2022年7月26日に、European Rail Timetable(ヨーロッパ鉄道時刻表、以下ERTと略)のAugust 2022 Digital Editionがリリースされました。

 

その中のNEWSLINEページの掲載情報から、毎週配信されているFRIDAYFLYERと重複しない情報をまとめます。

 

【国際列車】

ユーロスターは、乗客が列車の出発前に駅に到着すべき時間についてのアドバイスを修正しました。ロンドン・セントパンクラス駅とリール駅での(最終)チェックイン時間はこれまで通り「(出発前)30分前まで」ですが、パリ、ブリュッセル、アムステルダムでは「(出発前)45分前まで」に延長されました。ただし、ユーロスターでは、出発時刻の90分~120分前に(出発駅に)到着されることを推奨しています。新しいアドバイスを反映させるため、国際線表内のユーロスター便の一部を修正しました。

 

 

【フランス】

2022年8月29日より、アヴィニョンとポン・サン・エスプリ(Pont-Saint-Esprit)を結ぶ新たなTERサービスが開始され、1日5便の運行が予定されています。(この列車は)ローヌ渓谷右岸線の南部を利用しますが、これはリヨンからニームまで続く貨物専用路線で、ローヌ川の対岸にある主要旅客路線とほぼ平行しています。(この貨物船用路線を)旅客列車が最後に利用したのは1973年ですが、Table 351に示したサービスは、工事が行われる際に路線の一部で迂回されることがあります。

→ブログ筆者補足

ERT紙面で確認しました。下記がクリッピック画像です。

 

8月29日からサービス開始の注釈が確認できました。他の資料でこの貨物線を確認しましたが、複線電化の貨物専用線があり、その途中駅であるポン・サン・エスプリまで旅客輸送が行われるようです。

 

 
【イタリア】
8月8日から26日にかけて、ミラノ地区で工事が行われるため、多くの長距離列車で時刻変更が発生します。この期間中にミラノを発着・経由される読者の皆様は、通常より早く発車する可能性がありますので、現地で時刻をご確認くださいますようお願いいたします。
 
 
【スペイン】

・テウラーダ(Teulada) - ガタ(Gata)間の工事が完了し、7月13日からベニドルム(Benidorm) - ガタ間で直通運行が再開されました。なお、ガタ - デニア(Denia)間の工事は継続されており、この区間は2023年初頭に工事が完了するまでバスの代替サービスが継続される(Table 667)。

 

・マドリッド - バレンシア間のOuigoサービスが2022年10月7日から開始予定で、その時刻表をTable 668に掲載しました。正式な運行本数は取材終了時点で不明ですが、チケットの販売は6月30日から開始されています。

→ブログ筆者補足

スペインのOuigoですが、すでにマドリード〜バルセロナで運行中ですので、2番目の開業区間となります。公式サイト掲載のパンフレットでは、マドリード〜バレンシア両都市間は1時間50分で結ばれるそうで、現時点では毎日3往復運行の予定です。

 

 
【ドイツ】
ドイツとデンマークを結ぶ「フェーマルン・ベルト・フィックスド・リンク(Fehmarn Belt Fixed Link)」に関する工事が続いているため、2022年8月31日からリューベック(Lubeck)とプットガルデン(Puttgarden)間の全便が代行バス運行となりました。変更後の時刻表は、566ページのTable 825の特別版に記載されています。なお、リューベックとノイシュタット(ホルスト)間のサービスは、引き続き列車で運行されます。
→ブログ筆者補足
「フェーマルン・ベルト・フィックスド・リンク(Fehmarn Belt Fixed Link)」の中心となる建造物は、フェーマルン・ベルト・トンネルとなります。当初橋梁建設予定から沈埋方式のトンネル建設に変更となり、現在目下建設中となります。

 

 

【チェコ】

・オーストリアで行われている工事のため、8月8日〜21日までリブニク-リンツ間一部区間が代行バスで運行されます。7月2日から30日までの国際列車の変更は、560ページのTable 1130の特別枠でご覧いただけます。

 

・2022年6月10日以降、ハンガリーのゾープ(Szob) - ナジーマロス(Nagymaros) - ヴィシェグラード(Visegrád)間の線路で大規模な地滑りが発生したため、運行が制限されていましたが、チェコとハンガリーを結ぶ長距離列車(Table 1150)は、7月30日から通常のダイヤに戻ります。

 

・Table 1150では、(チェコのオペレータ)レギオジェットがプラハ-ウィーン間の列車を若干距離延長運転し、ウィーン国際空港駅(Flughafen Wien Schwechat)の発着が実現しています。

 

 
今回は以上です。

 

★ERTの8月号(デジタル版)が発行されました★

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参考文献 European Rail Timetable August 2022(Digital Edition)