能登屋備忘録:台湾生活日記

能登屋の日常を淡々と描く作品です。

(台湾コロナ事情)「台湾へ再入国するには」

 前回の続きです。本記事は基本的に筆者が台湾に再入国した22年7月末の情報にもとづいています。適宜情報は補足していますが、かならずご自分で最新情報をご確認ください

 前回↓(日本旅行記は気が向いたら書きます)

notoya.hatenablog.com

 

①:台湾入国前の下準備

 さて、筆者は仕事の関係で、台湾へ再入国する必要があります。私の場合、台湾には再入国ですし、居留証という在留カード(資格)も持っていますので、本国人同様の扱いを受けることができます。ただ、ビジネスや留学、学術交流などの理由で台湾に「初」入国(取得したビザを初めて行使する場合)する場合には、準備(留意)しなければならないことがあります(ここではビザ取得に関する情報は省略します。駐日代表処HP外交部の関係部門で情報をご確認ください。現在、ビザ取得に大変時間を要するようです。かならず時間に余裕を持って申請してください*1)。

 

①-1:航空券の確保

 前回の記事で書いたこととあまり変わりませんのでここでは省略します。注意点は、現在・台湾で入出国が出来る空港は、松山・桃園の2空港に限られます。目的地が南部である場合も両空港を利用することになります。

①-2:隔離場所の確保

 台湾は今年(2022年)になって、新型コロナウイルス感染症の大規模な流行をはじめて経験しました。裏返すと、それまで徹底的なゼロコロナ政策が実行されてきたということであり、外国からのウイルスの流入に国一倍気を使っていました。そのため、隔離期間は2022年2月まで基本的に2週間、その後10日間7日間と徐々に短縮されてきました(実際には、ここからさらに「自主健康管理期間」*2というなるべく健康状態に留意し、他人と接触しないことが求められる期間が7日程度ありました)。22年8月17日現在で、外国から台湾に入国する場合の隔離検疫期間は3日間(ただし、空港到着日を0日目と起算するので実質4日)、自主健康管理期間は4日間の計7日間です。自主健康管理期間は、必要に応じて外出できますが、出勤や通学は禁止されます。

 また当初台湾政府は、自宅での隔離検疫を認めていませんでしたが、ワクチン接種の拡大や流動の復活により、「一人(一家族)一戸」という原則で自宅検疫が認められるようになりました。ただ、台湾に入国するさいに、自宅や、あるいは家(独立した住居)*3を提供してくれる友人が(い)ない場合、当然ホテルに宿泊する必要があります

 台湾では、こうした場所を「防疫旅館」と呼んでいます。こうしたホテルは台北市新北市をはじめ、各地に存在します。いくつかのウェブサイトが仲介や紹介を行っています。公的機関、たとえば台北市なども情報をまとめていますので、そちらで探すのもひとつの方法です。実はこの「防疫旅館」も、本国人と外国人で価格が違うのですが、おおむね1人1泊最低6000円から、2万円程度の幅で選択できます。おおむね8泊で7万円から15万円が相場でしょうか。やや高く感じるかもしれませんが、三食付きですので致し方がない側面があります。日本国内の旅行会社などでも、仲介・予約が出来るようなので、不安がある方はそちらをご利用ください。

 基本的に、用務地近傍の防疫旅館への宿泊が要請されるようです。うわさによると、北部より南部のほうが待遇が良かったりするようですが、ホテルによりけりかなあと思います。以前はホテル側が防疫旅館であることを公表していない例が多かったのですが、現在はリストアップ形式になっているので、グーグルマップなどで確認することができます。

 こうした「防疫旅館」で隔離検疫を行う場合の留意点ですが、少なくとも、①:部屋(ベッド)のサイズ、②:外向きの窓があるのか(その窓が開くのか)、③:トイレ・浴室の環境などは要注意です。

 基本的に洗濯機の類がないところがほとんどですので、何らかの対応策を考える必要があります。また、UberEatsなどを利用することもできますが、すぐに受け取ることができない場合や、アルコール類の差し入れなどができない場合もありますのでご注意ください。

 また、空港や防疫タクシーを現金を利用する場合がありますので、なるべく事前に台湾ドルを入手しておいたほうが安心です。

 

①-3:陰性証明書の取得

 台湾への入国に際しては、搭乗前48時間以内のPCR検査陰性証明が必要とされてきました。しかし、22年7月14日から、本国人および居留証をもつ外国人を対象に免除され、8月15日からはすべての外国人についても陰性証明の提出が不要になりました*4

 そのため本項も省略します。

 

①-4:必要情報を事前提出(入力)しておく

 日本では、MySOSというアプリで、必要な資料を記入・アップロードしておけば、ファストトラックを利用することができましたが、台湾側でも同様のシステムが運用されています。

hdhq.mohw.gov.tw

 飛行機の台湾到着予定時間の48時間以内に記入・提出ができます。主に、入国時に搭乗する飛行機や隔離地点などが要求されます。無事に入力できれば、台湾到着時にSMSを受信し、隔離場所などに問題がないかを確認できます。

 このように、注意しなければならないのは、台湾ではGPSを利用して入国者の所在確認を行う他、必要な連絡をSMSなどで行うため、台湾のSIMカードが必要になる点です。お持ちでない場合は、台湾到着後、入国手続前に購入する必要があります。

 

①-5:空港へ。そして搭乗

 ①-3がなくなったので、かなり気楽に空港へ向かうことが出来るようになりました。ポイントは「防疫旅館」の確保です。

 空港は利用者も少なく閑散としていますが、4月と比較して、関空特急「はるか」の運転本数が増え、便利になりました。わざわざ空港までkoseirapさんが見送りに来て下さりました。本当にありがとうございます!名残惜しくじりじりとお別れ。

 今回も「行き」と同じくスターラックス航空を利用しました。「行き」よりは利用者が多く、ビジネスくらすもほぼ埋まっていました。徐々に流動が回復しているようです。

見慣れた桃園国際空港



②:台湾入国後の動き

②-1:着陸・情報入力or確認、検査キット受け取りへ

 上述のように、着陸前48時間以内に、事前に必要な情報の登録を行うことができます。ただし、台湾のSIMがない場合、台湾到着後すぐにSMSを受信することが難しいので、到着後に入力してもあまり時間的には変わらないかもしれません。心理的なプレッシャーが減るだけです。

 

表示される画面(平常時)

 

 筆者の場合、事前入力を行い、SMSを受信、問題がないことを示す画面をすぐ提示できたので、すぐに自主健康管理期間中の外出時に利用が義務付けられる(陰性の確認が要請される)検査キットを受け取ることができました。またそこからスムーズに入国審査へ移りました。利用者も少ないので、こちらもほぼ待ち無しです。

 台湾の場合、空港到着後に唾液での検査を行いますが、注意しておきたいのは、預け入れ荷物を「受け取った後」に検査が行われることです。結果として、荷物の受け取りに一番時間を要しました。全量がなにかしらの消毒を行われてから受け取るようです。

 荷物を受け取ったらロビー外へ。ここからは桃園空港の話です。

 

②-2:唾液検査

 上述のように、荷物を受け取ったら、空港ターミナル外の検査所へ。日本と同じくブースが有り、そこで5ml程度の唾液をひねり出します。カップに入れ、検体として提出すれば基本的に「自由の身」です。ここからは隔離検疫地点へ移動することになります。

 防疫旅館や集中検疫所で隔離する場合、「お迎え」の車が来ていることもありますが、基本的には目的地まで防疫専用のタクシーに乗車することになります。

 費用は、原則として一律になっており、以下の表で「依跳表計費」というのはメーター通りということになります。「跳表」がメーターなのは面白いですね。ただ、私が桃園空港から台北まで乗車した際には「一律」1000元になっていました。これはほぼメーター通りです。政府から補助金が出ているので、高雄まで乗っても3000元程度ですみます(日本円で13000円ほど)。1人だと当然割高ですが、仕方のない出費です。

 乗車する際には、上で表示した画面を乗り場係員に見せます。

防疫タクシー運賃表

 

*5

 

②-3:隔離検疫・自主健康管理期間

 ぶじに隔離場所につけば隔離の開始です。上で行った検査結果は、アプリなどを通じて確認することになります。ただ陽性であれば連絡が来るようなので、連絡が来なければ「それでよし」ということでもあるようです。

 私の場合、入国翌日に関係機関から電話連絡が来、LINEで「疫止神通」というbotを入れるよう指示がありました。基本的にはLINEで毎日体温や健康状態を報告するなるようです。また、SMSで状況を確認されることもありました。

 一時期のように、テレビ電話で所在を確認したり、GPSで追跡まではやっていないように見えました。入国者だけでなく、国内感染者が一日数万人単位で発生している状況では、入国者への厳格な管理はもはや必要がないようにも思えました。

 4日間の強制隔離期間を終えると、渡された抗原検査キットで陰性を確認すれば、必要な買い物などの外出は可能になります。自宅隔離であったこともあり、個人的には、3日間の隔離はつらいものではありませんでした。

 

まとめ

 現在日本から台湾に入国する上で必要なことです。

  1.  ビザの取得(商用、留学、学術交流、親族)
  2.  台湾のSIMカードの入手(到着時に空港購入も可能!)
  3.  8日間の隔離場所の確保(ネット予約可能・日本語対応一部可能。自宅も可)
  4.  必要情報の事前入力(推奨!)
  5.  空港での検査(事前検査不要!)
  6. 4日間の強制隔離と期間終了後の陰性確認(アプリを通じた健康状態報告!)

 正直、そこまで難しいことはありません。ビザさえ取得して航空券さえ購入すればあとはなんとかなります。この状態がそこまで長く続くとは思いませんが、皆さん!良い台湾へのご旅行を!

*1:「水際対策緩和につき、当処の領事申請は、2022年8月より「月曜日~木曜日」予約なしでご来館いただけるようになります。午前9時より60組分の整理券を先着順にて配布します(一組最大10件まで)。整理券がなくなり次第終了します。(受付枠は東京都のコロナ感染状況及び政府のコロナ感染症対策により調整)。※尚、「金曜日」は「完全予約制」です。予約なしの方は入館できません。本ページは翌週金曜日までのご予約を受付けます。毎金曜日の朝8時に日付更新」

*2:「(二)自主防疫期間中は、以下の防疫規範を遵守すること:
1.必要な場合以外は外出はしない。
2.外出前2日以内の家庭用簡易抗原検査キットによる陰性結果をもって、出勤や生活必需品の購入ができる。
3.外出時は全行程でマスクを着用し、社会的距離を保つ。
4.ビジネス業務では出勤や訪問、講演、会議を開催することは可能だが、全行程でマスクを着用し、社会的距離を保つ。
5.出勤時は常にマスクを着用し、社会的距離を維持する。飲食が必要な際は一時的にマスクを着用しなくてもよいが、飲食後はすぐにマスクを着用する。
6.混雑した場所への出入りや不特定の人々との接触は避ける。
7.ビジネス業務ではレストラン内の独立した空間で1人で食事をすることや、特定の対象者と食事をすることができるが、その際はアクリル板を設置する、又は社会的距離を維持する必要がある。
8.緊急でない診療や検査は延期する。

(三)検疫場所は「1人1戸」又は防疫ホテルでの滞在を維持し、3日間の在宅検疫及び4日間の自主防疫は原則として同一の検疫場所で完了する必要がある。このほか、外国人労働者や、漁業従事者及び学生など、共同生活を送っている者は、クラスター感染のリスクが比較的高いことを考慮し、対象事業の所管部門が検疫場所での自主防疫を完了することを監督し、また、自主防疫期間中は通学や出勤の禁止、及び必要な場合を除く外出は禁止する

新型コロナウイルスに関する注意喚起:台湾入境後の在宅検疫日数の短縮等 新着情報 | 公益財団法人日本台湾交流協会

*3:微妙な書き方になっているのは、台湾の住宅事情が日本とかなり異なっているためです

*4:すべての台湾入境者、15日からPCR陰性証明提示が不要に : Taiwan Today

*5:二、旅客自臺北、臺中及高雄國際機場入境至檢疫處所交通方案QA - 交通部民用航空局