いつもありがとうございます。


今回はドイツとチェコの路面電車です。どこが出しているのか?と言いますと、なんとトミーテックの鉄コレなのです。


それではまずドイツから。

製品化されているのは俗に言う「ブレーメン型」です。1990年にMAN GHHが試作車を製造、ブレーメン市電に投入されたことが由来です。

メーカーの統合などでアドトランツ、ボンバルディアと変わり、また日本の新潟トランシスも製造するようになりました。

日本向けのトップバッター、熊本市交通局9700形のみドイツで使用されている車両とほぼ同じです。その後は基本構造がブレーメン、車体のみインチェントロの車両が各地に送られています。


鉄コレでは2017~19年に6都市の車両が製品化されました。輸出向けとして独英蘭仏日の5ヶ国語に対応しています。

動力は全種にTM-LRT04を使用します。なお動力ユニットは輸出されていません。



※以下、鉄コレを検索する際は都市名~形式名だけをコピペしてください。

例えばベルリン市電ならば「Berlin City Tram Type 1000」です。

余計なものを入れるとこのブログに戻ってきてしまいます。


WTR001 Berlin City Tram Type 1000 2017年12月発売

ベルリン市電1000形(GT6N形)

1036編成

印刷済行先 12 Mitte Kupfergraben

                     12系統 クプファーグラーベン


ベルリン市電は1865年に開業した、長い歴史を持つ路面電車です。開業時は馬車鉄道でした。

軌間は1435mm、電化方式は直流600Vです。


GT6N形は1994~98年に製造されました。この形式を使用する路線は両端にラケット型ループ線があるため、車両は片運転台で扉も片方の側面にあれば事足ります。

1999~03年には両運転台、扉も両側面にあるGT6N-ZR形も登場しました。



WTR002 Munich Tram Type 2000 2017年12月発売

ミュンヘン交通2000形(R2形)

2105編成

印刷済行先 28 Sendlinger Tor [U]

                   28系統 ゼンドリンガー門(地下鉄線乗換駅)


ミュンヘンの路面電車は1876年に開業しました。こちらも開業時は馬車鉄道でした。現在も 路線拡大が続いているようです。

軌間は1435mm、電化方式は直流600Vです。


R2形は1994~97年に製造されました。こちらも片運転台、扉も片方の側面のみに付いています。

このほか1990~91年に試作車のR1形、1999~01年に4車体型のR3形が製造されています。



WTR003 Nuremberg Tram Type 1000 2018年10月発売

ニュルンベルク市電1000形(GT6N形)

1001編成

印刷済行先 4 Gibitzenhof

                     4系統 ギビッツェンホーフ


ニュルンベルク市電は1881年に開業しました。開業時は馬車鉄道でした。こちらも路線拡大が続けられ、2030年には年間利用者数2億を目標としています。

軌間は1435mm、電化方式は直流600Vです。


GT6N形は1993~96年に製造されました。こちらも片運転台、扉も片方の側面のみに付いています。



WTR004 Mainz Tram Type 200 2018年10月発売

マインツ交通200形(GT6M-ZR形)

203編成

印刷済行先 51 Finthen Poststraße

               51系統 フィンテン ポストシュトラーセ


マインツの路面電車は1883年に開業しました。やはり開業時は馬車鉄道でした。今回登場する6都市の中では系統数は少ない方ですが、延伸が検討されています。

軌間は1000mm、電化方式は直流750Vです。


GT6M-ZR形は1996年に製造されました。路線の終端にラケット型ループ線が無いため、両運転台で扉が両側面にある一般的な形態をしています。



WTR005 Brunswick City Tram GT6S Type 2019年11月発売

ブラウンシュヴァイク交通GT6S形(NFGT6-S1100形)

9557編成

印刷済行先 5 Broitzem

                     5系統 ブロイツェム


ブラウンシュヴァイクの路面電車は1879年に開業しました。こちらも馬車鉄道でした。開業時はU字型の特殊な溝形レールでしたが、3年ほどで一般的なものに変更されました。

6路線の新規開業が予定されています。

軌間は馬車鉄道時代から続く1100mm、電化方式は直流750Vです。なお三線軌条で1435mmに対応する計画もありましたが断念した模様です。


NFGT6-S1100形は1995年に製造されました。片運転台で片方の側面にだけ扉のあるループ仕様です。ドイツ唯一の1100mm軌間のため、ここだけの特注品です。


製品には説明のないアンテナパーツが付属しますが、このようにパンタ脇に付けます。車体を分解すると穴開け用の窪みがあるのでΦ1.0のドリルで開孔します。

穴開けが初めての方、「ピンバイス」というものを買ってください。WAVE製のワンタッチピンバイスは便利です。



WTR006 Jena City Tram Type GT6M 2019年11月発売

イェーナ市電GT6M形

614編成

印刷済行先 1 Lobeda-West

                     1系統 ロベダ・ウェスト


イェーナの路面電車は1901年に開業しました。今回登場する6都市の中では、唯一当初より路面電車の形態でした。

軌間は1000mm、電化方式は直流600Vです。


GT6M-ZR形は1995~03年に製造されました。路線の終端にラケット型ループ線が無いため、両運転台で扉が両側面にある一般的な形態をしています。



次はチェコです。

チェコの首都、プラハには「タトラ国営会社スミーホフ工場」がありました。そこで1951年から製造されたのが「タトラカー」と呼ばれる路面電車です。主に東側諸国へ輸出され、現在でもそれらの国で活躍しています。

日本では土佐電気鉄道が1994年にプラハ市電の中古を購入しましたが、都合がつかず活用されないまま2004年に解体されてしまいました。片運転台で扉も片側にしか無いループ仕様の車両ですから、


鉄コレでは2022年に2都市4種類が製品化されました。この登場は驚きと興奮をもって迎えられました。


WTR007 プラハトラム タトラT3タイプA 2022年12月発売

WTR009+010 プラハトラム タトラT3タイプC 2022年12月発売

WTR007…7250 31系統 (画像右)

WTR009+010…7205+7225 22系統 (画像左•中)


チェコのプラハ市電は1875年に馬車鉄道として開業、1891年に路面電車となりました。軌間は1435mm、電化方式は直流600Vです。


T3形は1960年から1989年にかけて13991両が製造され、その中の一部であるT3SUCS形がタトラの本拠地であるプラハに納入されました。片運転台で片方の側面にだけ扉のあるループ仕様です。

2017年3月、旧型車をかき集めた「レトロリンカ23系統」が新設されました。製品化された中では7205号車が使用されています。2023年現在、T3SUS形は7205号車を含め4両が所属します。

7225号車、7250号車は2017年3月以前に廃車となった模様です。

プラハ市電の6319号車は前述の通り土佐電気鉄道に譲渡されましたが現存しません。



WTR008 ライプツィヒトラム タトラT4タイプB 2022年12月発売

WTR011+012 ライプツィヒトラム タトラT4タイプD 2022年12月発売

WTR008…1779 3系統 Olvensted(オルフェンシュテット) (画像右)

WTR011+012…1912+2100 11系統 Schkeuditz(シュクロイディッツ) (画像左•中)


ドイツのライプツィヒ市電は1872年に馬車鉄道として開業、1896年に路面電車となりました。軌間は1458mm、電化方式は直流600Vです。


T4形は1968年から1987年にかけて3509両が製造され、その中の一部であるT4D形597両がライプツィヒに納入されました。片運転台で片方の側面にだけ扉のあるループ仕様です。



付属ステッカー(4種共通のものが付属)

プラハ用

系統番号 [1][3][23] 前面用•後面用 各4枚

ライプツィヒ用

方向幕 [(白幕)] 4枚

系統番号 [4][5][20] 各8枚

             [3][11] 各4枚


全車が金属車輪で、2両セットは動力ユニットが付属します。1両の方も連結器が付いているので3両運転が可能です。

連結器はダミーカプラーと交換するリアルタイプと、車体の下から差し込むミニカーブ対応タイプが付属します。



西側と東側の路面電車が日本の鉄コレで揃いました。日本で見ることはできない車両なので、どんな人が企画し製品化まで漕ぎ着けたのか気になっています。


また海外製品が出たら更新するかもしれませんね。楽しみに待ってます。