国土交通省では、令和3年度(2021年度)における都市鉄道の混雑率調査結果を公表しました。

報道発表資料:三大都市圏の平均混雑率はおおむね横ばい<br>〜都市鉄道の混雑率調査結果を公表(令和3年度実績)〜 - 国土交通省

概要は以下のとおりです。

【三大都市圏主要区間の平均混雑率】
東京圏:
108%(2020年度・107%、2019年度・163%)

大阪圏:
104%(2020年度・103%、2019年度・126%)

名古屋圏:
110%(2020年度・104%、2019年度・132%)

(※)2019年度の数値は令和2年度の同調査実績による。
報道発表資料:三大都市圏の平均混雑率は大幅に低下<br>〜都市鉄道の混雑率調査結果を公表(令和2年度実績)〜 - 国土交通省

【都市部の路線における最混雑区間の混雑率上位】
日暮里・舎人ライナー(赤土小学校前→西日暮里):144%
西日本鉄道貝塚線(名島→貝塚):140%
・JR東日本武蔵野線(東浦和→南浦和):137%
JR西日本可部線(可部→広島):132%
・JR東日本埼京線(板橋→池袋):132%


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



コロナ禍による利用者の行動変化の影響で、都市部の鉄道の混雑率は大きく減少しました。
例えば東京圏では、コロナ禍前(2019年度)は163%であった平均混雑率が107%にまで減少しました。(大阪圏、名古屋圏も同様)

そしてコロナ禍2年目となる2021年度の平均混雑率が今回発表されましたが、今回も前年度とほぼ同様の混雑率で、引き続き在宅勤務やテレワーク、そして利用者の行動がまだ戻ってきていない、ということが数値上からも分かります。

そして混雑率上位の路線を見ますと、やはりコロナ禍前には見られなかった路線が見受けられるようになりました。
また、広島(可部線)や福岡(西鉄貝塚線)といった、三大都市圏以外の特定の路線での混雑率が、引き続き上位にランクインしていることも着目点でありましょうか。


混雑率1位の「日暮里・舎人ライナー」では、混雑緩和のための車両置き換えを実施することは、既にこのブログでもご紹介しています。
阪和線の沿線から : 【東京都交通局】日暮里・舎人ライナー車両置き換えへ。混雑緩和のため全面ロングシートの330形を投入(2022年度〜2024年度)

また、JR西日本可部線では、この3月ダイヤ改正で朝夕の列車について、全ての列車を4両編成(同線での最長編成)に増強しています。
阪和線の沿線から : 【2022年3月ダイヤ改正】JR西日本岡山・広島エリア(快速「サンライナー」廃止、可部線朝ラッシュ増結)
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▲可部線・あき亀山駅で発車を待つ227系。
今年3月のダイヤ改正で、朝・夕ラッシュ時に増結が実施されました。


逆に、これまで混雑率上位であった路線の中では、実態に合わせた減便ダイヤ改正を実施する動きも出てきています。
例えば東京メトロでは、銀座線、丸ノ内線、東西線及び千代田線において、この8月に減便を中心とするダイヤ改正を実施することを発表しています。
阪和線の沿線から : 【東京メトロ】銀座線、丸ノ内線、東西線、千代田線でダイヤ改正を実施(2022.8.27)丸ノ内線方南町支線の3両編成は消滅へ

特に銀座線では、日中の運転本数は18本から12本に、そして朝ラッシュ時も本数を削減するという、かなり思い切った減便を実施します。
その東京メトロ銀座線の混雑率は、朝ラッシュ時の混雑率は92%(2019年度は160%)となっており、減便の見直しも致し方がないのかな、と思った次第です。


ともあれ、平均でみればコロナ禍後に大幅に低下した混雑率ですが、これとて今後もこの低下した水準で推移するのか、はたまたコロナ禍前に近い水準にまで戻っていくのか、またその戻り具合は地域や路線毎に違いが出てくるのか。
今後の動向にも引き続き注目していきたいな、と思ったニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
日暮里・舎人ライナー、2021年度の混雑率144% - 都営三田線131%に | マイナビニュース

西鉄貝塚線、2021年度の混雑率が全国ワースト2位 - 貝塚駅まで140% | マイナビニュース

JR可部線、コロナ禍を経ても混雑が激化 - 2021年度の混雑率132%に | マイナビニュース

「銀座線の大減便」歴史振り返れば納得? 100年前から高頻度運転の理由 改良は継続 | 乗りものニュース

鉄道混雑率ランキング2021年度版。輸送人員が多いのに混雑率が低い路線は? | タビリス



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