2022年7月に津山線の岡山~津山間で運行を開始したばかりの観光列車「SAKU美SAKU楽(さくびさくら)」の乗車記です。
 
車両や設備については、前編をご参照ください。

 

今回の後編では、実際に乗車してみた様子をお伝えします!

 

どの便に乗るべき?

SAKU美SAKU楽(さくびさくら)」は以下の4便で運行していますが、どの便を選ぶのがいいのでしょうか? 

※以下は2022年9月までのものです。
 

金・土・日曜日(単独で運転)

2号 岡山10:50→津山12:22 グランヴィア岡山・美作かえし寿司+お土産

1号 津山12:52→岡山14:12 寺田シェフ特製弁当+ミルクセーキ+スイーツ
4号 岡山14:33→津山15:52 STYLEのフルーツタルト+お土産

3号 津山16:21→岡山18:17 寺田シェフ特製弁当+お土産

 

月曜日(快速ことぶき号に併結して運転)

2号 岡山09:47→津山10:59 STYLEのフルーツタルト+お土産

1号 津山11:40→岡山12:50 寺田シェフ特製弁当+お土産

4号 岡山13:05→津山14:14 グランヴィア岡山・美作かえし寿司+お土産

3号 津山15:53→岡山17:02 寺田シェフ特製弁当+お土産

 

私は、赤字になっている週末の1号を選択。
まず月曜日は快速列車に併結なので、観光列車らしさが半減するのと、食事をするのには乗車時間が短すぎるということで敬遠🆖
乗車時間を気にするのであれば、週末の3号も良さそうなのですが、迷った結果寺田シェフのお弁当とミルクセーキ、スイーツに魅かれて週末の1号にした次第😋
(お料理の詳細は後述)
 
ちなみにSTYLEのスイーツセットはラ・マル・ド・ボアで提供されているものとほぼ同じです。(箱はもちろんSAKU美SAKU楽仕様になっています)
 

津山駅と まなびの鉄道館

そんなことでやってきたのは津山(つやま)
この日は「みまさかスローライフ」号が運転される日で、駅にはすでに自由席を狙う方の列ができていました😅
この列車も非常に魅力的なのですが、このご時世、人口密度が高そうな4名用ボックス席は辞退せざるを得ないと判断しました。
 

 

そんな彼らを尻目に、駅舎とは線路を挟んで反対側にある「津山まなびの鉄道館」に行ってみました(徒歩10分弱)。

岡山9:47発の快速ことぶきに乗り10:59津山到着後から、12:52の「SAKU美SAKU楽」の出発まで、見学時間を含めてゆったりと楽しめました。 

なお、津山駅に入館料割引のチラシが置いてありましたので、チェックをお忘れなく😚 

 

ビンクの観光列車 現る

ピンク色の鉄道車両は千葉県の新京成電鉄で運行されていますが、観光列車となると他では類を見ないかもしれません🙄
 
しかも元国鉄のキハ40気動車ということですが、意外とお似合いだと思いませんか?
 
 
旅行商品で乗車する場合には、あらかじめチケットを引き取っておかないといけないのですが、津山駅では引き取れないので注意が必要との案内がありました。
きっぷの券面は「SAKU美SAKU楽1」ではなく「さくびさくら 1号」なのですね。
 
 
さて指定された席に着席します。
※座席番号については、前編でご紹介しています。
 
津山駅の方がお見送りしてくださいますが、それよりも朽ちてしまったホームの柱が気になってしまいます😳
 
 
座席にセットされた袋をあけると可愛らしい記念乗車証が入っていました。
このイラストは津山工業高校デザイン科の生徒さんの作品だそうで、学生さんが一緒になって参加してくれているのが嬉しいです。
 
 
そして、ristoranteTeradaのオーナーシェフ寺田真紀夫シェフが監修した「岡山県北イロどりちらし」が登場。
体の中から美しくをコンセプトに、地元の食材にこだわった特製弁当のとのこと🙌
 
 
左側には、新鮮なお野菜が彩り豊かに盛り付けられたイタリアンばら寿司
イタリアンにバラ寿司を結びつけるなんて、やっぱり岡山らしいなぁと実感😁
 
そして、右側には黒毛和牛のローストビーフが盛られています。
こちらは肉厚で食べ応え抜群。
どちらも、このお弁当を選んでよかったと思えるお味でした!
 
 
監修は寺田シェフですが、実際にお料理を提供しているのは、津山市にあるイタリアンレストランで野菜とパスタがウリのOkayama Table TERRAさん🇮🇹
実際のお店も訪れてみたくなりました!
 
お弁当には「おーいお茶」の280mlペットボトルが付きますが、追加で購入することはできないので、足りない方や他の飲み物がお好みの方は、事前に購入しておいた方が良さそうです。
 

亀甲駅は亀のカタチ

SAKU美SAKU楽」には観光案内や車内販売などを担当してくれるアテンダントさんが1名とJR岡山支社の方1名の計2名が添乗していました。
列車は最初の停車駅、亀甲(かめのこう)に停車します。
ホームに侵入する直前、車窓右側には亀の形を模した駅舎が見えてきます。
 
 
ホームにも亀のオブジェがありました。
本来は下車したいところですが、ここでは地元の美咲町の料理研究家makoさんが考案したスイーツを積込むための停車なので、下車はNG。
残念ですが、車内で待ちましょう。
 
 
すると、地元の方が乗り込んできて、卵かけご飯の説明を始めました。
ここ美咲町は卵かけご飯の聖地と呼ばれ、卵かけご飯で町おこしに取り組んでいるのだそう。
明治時代に、地元のジャーナリスト岸田吟香さんが全国に卵かけご飯を広めたんだとか。
 
 
せっかくなので、卵かけご飯用の卵や専用の醤油などを、車内販売すれば良いのにと思ってしまいますが、そこまで商売熱心ではなさそう🤔
 
案内が終わるとすぐに、makoさん考案のスイーツが配られます。
美咲の黄身だんごは、中にカスタードが入ったお団子で、卵をイメージしています。
美咲フルーツのバターサンドは、地元のブルーベリー園のジャムとホワイトチョコなどを、米粉クッキーでサンドしたもの。
 
 
さすが料理研究家考案のスイーツ、どちらもおいしくペロリと頂きました!
 

岡山県最古の木造駅舎

次の弓削(ゆげ)では5分間停車。
ここはミルクセーキを積込みするのための停車なのですが、アテンダントさんから「この弓削駅は岡山県最古の木造駅舎です。ホームの反対側なので体力に自信のある方のみどうぞ。」と案内がありました。
 
 
同士があと2人いたようで、仲良く駅舎正面へ回りこみます。
1898(明治31)年開業当時からの駅舎とのことですので、123歳なんですね。
駅正面入り口横や、駅前のロータリーの植え込みなど、あちこちに河童のオブジェがあります。河童が街のシンボルなのですね。
 
 
この駅舎はもっとゆっくり観察したいところですが、ご迷惑をお掛けしてはいけませんので、急いで戻ります😅
 
そして、列車が出発すると配られたのが、プチゆずミルクセーキ
地元、久米南町特産のゆずと豆乳で作られたミルクセーキなのですが、凍った状態で提供されるので、冷たいまま味わうことができるアイデア商品です👍
 

 
途中駅から少しずつ積み込んでくるのって楽しいですね。
積込の際に、作り手の方のお顔も見れますし、お見送りもしてくださるからこちらから感謝の思いも伝えられますし…🤗
 

最後は絶景と車内販売

 車窓の風景はあまり見どころがないように感じる津山線ですが、この沿線一の絶景スポットが「旭川」です。
ひまわり畑が見える牧山(まきやま)を過ぎると列車はビューポイントで徐行📷️
 
 
車窓左側を流れる旭川は穏やかそのもので、水面には空が映りこんでいます。
 
かつては、高瀬舟が行き交った川なのだそう。いろいろ勉強になります😌
 
旅の最後には、車内販売がありますが、SAKU美SAKU楽グッズがほとんど。
一番目立ちそうなサボ(3,960円)に目を引かれましたが、今後の行程を考えて断念😥
他にはちょっとしたお土産がある程度でした。
 
 
車内販売も今後のラインナップの変化に期待でしたいですね。
 

最後に

SAKU美SAKU楽」の感想は、何かと中途半端だと感じました😱
もう少しコンセプトをはっきりさせないと、満足感が得られないと思われます。
 
①乗車時間の改善
今回乗車してみて、お料理を提供する列車としては乗車時間が短いと感じました。
食事付きなら、乗車時間は途中駅で停車も含めて2時間弱確保してほしいです。
カフェトレインにするならば、1時間余りの乗車でもいいかもしれません☕️
 
②車内設備の改善

通常の列車としても使えるようにとの意図でしょうが、観光列車になりきれなかったことが、満足感を下げています。せっかくのお料理が泣いています

ボックス席テーブルの大型化(水戸岡式に折り畳み?)、ロングシートを窓向きカウンター席へ改造するなど、多客時でも使える工夫はありそうです。

 

これ以上書くと「頼んでもいないぞ」とJR西日本様に怒られそうなので、この辺で👋
 
お料理など、地元の協力十分に得られているので、あとはJR西日本様のコンセプト作りと車両・ダイヤの問題ですね。
今後に期待して結びとします😎
 
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