神戸電鉄(神鉄)では、バリアフリー施設の整備を着実に推進するため、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用した値上げを実施することを発表しました。

「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し円滑な移動の実現に取り組みます|神戸電鉄

概要は以下のとおりです。

【対象線区】
神戸高速線を除く全線

【設定料金(大人)】
・定期外:
10円

・通勤定期:
1カ月・・・380円
3カ月・・・1,080円または1,090円
6カ月・・・2,050円または2,060円

・通学定期:
料金なし

【値上げ開始日】
2023年4月1日(土)予定

【今後の整備内容】
・スロープ新設、内方線付き点字ブロック等整備

・エスカレーター、エレベーターの新設・更新

・列車運行状況の案内ディスプレイの全駅設置




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▲神戸電鉄1000系。
なお画像のデ1075を含む編成は、2020年に廃車となっていますが、1000系そのものは神鉄でもまだ運用されています。

昨年12月に創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」ですが、既にJR東日本、東京メトロ、東武鉄道、阪急電鉄、阪神電鉄、京阪電鉄、小田急電鉄、西武鉄道の各社が本制度を活用した整備及び料金値上げを既に発表しています。

これらの事業者の名前を見ても分かるように、JR東日本を除くと「大手民鉄」に属する民鉄事業者が導入していることが分かります。
これら大手民鉄では、乗降客数が多いことから、ホームドアを中心としたバリアフリー整備に多額の費用を要することから、本制度を活用した整備を実施しているといえます。


一方、今回導入を発表した神鉄は、上記「大手民鉄」にも属さない事業者であり、JR東日本を含む「大手事業者」以外では初の導入発表事例となりそうです。

(参考)
大手民鉄 | 鉄道用語事典 | 日本民営鉄道協会
東武鉄道、西武鉄道、京成電鉄、京王電鉄、小田急電鉄、東急電鉄、京浜急行電鉄、東京地下鉄(東京メトロ)、相模鉄道〔関東9社〕、名古屋鉄道〔中部1社〕、近畿日本鉄道、南海電気鉄道、京阪電気鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道〔関西5社〕、西日本鉄道〔福岡1社〕の計16社のことを総称して、「大手民鉄」と呼んでいます。


バリアフリー施設整備内容についてみると、エレベーター・エスカレーターの新設・更新や案内ディスプレイの全駅設置等となっており、利用者数の違いもあり、ホームドアの全駅設置等の大規模な整備が見られないのも、特徴といえるでしょう。

大手民鉄ではない神鉄が、この制度の活用を発表したことから、他の事業者でも、大手・大手以外かかわらず、今後もこの制度の活用によるバリアフリー整備が進むのではないかと思われます。

実際問題、コロナ以前からの利用者の減少は、大手以外の事業者の方がより厳しい経営状況となっているだけに、積極的な活用により、若干の利用者負担は強いることにはなりますが、より利用しやすい鉄道として整備されることを願いたいな、と思ったニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
神戸電鉄も鉄道駅バリアフリー料金制度活用、4月から値上げ | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル

神戸電鉄、来年4月に値上げ 一律10円、バリアフリー化推進で|総合|神戸新聞NEXT

神戸電鉄,「鉄道バリアフリー料金制度」を活用した設備整備を実施へ|鉄道ニュース|2022年8月21日掲載|鉄道ファン・railf.jp



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