2022年3月17日(木)

 

春の訪れを感じる頃、三重県のいなべ市梅林公園にやって来ました。

大阪から車で名阪国道を走り、3時間くらいかかったかな。

いつもなら鉄道やバスを使うのですが、交通機関でアクセスできない場所にあるので仕方がないです。

 

 

早速展望台に上ってみましたが、見事な景色です。

赤や白のパッチワークの向こうでは、薄ら雪化粧をした鈴鹿山脈が控えます。

この日は咲き始めでまだ蕾の枝もあると聞いていましたが、満足のいく景色でした。

 

 

しかし平日の朝ですが、多くの観光客で賑わっています。

市街地からさらに車で15分ほど山に入ったところにあるので、人は疎らだろうと高を括っていましたが、さすが東海エリアで最大級の規模を誇る梅林、恐れ入ります。

 

 

梅の木は4,000本以上あり、気になる木を物色しながらぐるぐる園内を歩き回ります。

梅林の中ほどには小川が流れ、多くの人がカメラを構えていました。

確かに後で撮った写真を見返すと似たような写真を量産していたので、川を取り込んだ絵は新鮮だったのかも。

 

 

ここまでのアクセスは自家用車でしたが、鉄道にも乗車していきます。

まずは市街地に戻って、阿下喜駅の駐車場に車を停めます。

阿下喜駅は、三岐鉄道北勢線の終着駅。

三岐鉄道の多くの駅では、利用客向けに無料駐車場が設けられてるので便利です。

 

 

また阿下喜駅には、軽便鉄道博物館が隣接しています。

月に2回のみの開館となりますが、入館料が無料なのは嬉しいですね。

屋外に展示されているレトロな車輌は、ボランティアの方々によって修復されたモニ226で、開館中は車内を見学することが可能。

 

 

さて、湘南型の顔が特徴的な車両で北勢線を乗り通していきます。

上半分がクリーム、下半分がグリーンの塗装は、前身である三重交通の標準色であり、2013年に開業100周年を記念して復活しました。

 

 

列車は桑名駅を目指して、員弁川と一定の距離を保ちながら川の左岸を平行に走ります。

一方の川を挟んだ反対側では、右岸を平行に三岐線が走ります。

山容が変わるほど削られた特徴的な山は藤原岳で、大規模な石灰石の採掘が行われています。

 

 

三岐鉄道の1日フリーきっぷは1,200円でした。

北勢線を乗り通して510円、三岐線を乗り通して560円なので、お得になるかは微妙なところ。

 

 

あと、特徴なのがレールの幅。

国内を走る鉄道のレールの幅はほとんどが標準軌や狭軌と呼ばれるものですが、北勢線は国内で3社しか運行していない狭軌よりも狭い特殊狭軌(ナローゲージ)です。

残るふたつは、同じ三重県の四日市あすなろう鉄道と富山県の黒部峡谷鉄道になります。

 

 

 

北勢線は元々近鉄の路線でしたが、経営改善のために廃線になるところを、近隣の三岐鉄道が鉄道事業を引き継いだ、民間事業者間での譲り受けのケースになります。

 

 

途中の楚原駅からは、日中の運行本数が1時間に1本から2本に増えます。

楚原駅はいなべ市を代表する駅で、市役所のある阿下喜駅より利用者は多いです。

 

 

桑名市に入ると周囲は市街地になり、ナローゲージの北勢線が標準軌の近鉄と狭軌のJRをオーバーパスして終点の西桑名駅に到着。

阿下喜駅から西桑名駅までは1時間弱でした。

 

 

西桑名駅は、駅名は違えど近鉄とJRの桑名駅に隣接しています。

2020年には桑名駅が橋上化されて南へ約80m移転しているので、さらに両駅は近くなっています。

 

 

駅舎は、1977年に今の場所に移転してからのままだろうなと思います。

自動改札機が設置されていますが、正面の入り口はガラガラと開ける引き戸だったり、あちこちレトロです。

 

 

ちょうどお昼の時間だったので、駅近くの海鮮系のお店でランチにしました。

名物の海鮮丼は、南伊勢の色んな魚をお得にいっぱい食べることができました。

ぶりぶり、ねっとりと違った食感と味が楽しめます。

ホント魚がたくさん乗っているので、ご飯が足りない案件です。

 

 

あと、桑名と言えばハマグリですね。

お高めなので焼きを1個だけ頼みましたが、身はぷっくらとしており、殻にたまったスープと一緒にちゅるんと食べたら、もう幸せでした。

 

 

こちらが、新しくなった桑名駅。

駅前はさっぱりしていますが、これから整備されていくのでしょう。

桑名駅からは、急行でひと駅進んで近鉄富田駅に移動します。

近鉄富田駅は、同じ三岐鉄道の三岐線の始発駅です。

 

 

桑名は東海道五十三次でも有名な七里の渡や洋館の六華苑といったスポットがあるので、今度は時間を作って散策したいですね。

 

 

わずか7分で、近鉄富田駅に到着。

三岐線は近鉄と同じホームから発着しているので、桑名駅からの運賃を一度精算してから再度フリーきっぷで改札を通ります。

 

 

発車してすぐに、JRをオーバーパスします。

北勢線はナローゲージでしたが、三岐線はJRと同じ狭軌です。

列車は近鉄の富田駅から発着していますが、本来はJRの富田駅に乗り入れており、後に近鉄富田駅への連絡線ができています。

 

 

三岐鉄道はセメント輸送が主力で、沿線にあるセメント工場からJR貨物の四日市駅へと継走しています。

今では旅客列車が近鉄の富田駅に、貨物列車がJRの富田駅にそれぞれ乗り入れているかたちです。

 

 

車両区が併設された保々駅を過ぎると、朝明川を渡ります。

この後は、員弁川の右岸に並行して北上です。

余談ですが、北勢線では主要駅にしか駅員がいなかったのに、三岐線では無人駅がひと駅だけと差があることに驚きました。

 

 

丹生川駅では貨物鉄道博物館が隣接しており、戦前の貨車を保存展示しているそうです。

魅力的ではあるのですが、定期開館日が月に1日だけなので、訪れるのには難易度が高そうです。

 

 

再び、特徴的な山容の藤原岳が近づいてきました。

次回は三岐線を乗り通して、もうひとつの梅の名所に向かいます。

ではではノシ

 

★旅行記1話リンク★