きっぷ片手に旅をする

公共交通利用が中心の旅行記がメイン。月3回程度のペースで定期更新中。

第76回按針祭海の花火大会と特急「伊東按針祭花火大会号」(2022)

 8月10日,伊東市で行われた第76回「按針祭海の花火大会」を見に東伊豆方面へ日帰り旅行に行ってきました。

 午前中は別件があったため昼から旅行開始し,まずはリゾート21乗り鉄し熱川へ行きランチ。その後は折り返して伊豆北川伊豆高原で途中下車しながら温泉に入ったり伊豆のジオサイトを巡って散歩するなどしました。

 立ち寄った伊豆高原駅では伊東オレンジビーチでの有料観覧席の発売がありました。伊豆高原~伊東間の往復乗車票(1340円相当)に有料観覧席(2000円)がセットになって2500円という破格の値段でした。有料観覧席(2000円)だけでも発売してくれるとのことだったので,久しぶりの花火大会ということもあり観覧席のチケットを購入していざ花火大会へ。

ワイドスターマイン Xperia 1 II で撮影

 花火はオレンジビーチから海に向かって見て左手の第一離岸堤,右手のなぎさ公園・松原堤防・新井堤防からの打ち上げが多く,左を見たり右を見たりと忙しかったですが,目前で打ち上がる花火の音や振動の迫力,火薬のにおいなどは良い席でないと味わえないもので,とても素晴らしいものでした。そして第二~第三離岸堤からも打ち上がるフィナーレの花火は,隣の人の顔がはっきり見えるような明るさになり,視界がすべて花火で覆い尽くされるようなド迫力のワイドスターマインで,とても感動しました。

 

 21時の花火終了後は,あらかじめきっぷを取っておいた特急「伊東按針祭花火大会号」で帰宅します。この列車は名前の通り花火大会の行楽客輸送のために東京~伊東間1往復だけ仕立てられた臨時列車。復路の列車は伊東駅を21:26発で,人波に揉まれながら駅に入ることを考えるとなかなか忙しいです。花火が終わってすぐに駅に向かうと,かなり人は多かったもののスムーズに改札を入ることができました。

特急 伊東按針祭花火大会号

 伊東按針祭花火大会号は E257 系の波動用車両(OM-93編成)を使用。前回(2019年)までは185系での運転でしたが,同車の引退により E257 系になっています。踊り子号で E257 系が使われていますが,緑色の E257 系波動用車両が伊東駅にいるのは珍しいかもしれません。

前面・側面幕は「特急」表示

 臨時列車のため行き先表示は「特急」のみ。ホームには花火帰り客が多いうえにほかの臨時普通列車の発着もあるため「伊東按針祭花火大会」号も列車が入ってからすぐの発車となるため,必要な写真を撮ってすぐに車内に入ります。

車内は中央線特急「あずさ」時代とほとんど変わらない

 E257 系波動用車両は中央線特急「あずさ」の前世代の車両で,座席も武田菱デザインのものが使われていて「あずさ」と代わり映えがなく,特に面白みはありません。

 列車は満席で発車。短距離利用をおさえ,かつ神奈川県内の利用者に配慮しているためか伊東を出ると停車駅は小田原・藤沢・大船……(以降踊り子号と同じ)*1となっているのが特徴です。また,踊り子号のように「新たな着席サービス」が使えないため車掌がひと席ずつ検札に訪れており昨今の JR 東日本の特急列車としては珍しい風景になっていました。

特急「伊東按針祭花火大会号」の特急券

 今回は藤沢まで利用しました。通常80分ほどかかる伊東→藤沢間を65分で結ぶ爆速っぷりで,東海道線では時速100km~110kmで巡航し,小田原~茅ヶ崎間で貨物線に入って旅客線を先行する普通列車を追い越すなど特急の種別にたがわぬ走りでした。

 ただ,「伊東按針祭花火大会号」は185系時代は全車指定席の快速で運転されていたうえに,最繁忙期料金の適用で2019年に比べると同区間料金が3倍以上にハネあがっています。花火客でごった返した普通列車で帰るよりも快適かつ早いので,特急料金を支払う価値は無くはないと思いますが JR 東日本に足元を見られている感も否めませんでした。

*1:伊豆多賀・熱海で運転停車はあり