旅行最終日はJR北海道最後の未乗車区間の、根室本線、富良野-滝川間に乗車する。東鹿越-新得間も乗車したことがないが、災害のため現在不通で、近く廃止(バスに転換)になる見込みだ。乗車後札幌に立ち寄り、新千歳空港から空路東京に帰る予定だ。
 今日はホテルで朝食をとる時間があったが、結構な値段だったので昨日イオンで購入した「そば」で済ませた。旭川市内は青空が広がっているが、結構雲も多く、今日は終日晴れたり曇ったりの予報になっている。通勤通学の時間帯だが土曜日なので、旭川駅構内は閑散としている。根室本線に富良野から乗車するため、富良野線に富良野まで乗車する。
 富良野線富良野行き725Dはキハ150形2両編成だ。0番台なので、固定窓でちゃんと冷房が搭載されている。ちょうど進行方向左側が2人掛けのボックスシートなので、十勝岳などが見えるはずのそちら側に座る。座席は4割くらい埋まったが、土曜日なので観光客らしき人の姿が多い。

 JR北海道/富良野線 普通 725D / 旭川 7:40 → 富良野 9:01 
 JR北海道キハ150形気動車0番台 / 4+16(2両/旭川運転所)
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 旭川を発車してすぐに宗谷本線から分かれて、進行方向を南に変える。しばらくは旭川の市街地を走るが、西御料をすぎると車窓は田園風景になる。左手には大雪山(旭岳)が大きく見える。空は雲に覆われているので、車窓展望としては今ひとつだ。

 車窓  大雪山 / 西神楽→西聖和(7:59頃)so220709_689

 沿線で一番の観光地の美瑛では多くの乗客が降りて、同じくらいの人が乗ってきた。美瑛周辺には観光スポットが点在しているが、距離があるので歩いて見て回るのは難しい。周遊観光バスもあるようだが、列車利用だとレンタサイクル(バイク)やタクシーが必要になると思う。私も何度も美瑛の丘を訪れているが、いずれも自動車で見て回った。
 美瑛の次の美馬牛では列車交換のため7分間の停車時間がある。多くの乗客が列車を降りて写真を撮っている。無人の小さな駅だが、驚いたことに8人の下車があり、2人が乗車した。降りた乗客はほとんど観光客のようだ。美馬牛地区にも観光スポットがあるので、そちらに向かうのだろうか。

 停車  美馬牛駅(8:29~36)
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 美瑛周辺は素晴らしい風景が広がっているはずだが、線路は防風林に囲まれているので車窓を楽しめる場所は非常に少ない。上富良野町に入ってしばらくたつと、周辺は田園風景に変わり十勝連峰がよく見える。残念ながら雲が多いので、全ての山頂を見ることはできない。

 車窓  十勝連峰 / 上富良野→中富良野(8:47頃)
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 中富良野の手前に臨時駅のラベンダー駅があるが、この列車は停車しなかった。後で調べると、開設されるのは6~10月の土日休日だけで(期間外は解体撤収されるそうだ)、原則「富良野・美瑛ノロッコ号」だけが停車するらしい。有名なファーム富田の最寄り駅だ。中富良野ではたくさんの乗客が降りたが、多くが観光客のようだ。
 富良野で根室本線の滝川行き3476Dに乗り換えるが、乗り換え時間が8分しか無いので慌ただしい。3476Dはキハ40形1両だった。非冷房車のはずだが、窓は全て閉めてあった。富良野からの乗客は12人だった。

 JR北海道/根室本線 快速 3476D / 富良野 9:09 → 滝川 10:12 
 国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1740(1両/旭川運転所)
 富良野→滝川間初乗車 
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 滝川行き3476Dは快速で、平岸と東滝沢には停車しない。短い運転区間なので快速にする必要があるのかと思うが、それ以上に利用客が少ないのだろう。
 次の野花南で下り列車と交換したが、対向列車が遅れたため3分ほど遅れが発生した。遅れてやって来たのは臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」で、車両はキハ261系5000番台「ラベンダー編成」だった。JR北海道の最後のジョイフルトレイン「ノースレインボーエクスプレス」も来春引退が決まっているので、これからは「リゾート列車」としての役目を「はまなす編成」と「ラベンダー編成」が引き継ぐことになるのだろう。

 停車  野花南駅 (9:28~31 / 定刻9:28) / フラノラベンダーエクスプレスと交換 
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 かつて根室本線は道央(札幌)と道東(帯広、釧路)を結ぶ北海道の幹線だったが、1981年の石勝線(南千歳-新得)開通により幹線としての役目を取って代わられてしまった。石勝線から乗り入れる新得-釧路間は幹線として特急列車が走るが、滝川-新得間は地方の一ローカル線となってしまった。
 さらに、2016年8月の台風10号による被害で各所が寸断され、東鹿越-新得間は代行バスによる運行が続けられていた。そして災害復旧に手を付けられることなく、富良野-新得間のバス転換(鉄道廃止)が決まった。乗車している富良野-滝川間についても、「JR北海道単独では「安全な鉄道サービス」を持続的に維持するための費用を確保できない線区」とされている。

 停車  芦別駅(9:43 / 定刻9:40~42)
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 赤平で下り普通列車との交換があった。2475Dはキハ40-1791「紫水」号で、地域活性化のためキハ40形を改造して観光列車としても運行できるようになっている。座席の背ズリなど内装材の一部に木材が使用され、ボックス席には脱着式の木製テーブルが設置されている。観光列車というほどの改造ではないが、今のJR北海道ではこれが精一杯なのだろう。

 停車  赤平駅 (9:58~59/定刻9:57~58)/2475D(キハ40-1791「紫水」号)と交換 
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 終点の滝川にはほぼ定刻に到着した。根室本線のこの区間を乗車することにより、JR北海道の全路線に乗車することができた。正確には根室本線の新得-東鹿越間が未乗車だが、現在災害で運休中で、新得-富良野間はバスに転換することが実質的に決まっている。残念ながらこの区間には乗車することはできない。初めて北海道を訪れたのは学生の時だが、その時の路線図と今の路線図を比べるとその多くが廃止になってしまったのがわかる。当時の営業路線を完乗するのはかなり難しいだろう。こんな所にという場所に鉄道が通っている。

 滝川駅 / 北海道/滝川市 
 JR北海道 / 函館本線、根室本線 
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 岩見沢行き2324Mは721系3両編成だ。昨日と同じく窓が汚く外の景色は見えない。車内はがらがらで、快適に移動することができた。721系も一番初期車は34年が経っていて、2030年度までに全車を「高効率機器を採用した電車」に更新することが発表されている。733系やその後継車に更新と思われるが、いよいよ全てがロングシートになってしまいそうだ。

 JR北海道/函館本線 普通 2324M/滝川 10:38 → 岩見沢 11:17 
 JR北海道721系電車0番台 / F-6編成(3両/札幌運転所)

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 岩見沢で小樽行き186Mに乗り換え札幌まで行く。車両は731系6両(3両+3両)で、全てロングシートの現代的な車両だ。転換クロスシートの方が快適なのは間違いないが、札幌圏の混雑を考えるとロングシートもやむを得ないかもしれない。6両編成だが、札幌に近づくにつれて座席が埋まっていった。

 JR北海道/函館本線 普通 186M / 岩見沢 11:40 → 札幌 12:22 
 JR北海道731系電車 / G-110編成(3両)+G-105編成(3両)(札幌運転所)
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 札幌に立ち寄ったのは、大通公園近くの味の三平で味噌ラーメンを食べるためだ。札幌を訪れたときにはよく利用しているが、今回は久しぶりだ。歩いても行ける距離だが、一区間だけ地下鉄を利用した。土曜日なので、日中だが乗客が多い。

 札幌市営地下鉄/南北線 / さっぽろ 12:32 → 大通 12:34 
 札幌市交通局5000形電車 / 第06編成(6両)
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 ちょうどお昼なので混雑が心配だったが、心配していたほど混雑していなかった。10分ほど待って席に案内され、すぐに味噌ラーメンが出てきた。いつもの味で、相変わらず美味しかった。やっぱ来てよかったと思った。好みはいろいろだが、ここの味噌ラーメンは私も妻もお気に入りだ。

 味の三平 / 味噌ラーメン 
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 札幌駅までは歩いて戻ることにした。大通公園(駅)から札幌駅までは地下歩道で結ばれているが、今日は天気が良いので地上を歩いて帰る。土曜日なので大通公園は家族連れや観光客が多く、いつ来ても雰囲気が良い。新しいビルや無くなったビルも多く、私が住んでいた頃とは景色がだいぶ違う。

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 札幌からは快速「エアポート」で新千歳空港に向かうが、混雑するかもしれないと思って「Uシート」(指定席)を利用した。結局列車は空いていたが、車両がロングシートの733系だったのでこちらでよかったと思う。ひとつ誤算だったのは、指定席料金が530円から840円に値上がりしていたことだ。首都圏の普通グリーン車並のシートなので妥当だとも言えなくはないが、やはり少し高いと感じる。

 JR北海道/函館本線/千歳線/空港支線 
 快速「エアポート」138号 / 札幌 13:47 → 新千歳空港 14:25 
 JR北海道733系電車3000番台 / B-3107編成+B-3207編成(6両/札幌運転所)
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エアポート138号 2022.07.09
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 JA516便は大型のAirbus A350-900で、満席ではないがかなり座席が埋まっているようだ。前日にJALから「大変多くのご予約があるので、手荷物を機内に持ち込まずに預けるよう」とのメールが来た。何度も混雑して飛行機に乗っているが、こんな案内は初めてだ。
 通常搭乗は出発の20分前頃から行われるが、15:40になっても何も案内が無い。結局、優先搭乗は15:50から始まり、一般搭乗は15:55から始まった。搭乗はまず順調だったが、400席近くある大型機なので搭乗には時間が掛かった。ぱっと見る限り、ほとんど座席が埋まっているようだ。

 JAL 516便 
 / 新千歳AP 16:15(定刻16:00) → 羽田AP 17:43(定刻17:35) 
 JAL Airbus A350-941 / JA07XJ(2020年12月登録)
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 ドアが閉められたのは16:11で、機体が動き出したのは16:15だった。15分遅れとなったが、遅れた理由は到着が遅れたためと説明していた。この機体の折り返し時間は55分設定されているが、この大型機だとそれでもぎりぎりということのようだ。

 離陸  新千歳空港(R/W19R / 16:25)
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 離陸するとすぐに苫小牧上空を通過して太平洋上に出る。写真で確認すると、苫小牧西港フェリーターミナルと停泊しているフェリーを確認することができる。飛行機はそのまま雲の中に入り、窓の外は真っ白になった。

 車窓  苫小牧上空(16:27)
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 フライトは多少揺れたが順調で、羽田空港では上空で待たされることも無かった。着陸は16Rで、17:39に着陸した。16R着陸なので第1ターミナルへのスポットインも早く、17:43にスポットイン、17:45にドアが開いた。最後尾の座席なので、慌てずに最後の方に飛行機を降りた。
 初めて乗ったA350-900だったが、先日乗ったB787-8と比べて快適さで劣った。座席の位置が違うのでその影響かもしれないが、エンジン音が昔の機体のように五月蠅く感じた。座席やシートピッチは同じだと思うが、ほぼ満席だったのであまり良い印象が残らなかった。

 着陸  羽田空港(R/W16R / 17:38)
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 今回は空港連絡バスに乗車して新百合ヶ丘に向かう。国際線ターミナル、第2ターミナルからの乗客はぱらぱらで、乗客の数は15人くらいだった。途中でうとうとしたが、目を覚ますと東名川崎インターを出るところだった。運行ルートが変わったようだ。前回乗車した時には、首都高横浜北線経由に変わってからも第三京浜経由で、都筑インターから一般道に出ていた。寝ていたのでルートは確認していないが、首都高横浜北線を東名横浜青葉インターまで行き、東名高速に乗ったものと思われる。距離的に短くなったとは思えないが、一般道を走る区間が短くなるので時間を読みやすくなるのだろう。このルートは変更になったものか、事故などのため今回だけなのかはわからない。

 東急バス/空港連絡バス 
 / 羽田AP第1T 18:20 → 新百合ヶ丘駅 19:22(定刻19:30) 
 三菱ふそう エアロエース QTG-MS96VP (20165年式) / 横浜 200 か 4883 
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 小田急多摩線は新百合ヶ丘始発の1000形6両編成で、土曜日のためかそれほど混雑はしていなかった。

 小田急/多摩線 各停 / 新百合ヶ丘 19:35 → 唐木田 19:50 
 小田急1000形電車 / 1254F(6両/喜多見検車区)
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 「北海道 & 東日本パス」を利用して北海道まで行くという旅行だったが、予定通り全てに乗車することができた。いわて銀河鉄道で信号トラブルに遭ったときには旅行も台無しかと思ったが、なんとかフェリーに間に合い予定通り旅行を進めることができた。昨年は感染対策のため休園中だった高田松原津波復興祈念公園も無事見学できた。JR北海道の路線も完乗し、最後には味の三平の味噌ラーメンも食べることができた。一般的な旅行とはほど遠いが、個人的には充実した旅行だった。



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