国鉄バス 名金急行線~17 | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

国鉄バス 名金急行線の17回目です。

 

昭和34年10月に「○自」金沢駅で発行されました、「金沢から 北安江ゆき」の乗車券です。

 

 

 

当時は硬券式であった補充片道乗車券で発行されています。

 

「金沢~北安江」間は、当時は北安江に所在しておりました「金沢自動車営業所」への回送便を旅客営業化した路線で、昭和34年10月に「金白北線」に含まれる名無し支線として開業しており、この乗車券は北安江まで開業した頃の乗車券で、「国鉄バス 名金急行線~3」でご紹介いたしましたような常備券がまだ設備されておらず、補充片道乗車券で発行されたものと思われます。

 

券面右上の「○名」の記号は「名古屋鉄道管理局」を表わしているものと推察され、この記号は回収した着札を審査業務を行なう局に送付するため、局ごとに仕分けする際に用いられるもので、国鉄バスの場合は鉄道区間の駅区所のように、発行した局=審査業務を行なう局とは必ずしもならず、「○自」金沢駅は「中部地方自動車局」の所属ですが、着札の審査業務は「名古屋鉄道管理局」が行なっていたため、「○名」の記号が記載されているものと考えられます。

 

当時の北陸本線金沢駅の鉄道窓口発行の補充券類は、「金沢鉄道管理局」を表わす「○金」の記号が記載されていたものと推察されますので、「○自」金沢駅は鉄道窓口とは異なる記号であった事になります。