可能で、全席指定のSAKU美SAKU楽は不可のようです。

津山線は単線なので金・土・日曜日の運行も反対列車との交換のため、途中駅に停車しますが乗降は不可のようです。

車内サービスは、既に営業を開始している″〇〇のはなし″や″etSETOra″の品質をベースに、沿線名店によるおもてなしが行われます。



ホテルグランヴィア岡山監修の特製弁当″岡山美作かえし寿司″は、吾妻寿司岡山の伝統を感じられる食材豊かな″岡山ばら寿司″だそう。

また、寺田シェフ監修特製弁当 岡山県北イロドリちらし提供の″Okayama Table TERRA″は、体の中から美しくをコンセプトに、イタリアンシェフ寺田真紀夫氏が監修した、地元の食材にこだわった特製弁当ということです。

その他にもスイーツやドリンクなど、美作津山藩の伝統を堪能できるアイテムが揃っているようです。




津山線は岡山駅へ向けてが下り線となるので、1番列車の岡山発がSAKU美SAKU楽2号で、折り返し列車の津山発がSAKU美SAKU楽1号となります。

その後、岡山発がSAKU美SAKU楽4号で、終便の津山発はSAKU美SAKU楽3号となるので、列車によってチケット料金も違うようですし、予約の際には注意が必要です。

長らく因美線と接続して陰陽連絡線を構成していた津山線ですが、智頭急行智頭線の開業によって特急″スーパーいなば″が運転開始されると、陰陽連絡線としての役割を失い現在は岡山県内の都市間連絡を果たすローカル線。



その歴史は奥深く、津山は江戸時代には鳥取と姫路・岡山を中継する交易の拠点でしたが、明治維新以降になると人や物の往来が更に増加していました。

特に岡山との物流は多く、津山街道の辛香峠などの難所が人や物の流動が滞る原因となっており、河川を使った船運も岡山は旭川水系そして津山は吉井川水系であり、合流点や分岐点を大きく迂回しなければなりませんでした。

近代化のため急を要していた岡山~津山連絡は、1872(明治5)年10月14日に開業して以降延伸や新設が相次ぐ鉄道の導入を計画し、1896(明治29)年4月30日に中国鉄道が設立されました。



同年に岡山~津山~勝山~根雨~米子の鉄道事業者免許が下り、7月には起工して1898(明治31)年12月21日に中国鉄道本線として岡山市~津山までが開業しました。

僅か2年半弱で開業した中国鉄道本線 = 津山線ですが、1891(明治24)年3月18日には開業していた山陽鉄道の岡山駅との連絡もあり、人や物の流れは莫大に増加します。

中国鉄道は美作藩津山城下を中心とした鉄道網を計画しており、津山駅からの発着によって岡山・鳥取・姫路を連絡する構想だったため、岡山発の列車が上りで岡山行きの列車が下りとなっていました。




しかし膨大な建設費を捻出できなかった中国鉄道はやがて未成線の免許が失効してしまい、1944(昭和19)年6月1日に中国鉄道鉄道部門は国有化されます。

岡山市駅は岡山駅に併合されましたが、上りと下りの扱いは変更されずそのままの扱いとなり現在に至ったため、津山線は今でも岡山発が上り列車となっています。

新見駅の時にも語りましたが、美作津山藩 森家の幕府へ向けた怨念そして無念が新政府に通じての計らいだったのかもと、悠久の歴史に思いを馳せてしまいます。



ちなみに中国鉄道は鉄道部門のみが国有化されたので、バス事業は現在まで営業を続けており、中鉄バスとして岡山へ行くと見たり乗ったりすることができます。

さて津山へSAKU美SAKU楽2号として到着した列車は、今度は岡山行きとなってSAKU美SAKU楽1号として発車して行きました。

3番ホームから撮影しているのでちょっと厳しいのですが、線路沿いに残る腕木式信号機をムリヤリ入れての写真です。



津山線は前述の通り単線ですが、複線のように見えるのは途中まで併走する姫新線の線路で、面白く感じたので姫新線延長構内線からポイントを渡っては、津山線延長構内線から津山線へ入るまで連写してみました。

画面の左の線路が津山線、右が姫新線です。

ラストの写真は帰路に着く前に岡山駅でもう1度出会えたSAKU美SAKU楽ですが、この列車は3号でこれから車庫へ入ります。

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