宇美駅【福岡県】(香椎線。2012年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
福岡県西部、福岡市の東部郊外に広がるベッドタウン・宇美町の中心市街地に位置する都会のローカル線・香椎線の終着駅で、かつてはすぐ近くに1985年に廃止された勝田線の駅が存在した、
宇美駅 (うみえき。Umi Station) です。
 
尚、写真は2012年撮影で、古いです。現在は無人化されたり車両が蓄電池電車になるなど変化が生じています。ご了承下さい。
 
 
駅名  
宇美駅 (JD 16)
 
所在地  
福岡県糟屋郡宇美町  
 
乗車可能路線  
JR九州:香椎線    
 
隣の駅  
西戸崎方……新原駅     
 
訪問・撮影時  
2012年12月  
 
 

 

宇美駅は地平駅で、西側のみに駅舎・改札口があります。
東側から駅を利用するには約100m北の踏切または約250m南(終端部の先)の道路を通って西側へ回る必要があります。
 
駅舎は宇美八幡宮にちなみ、鳥居をイメージしたデザインになっています。
駅舎の床面はホームと同じ高さになっているため、駅外との間に段差があります。段差は階段とスロープで解消していて、バリアフリーに対応しています。
出入口前には電話ボックス、飲料自動販売機と案内マップが設置されています。
駅舎の左側には公衆トイレ(車いす対応トイレ併設)があります。
また、比較的広大な駅前広場が整備されていますが、これは勝田線の廃線跡を転用したためで、駅前広場付近に勝田線の宇美駅がありました。ちなみに香椎線と勝田線で別々の位置に宇美駅が存在していました(両路線の乗換は浜川崎駅のように改札外連絡となります)。
駅前広場にはロータリーがあり、バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。
そして、駅前広場には宇美町のイニシャルである「U」をかたどったモニュメントが設置されています。
写真は2枚とも東を望む。
 
 

 

駅前です。北西~北を望む。右手後方に宇美駅があります。
駅周辺は市街地で、手前のJR宇美駅前交差点から北西(上写真奥)や南東(左)へ延びる道路沿いには商店街が形成されています。
約600m西の市街地には宇美八幡宮が鎮座しています。また、約300m南西には宇美町役場があります。
 
そして、下写真の右奥へ延びる道路は勝田線廃線跡を転用した遊歩道・サイクリングロードです。
勝田線は博多駅の1駅北にある吉塚駅とを結んでいた路線で、活用すれば都市近郊路線として大化けしていた可能性があったのですが、国鉄時代末期は1日6~7往復のみの運行と輸送改善に力を入れず、結局民営化を待たずに廃止されてしまったもったいない路線でした…。
 
 

改札口です。出入口より東を望む。2012年撮影。
当時の宇美駅は有人駅で『みどりの窓口』がありましたが、2015年に無人化され、指定席券売機も設置されませんでした。代わりにインターホンが設置されていると思われます。
2012年当時は『SUGOCA』などの交通系ICカードと磁気券が利用可能な自動改札機が2通路あり(幅広通路なし)、窓口に面した右端に車いす通行可能な幅を有する有人通路がありましたが、現在、自動改札機は磁気券部分が閉鎖されていて、実質ICカード専用改札機になっています。磁気券の場合はそのまま改札口を通過する形になると思われます。
改札口の右手前には窓口がありましたが、後に閉鎖されたと思われます。窓口の手前には自動券売機があります(現在も『SUGOCA』のチャージは可能と思われます)。
また、2012年当時は改札内にICカードチャージ機がありましたが、今はどうでしょうか。
そして改札の先はホームで、段差なく移動可能です。
トイレは駅舎の外にありますが、改札内にあるかどうかは不明です。
尚、宇美駅構内および駅前に売店・コンビニはありません。右後方(駅舎内)に飲料自動販売機があります。
 
 

建植式駅名標です。非電照式です。
JR九州の標準デザインで、駅シンボルデザインはありません。外枠は丸太風です。
現在は駅ナンバリング「JD 16」が併記されていると思われます。
尚、地名の「粕屋郡」は間違いで、正式には「糟屋郡(かすやぐん)」です。
 
 

宇美駅は単式ホーム1面1線の地平構造で、南北方向にホームが延びています。
番線は設定されておらず、全営業列車が同じホームに発着します。左側には側線が1本あり、機回し線として使用可能です。
ホーム有効長は6両分ありますが、現在は2両または4両での運転です。ホーム幅は全体的に狭いですが、上屋下はやや広くなっています。
上屋は西戸崎寄り(手前側)の2両弱分に設置されています。雨ざらしの部分が発生しますので、雨天時は要注意です。
ホームにはベンチと飲料自動販売機があります。
また、上屋に面して駅舎・改札口があります。
写真は終端方を望む。
 
 

こちらは西戸崎方を望む。
宇美駅には蓄電池電車であるBEC819系電車「DENCHA」の充電設備はありません。充電は香椎駅で行います。
また、右側には機回し線があり、さらに右には線路敷が確認でき、その右側には貨物ホーム跡らしき構造物を確認できます。
ホーム上に相当する部分は道路に転用されています。
 
 

西戸崎方を望む。すぐ先に踏切があり、その前方で右の側線が本線に合流します。
この先、左へカーブしながら住宅地の中を走り、宇美川を渡ると丘陵地に入って左カーブで掘割の中を進みます。そして進路を北西に変えて掘割を抜け出し、須恵町に入るとすぐに新原駅(しんばるえき)へと至ります。
 
 

終端方を望む。
左側に貨物ホーム跡が確認できます。
少し先で側線が本線に合流し、その前方で線路が途切れています。側線からは安全側線が分岐しています。
昔は大谷炭鉱前駅まで貨物線が延びていましたが、その機能は勝田線に取って代わられ、早々と廃止されました。
 
 
あとがき  
私が宇美駅で下車(乗車)したのは2007年と2012年の計2度です。2007年は香椎線の乗りつぶしのため、2012年は香椎線の車窓風景撮影のため、終着駅ゆえ必然的に下車し、改札を出ています。石炭輸送が隆盛を極めた昔は広い構内を有していましたが、現在は単式ホーム1面1線プラス側線の小さな駅になってしまいました。駅舎は宇美八幡宮にちなんだデザインで立派です。駅前は宇美町の中心市街地で、商店も多く比較的賑やかでした。また駅前には勝田線の廃線跡が通っていて、廃線跡は道路や遊歩道に、駅跡は駅前広場に変わっていました。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で博多駅まで行き、福北ゆたか線(篠栗線)の普通または快速に乗り換えて長者原駅へ。さらに香椎線の宇美行きに乗り継いで終点下車です。若干タイトな日程になりますが、日帰り訪問可能です(最大滞在時間…6時間強)。
一方、大阪からですと山陽新幹線で博多駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間…11時間弱)。
(飛行機の利用は考慮していません)
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ・気軽に入れる飲食店はありませんが、駅前にスーパー「にしてつストア」があります。最寄りのコンビニは約250m西の「セブンイレブン」になります。まぁ事前に用意しておいた方が無難でしょう。
  
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、香椎線を乗り鉄の際は、宇美駅ですぐに引き返したりせず、一度は駅も観察されてみて下さい!
 
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)