『小田急電車形式集』をご紹介 | 書斎の汽車・電車

書斎の汽車・電車

インドア派鉄道趣味人のブログです。
鉄道書、鉄道模型の話題等、つれづれに記していきます。

 今回は、レイルロード刊の『小田急電車形式集』をご紹介しましょう。

 

 平成30(2018)年に1~3の3冊が出まして、旧形車を網羅していました。このシリーズ、他の私鉄に関しては主に吊り掛け車のみを扱うことが多かったことから、小田急もこの3冊で一区切りかと思っておりました。

 それが今年になって、新性能車を扱った4と5が刊行されたのは、少々意外なことでした。しかしまあ、今回の2冊に登場する車輛は、私にとってはお気に入りばかりですので、慶賀すべき出来事といえましょう。

 そして、1~3が刊行された折には、当ブログではご紹介しそびれておりましたので、これを機に5冊まとめてお目にかけましょう。

 第1巻は、主に創業期の電車たちが登場します。「いっそ小田急で逃げましょか」と唄われたのはこの電車たちです。また、元祖「会いに行けるアイドル」明日待子が沿線の名所等のレコードを吹き込んで流した「週末温泉列車」も有名ですね。古めかしい初期鋼製車が主体ですが、これはこれで味がありますね。

 

 第2巻に登場する電車は、バラエティに富んでいます。旧木造省電のモハ51、戦前型では最も整ったデザインの1600形、戦後の特急ロマンスカー1700形、元「ロクサン形」の1800形などの個性あふれる電車が見られます。

 

 第3巻は旧帝都電鉄のデハ1500、クハ1550にはじまり、1900形に多くのページが割かれるほか、新性能車前夜の2100形も登場しますが、何といっても後半、「小田急の貨物輸送」と題して、電気機関車と貨車の全てがわかります。私鉄の貨物列車ファンにとっては必携の書といえましょう。(移動変電車・イヘ900形も登場します)

 

 第4巻は、私の「お気に入り」の車輛が相次いで登場します。2200形に始まる初期新性能車(2200、2220、2320そしてロマンスカー2300)、2400形、御殿場乗入れ用気動車、3000形「SE車」、向ヶ丘遊園のモノレール(に加えて「豆汽車」も)といった面々です。2300形の細部写真は、手持ちの「鉄コレ」の整備に役立ちそうです。

 

 第5巻は、昭和40年代のスターたちの競演です。2600形、4000形、5000形に加えて、あの9000形そして3100形「NSE」という名優たちが彩ります。この1冊もまた人気を博しそうですね。私にとっては、何といってもNSEです。「電車の中の電車」と書いたら大袈裟と言われますかね。

 

 さて、こうなると第6巻以降も刊行されるのでしょうか?大いに気になるところではありますが、とりあえずはこれまでの5冊を楽しむことにしましょう。

 小田急電車の全てが分かります。小田急ファンの方以外にも広くお薦めします。