どこ鉄117 〜地の下から海の外まで | 菅野貴夫の野球電鉄

菅野貴夫の野球電鉄

俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ野鉄夫です。



今回も威勢のいい写真が揃いましたので、張り切ってお送りしていきたいと思います。



まずはお久しぶり、中山さんからの2枚。

うっわ、エスカレーター………


もう1枚は↓

地下鉄の駅か。これは助かる!




というわけで「三田線 タイル」で検索。



三田駅に決定。



では元の写真↓


見つけた写真↓

なに、これじゃ分からないですって?

ホームドアの形も違う?



ごもっとも。では一つ一つ説明していきましょう。



まず、トンネルの向こう側を拡大。


元の写真↓


見つけた写真↓

光の軌跡が見事に一致。


そしてホームドアですが、

ブルーのラインカラーは都営三田線のものであると考えられること、

そして三田線は現在、6両→8両へ編成を増やす事業の真っ最中であること。


↑問題写真の左下隅ホームドアに「…電車はこの位置…」と書かれていますね。

おそらく「6両編成の電車はこの位置には止まりません。後ろのほうでお待ちください」的なことが書いてあるんでしょう。(まだ6両の電車も多く走っています)


すなわち「2両分延伸されたホームドア」の部分を撮ったと推理できる。



時系列で並べてみます。

まず、見つけたストリートビュー(5年前)↓

この時は単なる壁。


そこからホームドアを新設(9ヶ月前。まだ8両は走ってない)↓

(ちょっと道草さんの動画より)



そして8両も走り始めた現在(問題写真)↓

となります。



以上、都営三田線・三田駅4番ホーム、確保までの時間より説明のほうが長い!



これだから地下鉄は面倒なんだよ!



なおエスカレーターは、

おそらくこれも三田駅だろうな。


構内図で同じ配置のものを確認。

この4つだけど、さっきの写真の地点から考えて右側の上下どっちかだろう。

では元の写真↓


見つけ出した写真↓

ステッカーの位置も完璧。
「足元に…」のフォント、味があってかわいい。



さあ地上に出よう。もう地下とかエスカレーターはたくさん!





続いてはおなじみムーチョさんの、娘さんからの1枚。娘さんの出題は2年前のフランス・アヴィニョンTGV駅以来。嬉しい!


さあ写真はこちら。

目の前に架線柱。



やっぱり最近流行ってるのかな?この構図。


「すごい工夫してた」とのコメントもあり、身が引き締まる思いです。その心意気に応えられるよう、気合いを入れていこう。



まず、写真を眺めつつ文脈を想像します。



父親ムーチョさんからの最近の写真は、中央本線の長坂駅と大糸線の稲尾駅付近


大まかに言うとこのあたり。

各地点と東京を結ぶ綺麗なラインが浮かび上がってきます。



写真。

それなりの都市部で、奥には山もちらっと見える。

線路は複線の電化路線で、設備もしっかりしている=おそらくJRの幹線。

写真を撮った地点と線路はけっこうな段差がある。


そして一番の注目点は、右隅に見える電波塔。


……県庁所在地か、それに準ずるクラスの都市ではないか?



先ほどのライン上でそれに該当する都市は、松本か甲府。



とりあえず山梨県の県庁所在地・甲府から探してみよう。



まずは電波塔を確認。

こんな形ね。三重塔みたいな。


甲府市内で決め打ちの検索。


該当しそうな地点へ。

ウム。



さてお次は、先日味を占めたスーパー地形アプリの出番。

甲府市街地と電波塔を見下ろせそうな段差は、このあたりか。



では元の写真↓


探し出した写真↓

ヨシ。


JR中央本線&身延線・甲府〜金手間の景色、誤差数十センチで確保!!!



いやー面白い問題だった!

大人気ないと言われても構わないんだから!どこ鉄に手加減のツマミなんて付いてないし!





さて次は、おフランス繋がり?でアシケンさんからの2枚。久しぶりの海外編です。

彼は5月に映画監督として「ニース国際映画祭」に参加するためフランスへ発ったのですが、到着早々にロストバゲージし異国でてんやわんやしていた事は当時SNSで語り草になっていました。本人には申し訳ないですが心配3割・爆笑7割でしたね。

ともかく無事に帰ってきて何よりです!



そこから厳選を重ねて送られてきた、まず1枚目。

いかにも南仏リゾート!いいな〜!



ちなみに、彼がちょうど同時期に開催されていたカンヌ国際映画祭を見に行ったことも情報として頭に入っています。


この2都市を結ぶ鉄道の、どこかで撮ったんだろう。


まずは「ニース〜カンヌ 鉄道 路線図」で検索。


…日本じゃまず考えられん言葉の検索だな!


鉄道が走っていることは分かった。



いいや、とにかく現地へ行っちゃおう!

東海道線でいうと東京〜平塚間くらいの距離だって書いてあったし!

カンヌ駅を発見。


相変わらず海外の鉄道は実線で表示されないけど、とにかくここからニース方面へ線路を追って行こう。



線路を追っかけながら、

……ほんとにこの線路で良いんだよな?との不安も少々ありつつ、写真を眺めて要素を再確認。

右側が斜面になってるって事は、左側のほうに海があるんだろう。(写真奥がカンヌ方面)

そして海側に並走する道路、

反対側には駐車場。

写真を撮った地点は…駅の跨線橋とか歩道橋か?


以上の条件に合いそうな場所をひたすら探しながら、もう少しでニース市街へ入るかという地点。

この駅のところ、歩道橋があって駐車場があって、海側に道路が並走している……!



では元の写真(一部拡大)↓


探し出した景色(歩道橋からの写真は無かった)↓

特徴的な道路のうねうね!



フランス・ニース近郊のTERサン・ローラン・デュバール駅、確保!!!



自分でも何を言っているのか分かりません!



ちなみにアシケンさん、ロストバゲージの判明後スーパーに下着を買いに行くためこの駅で下車したそうです(笑)


 


もう1枚。

こちらはニースのトラム(路面電車)か?

建物の感じも素晴らしいですね。



(いちおう調べてみると、カンヌにはトラムは走ってないもよう)


よし、ニース。

さあ、この街のどこにトラムが走っているのか。



とりあえず「トラム」と入力したら、停留所がバーッと出てくるんじゃないか?



やってみよう。


↓↓↓

秒で東京に強制送還。



クーッ!!!!



負けじと秒でフランスへ逆戻り。

うーむ、この停留所ともバス停とも区別のつかない点をいちいち見てられないしな……。


と言いながらもブツブツと捜索。

「がんばった」って励ましてくれてるのかと思った。



ん?

このバスの系統番号と色分け。



問題写真拡大↓

この黄色い「30」と何か関係あるんじゃないか??


バス路線網を見てみようか。

うん。



アキラメヨウ。



素直に「ニース トラム 路線図」で検索シテミヨウ。


お!意外とシンプルな路線網が出てきた!



何で最初からこれをやらなかったんだか。



右上の、Pont Michel駅から捜索開始。

このへんは緑化された専用軌道だから違うな。



もう少し街中へ。

おっ!ここ良いんじゃないか?


問題写真↓

……微妙に違うか……。


なんだ、ベランダがランダムに付いている建物はフランスでは一般的なのか!?



よし、Googleアースに切り替えて、↑問題写真1階部分にある青い張り出し屋根を探し出してやろう。


さらに街中へ。

発見。



では元の写真↓


ようやく探し出した写真↓

下におりたら青屋根はなかったけど、右側の緑十字が一致!



ニースのトラム・レピュブリック通りのガリバルディ停留所、確保!!!



久しぶりの海外編、楽しかったな。

まあ街がだいたい分かっていたからだけど!



〜追記〜


解答後に、アシケンさんから送られてきた写真たちです。

ヨーロッパって感じの車両!カッコいい!

(日本の首都圏ではこのような二階建て車両は乗降に時間がかかりすぎて運用に入れません泣)


綺麗な街並みとトラム。

写真でしか見たことないぞ!

これも写真だけど!


素晴らしく手入れされた緑化軌道。

日本でも、富山や広島にありますね!



新しくできる宇都宮の路面電車にも期待したいところです!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。



また長くなってしまいましたが、楽しんでいただければ幸いです。



現在頭を抱えている問題が3つありますので、どれか1つは次回お届けできればと思っています。




ではまた!