日中は各駅停車ばかりになってしまったとはいえ、現在は快速急行や急行も走るようになった小田急の多摩線。
一昔前は各駅停車ばかりが走り、小田原線と直通運転をする列車は僅かでした。

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多摩急行が登場するまで、多摩線といえば各駅停車ばかりの路線でしたが、開業時はどのように列車が運行されていたのでしょうか。

ガラガラだった開業時の多摩線

小田急の多摩線は、1974年6月1日に新百合ヶ丘から小田急永山までが部分開業しました。
何もないような場所に線路を敷いたため、開業時は乗客がほとんどいない状況で、真新しい線路をガラガラの電車が走る状態でした。

開業当時の多摩線は4両編成で運転され、車両はABF車と総称される1700形と1900形が使われました。
途中で編成が入れ替わるものの、多摩線内はたったの2編成で運用されており、栗平付近ですれ違うようなダイヤが組まれていました。

日中の運行間隔は15分前後で、平日の11時以降に新百合ヶ丘を発車する時刻を見ていくと、以下のようになります。

・11時1分
・11時16分
・11時30分
・11時42分
・12時00分
・12時15分
・12時30分
・12時43分
・13時01分
・13時12分
・13時30分
・13時43分
・14時01分
・14時13分
・14時31分
・14時43分

15分ヘッドでの運行となっていますが、線内を行ったり来たりするだけの割には間隔が揃っておらず、20分程度待たされる場合もあったようです。
列車の間隔は朝のラッシュ時でもほぼ変わらず、夜間に広がるぐらいの変化しかありませんでした。

開業時から存在した新宿への直通運転

終日に渡って線内を往復する列車が基本の多摩線でしたが、朝方に2本だけ小田原線に直通して新宿まで走る各駅停車が存在しました。
この2本だけは20m車の6両での運転で、基本的には2600形が充当されたようですが、運用上は9000形の6両も含まれており、どの程度走る機会があったのかは気になるところです。

初電から7時台まで、平日の小田急永山を発車する列車は、以下のとおりとなっていました。

・5時44分(新百合ヶ丘行き)
・6時20分(新百合ヶ丘行き)
・6時41分(新百合ヶ丘行き)
・6時57分(新宿行き)
・7時9分(新宿行き)
・7時17分(新百合ヶ丘行き)
・7時30分(新百合ヶ丘行き)
・7時43分(新百合ヶ丘行き)
・7時56分(新百合ヶ丘行き)

7時前後の2本のみが新宿行きで、列車の間隔が通常より詰まっていました。
休日ダイヤでは小田原線への直通列車がなく、線内を折り返す運用のみとなっています。

おわりに

今もどこかのんびりとしたムードが漂う多摩線ですが、開業時はさらにのんびりムードの路線で、あまりにも利用者が少ないことから2両への減車も行われました。
朝のラッシュ時に走っていた新宿行きの各駅停車には、どれぐらいの乗客がいたのか、そのあたりも気になりますね。