NO.2709 10台それぞれ動きあり、西鉄GP平成23年・24年導入日野セレガ幕式高速車の現状 | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 ご覧の皆様もご存知の通り、西鉄グループでは多くの高速車両を導入しておりまして、各地の路線で運行する姿が見られております。

 

 近年では「新型コロナウイルス」による需要減もありまして、減便や休止・廃止となった路線もある事から、そう言った事で車両を減らした事業者も見られておりますが、西鉄グループ内でも同等の姿が見られてもいまして、古参車両に関しましては廃車となった車もありますし、車齢の若い車も転属を余儀なくする姿も見られているのが現状でもあります。

 

 上の画像の車(画像1、2975・いすゞQRG-RU1ASCJ 画像2、1004・いすゞQTG-RU1ASCJ)も、自車もしくは僚車が転属となっている車も見られてもいますし、それに加えましてグループ会社に移籍すると言った姿も見られておりまして、それほど動きも見られている事が伺えるのではないかと思います。

 

 

 さて、上の画像の車の共通した部分と言いますと、いすゞガーラ以外にも折戸である事がわかりますが、それとともに共通している部分と言いますと、行先表示がLED行先となっている事が共通点ではないかと思います。しかし、このジェイバス架装のこのタイプも、西鉄バスで最初に導入されました車ではLED行先ではなく幕式行先でありました。今回ご紹介しますのは、その導入されておりました幕式車両に関しまして、導入から現在までの姿を皆様にご紹介してまいります。

 

 

 今回ご紹介します車は、いずれも日野セレガであります10台の事でありまして、いずれもLKG-規制の車(LKG-RU1ESBA)であります。これらは平成23年に4台が導入、そして翌平成24年にも6台が導入されておりまして、もちろん全車健在でもあります。

 

 

 まずは、平成23年に導入されました車からご紹介してまいります。先述のように、この年は4台が導入されておりましたが、これら車も各車現在まで様々な動きが見られております。

 

 

 まずご紹介しますのは8528であります。この車は、以下画像のように福岡~熊本線「ひのくに号」専用車として導入されておりましたが、多客期には夜行高速路線バスの続行用としても使用されておりまして、実際に「はかた号」・「どんたく号」の続行便として東京・名古屋までも運行されていた経歴もありまして、そう言った事から現在も仮眠室が装備されております。
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 (「はかた号」続行時)~平成26年撮影
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 (後方に設置、仮眠室)

 

 

 この車、新製導入は福岡高速営業所でありましたが、現在は博多営業所所属となっておりまして、福岡~佐世保線「させぼ号」などの系統で運行されておりまして、本州夜行続行としての姿は見られなくなっております。また、この車が「させぼ号」系統では共同運行会社であります西肥自動車と両社を通じて唯一の幕式行先車両であるのも特徴でもありまして、大変目立った姿が見られているのも現状でもあります。

 

 

 次は、8528の相方でもあります8529であります。この車は旧西鉄高速バスとして導入されておりまして、当初は、当時日本最長路線でもありました、現在は廃止されております旧西鉄高速バス専業路線、福岡~東京(池袋)・さいたま(大宮)線「ライオンズエクスプレス」に使用されておりましたが、後述の8546の導入に伴いまして予備車となりましたが、運行されない時には、その下の画像にもありますように、当時旧西鉄高速バスの専業路線でもありました福岡~大分線「とよのくに号(スーパーノンストップ便)」にも使用されておりました。

 

 (「ライオンズエクスプレス」使用時)~平成22年撮影

 

 (「とよのくに号」使用時)~平成23年撮影

 

 

 その後、後述の8545とのトレードで西鉄バス博多営業所に転属、高速続行で使用されておりまして、画像のように東京(新宿)線「はかた号」や名古屋線「どんたく号」などで続行運行する姿が見られておりました。

 


 そして、当時は需要が多かった「ゆふいん号」への転用に伴いまして、これまでの「白夜行塗装」から、以下画像の「火の鳥塗装」に塗り替えられまして、旧西鉄高速バス福岡支社に転属となりました。これによりまして、「白夜行塗装」のハイデッカー自体消滅した事にはなりましたが、引き続き夜行続行の対応のために仮眠室は残すに至っております。

 

 

 現在も、西鉄高速バス解散に伴いまして西鉄バス福岡高速営業所と所属先が変わりましたが、引き続き「ゆふいん号」として運行される姿が見られております。しかし、需要も「コロナ禍」前ほどではないのが現状ではありますが、それでも西鉄バスの「ゆふいん号の中心車両としての姿が見られるだけでもいいのではないかとも思う所ではあります。

 

 

 次は、日野セレガスーパーハイデッカーとして導入されました8545・8546であります。まずは8546からご紹介しますが、先述の8529から遅れる事数か月、新たな「ライオンズエクスプレス」専用車としてこの8546が導入されましたが、このスーパーハイデッカー専用車の大きな特徴としまして、大きな「西鉄ライオンズ」のロゴの姿が見ていて印象的でもありました。それにしても、4列シートであった事を思いますと正直酷ではなかったかなと思ってならない所ではありましたでしょうか。
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 一方、8545は以下画像のように「白夜行塗装」で導入されておりまして、もっぱら「はかた号」の続行で導入されておりました。ご覧の皆様も、この姿からも独立3列シートか?などとも思う所ではありますが、実際は8546と同様4列シート・後部トイレ・仮眠室付である事から、続行時も8528と同様の形であった事が伺えていたようにも思います。
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 しかし、先述のように平成26年に8529とのトレードによりまして旧西鉄高速バス福岡支社に転属、8545も「ライオンズエクスプレス」専用車として運行されるようになりまして、デザインも8546に準じたデザインとなりまして、この路線では以降はスーパーハイデッカー2台体制で運行される事になりました。

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 けれども、平成27年に「ライオンズエクスプレス」は運行を終了、終了後は2台とも「白夜行塗装」となりまして(8545に関しましては戻されまして)、いずれも旧西鉄高速バス福岡支社から西鉄バス博多営業所に転属しまして、以下画像のように「白夜行塗装」のデザインとなりまして、しばらくは画像の「はかた号」の続行用などとして使用されておりました。

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 その後、8546は福岡~島原線「島原号」転用に際しまして、「火の鳥塗装」に塗り替えられておりまして、これによりましてもっぱら昼行専用車としての姿が見られるようにもなっております。尚、仮眠室に関しましては先述の8529とともに引き続き存置されておりまして、かつての夜行専用車としての姿を残しております。

 

 (非公式側)

 

 (車内)~その下の画像は仮眠室部分

 

 

 そして、相方の8545に関しましては、令和元年にラグジュアリー観光バスであります「グランデイズ(GRANDAYS)」に転用されまして、西鉄観光バス所有として新たな姿を見せております。この車に関しましては、座席定員12名と言う仕様になっておりまして、車内のインテリアに関しましては「大川家具」を使用しておりますし、座席は、高級本革を使用したドイツ直輸入のシートを採用しておりまして、ランクが上がった観光バスとして大きく様変わりしております。

 

 

 ここまで、平成23年に導入されました4台をご紹介しましたが、次は平成24年に導入されました6台をご紹介してまいりますが、まずは「火の鳥塗装」の3台をご紹介します。

 

 (7610)
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 (7611)

 

 (7612)
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 上の画像が、新製導入後の3台であります。これら車はいずれも「ひのくに号」専用車として福岡高速営業所に新製導入されておりまして、ドアも画像からもわかりますようにスイングドアでもありますので、852*の2台との大きな違いは仮眠室がないと言う所でもあります。

 

 

 その後、これら3台は平成27年に東九州自動車道の開通を機に運行開始されました、北九州~別府・大分線「ゆのくに号(当初は愛称なし)」に転用されまして、それに伴い西鉄バス北九州小倉営業所に転属します。専用車両には、側面に「ゆのくに号」のロゴマークも貼られておりましたし、画像の7612のように、住宅地図でおなじみの北九州市に本社を持ちます「ゼンリン」のラッピングも一時見られておりました。

 

 (7610)

 

 (7611)

 

 (7612)~ゼンリンラッピング時

 

 

 しかし、令和3年に「新型コロナウイルス」によります減便に伴いまして、7611が福岡高速営業所に戻りまして「ひのくに号」に転用、他の2台に関しましても今年「ゆのくに号」の休止が発表されますと福岡高速営業所に戻っておりまして、現在は3台とも「ひのくに号」で使用される姿が見られております。本当に、経営努力もありまして一時は盛況ぶりも見られていただけに、「コロナ禍」は正直もどかしい所ではあります・・・。

 

 (7611)

 

 (7612)

 

 

 そして、同年「新高速色」で導入されました3台をご紹介してまいります。これら3台は、7613が久留米の京町営業所に新製導入されておりまして、北九州~久留米線・福岡空港~久留米線で使用されておりました。

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 一方、他の2台が北九州高速営業所に新製導入されておりまして、こちらは福岡~北九州線「福北ライン」や、北九州~福岡空港線に使用されておりました。

 

 (7614)

 

 (7615)

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 この「新高速色」の高速車は、この塗装では14年ぶりのハイデッカー車の導入となっておりまして、その間には西日本車体(西工)ではB型高速車(B高車)が導入されておりましたし、西工なきあとには先述のいすゞエルガ・日野ブルーリボンⅡが導入されてきましたが、結果またハイデッカー車に戻るに至っておりました。
 

 この車のタイプは、リミテッドエディションでの導入でもありました。そのため、標準仕様と比べますと前面窓下のLEDのオーナメントランプや、リアスポイラーが付いていないのがこのタイプの特徴でありますが、その後現在までこのような仕様が多く導入されるに至っている訳ですので、この仕様の存在は大きかったと言えましょうか。尚、他には幕式行先以外で「新高速色」のスイングドアはこの導入車のみの存在でもあります。
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 (ドアはスイングドア)
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 その後、7614が平成28年、7615が平成29年にそれぞれ福岡~下関線「ふくふく天神号」に転用されます。転用に際しましては、旧西鉄高速バス所有となりましたので「Group」表示となりますが、所属先が北九州支社ですので、砂津の車庫からは動かない形ではありました。

 

 (7614)

 

 (7615)

 

 

 また、平成31年3月末で西鉄高速バスが解散、所属も再び西鉄バス北九州高速営業所所属として引き続き「ふくふく天神号」として2台は運行されておりましたが、令和2年にこの路線の門司第二営業所移管に伴いまして「ふくふく天神号」からは2台は離れる事になります。それに伴いまして、7615は再び画像のように「福北ライン」に転用されまして、現在も運行する姿が見られております。

 

 

 一方、7614と久留米の7613は、西鉄バス大牟田に移籍、自社路線でありました荒尾・大牟田~福岡空港線に転用されます。この路線に関しましても、長らく西工B高車の姿が見られておりましたが、この2台や他の「セレガーラ」の移籍によりましてハイデッカー車両の姿が見られるようになりましたが、減便によりまして早々とLED行先のハイデッカー車両が移ってしまっていたのは残念ではなかったかと思っております。

 

 (7613)

 

 (前面行先)

 

 (7614)

 

 

 けれども、この路線は令和3年7月末で休止となりまして、これら2台は今度は西鉄バス北九州行橋車庫に転属、福岡~行橋線として現在も活躍する姿が見られております。このうち7613に関しましては長らく筑後地方にいた訳でしたが、担当路線休止に伴い他の2台とともに北九州地区で活躍する事になるとは思いもしなかった所ではありましたでしょうか。

 

 (7613)

 

 (7614)

 

 

 今回は、西鉄グループに所有しておりました、平成23年・24年に導入されました幕式日野セレガの現状をご紹介しましたが、導入されましてから10数年、それぞれ動きが見られていた事がわかります。やはり長らく同じ所にいるという事は正直考えにくいだけにわからなくはない所ではありますが、その間にも様々な経験をしてきている事には間違いないのではないかとも思います。今後、これら車もどうなって行くのかはわかりませんが、この時導入されました車だからこそ見られる幕式行先の車でもありますので、これからも引き続きの活躍を願いたい所ではあります。