2012年に新宿駅で初めてホームドアの使用を開始して以降、現在までに8駅で使用を開始している小田急線。
車両側の扉位置等の問題が絡み、設置には時間を要している状況でしたが、2032年度までに37駅に整備をしていくことが発表されました。

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今後ペースが加速すると思われるホームドアの設置は、どのように進められていくのでしょうか。

37駅にホームドアの設置を完了予定

小田急では、現在までに7駅でホームドアの設置を完了し、新宿の一部でも設置が行われています。
ホームドアの整備状況は鉄道会社によって差があるのが実情で、小田急はどちらかといえば設置が遅れている状況となっています。

そんな中、2022年8月4日に「鉄道駅バリアフリー料金制度」の活用に関するリリースがあり、2032年度までに37駅での整備を完了することを目指すと発表されました。
鉄道駅バリアフリー料金制度は、駅でのバリアフリー化を促進するために、利用者にその費用を負担してもらう制度で、今後運賃に加算が発生します。

ホームドア以外にも、ホームとのすき間や段差の解消、エレベーターやエスカレーターの更新も行われる予定となっており、鉄道駅バリアフリー料金制度によって駅の整備が進められます。
見方を変えれば、理想的な社会を実現していくためにはお金が必要ということでもあり、それを利用者全体で今後負担していくこととなります。

ホームドアの設置はどのように進むのか

小田急では、今後ホームドアを設置するペースが加速することとなりますが、どのように進められるのでしょうか。
2032年度までは10年となりますが、設置対象となる駅やペースは最も気になるところでしょう。

ホームドアが設置される37駅は、小田原線の新宿から本厚木までの全駅、江ノ島線の中央林間、大和、藤沢が予定されています。
小田原線の本厚木以西の駅、江ノ島線の多くの駅、多摩線の全駅は対象外となっていますが、通過する列車が少ない区間を対象外としたのかもしれません。
また、小田急ではワンマン運転に関する検討が行われており、設置駅の偏りには何らかの関連があるようにも感じられます。

設置のペースとしては、2025年度までに11駅、2032年度までに19駅とされており、一部のホームが未設置となっている新宿も含まれています。
駅の内訳は不明ですが、2025年度までは既に発表されている駅である、町田、相模大野、海老名、本厚木、中央林間、大和等の整備を進めつつ、追加でいくつかの駅に設置をしていくのでしょうか。
計算上は1年に3駅ぐらいのペースとなるようで、4ヶ月に1駅ぐらいのペースで設置駅が増えていくことになりそうです。

リリースの中では、2033年度以降の整備計画は決定次第の発表となること、この計画以外でも設置される可能性があると読み取れる記述があり、37駅では終わらずに最終的には全駅への設置を目指していくのでしょう。
2032年度までの長期の計画となっていることから、今後変化していく可能性もありそうです。

おわりに

鉄道駅バリアフリー料金制度の活用により、今後一気に前進する小田急のホームドア設置計画。
対象外とされた駅での動向も含めて気になることばかりですが、多くの駅で風景が一変することだけは確かなようです。