特徴的な前面窓を持つ御殿場線のクモハ73に加工中ですが、ネット上で見る実車の写真と見比べると、前面の表情が違って見えますので、加工作業を一旦中断していました。

 

正確な寸法も判らずに前面窓を加工している前面の現状です。

 

今迄、特徴的な前面窓を持つ御殿場線のクモハ73としか記述していませんでしたが、当該車両とは、全金改造車のクモハ73902(改造前は73400)のことです。クモハ73902は、1957年に全金属試作車として改造され、京浜東北線で使用された後に、御殿場線に転じて1972年~1979年まで活躍していました。この車両の写真は、多くの方が撮影され、ネット上に多数投稿されていますが、HEROさんが投稿された次の記事の写真から、前面の表情が違って見える原因が判明しました。

 

こちらの記事(リブログのご承諾を得ております)で、1枚目の写真がクモハ73902です。前面窓の特徴を的確に捉えて撮影されているこちらの写真から、前面窓の外枠左右端から中心に向かって斜めに傾斜し、ガラス面に至る額縁構造になっていることが漸く判りました。

 

更に、手持ち資料があることを失念していました。実車の写真に加えて、1/80サイズの正面イラストが特徴のある車両毎に掲載されており、当該車両も掲載されていました。

 

 

 

そこで、加工ベースにしているTOMIX 製のクハ79920番台の正面窓の寸法を図面化した上で、資料のイラストからクハ79920番台と加工後の当該車両とを比較しながら、当該車両の正面窓も図面化してみました。

 

 

左側がTOMIX 製のクハ79920番台、右側が当該車両の、正面窓の寸法図です。窓ガラスの開口部分を狭めずに額縁構造とするため、前面窓の外枠の横幅が広くなっていることが判明しました。クハ79920番台に比べると、中央と助手席側の窓ガラスは上下左右に大きく、運転席の窓ガラスは逆に小さくて寸法は縦横とも中央窓の約85%であることなども判明しました。なお、3枚の窓ガラスの中心線位置は変わらず、横方向に等間隔(5mm)になっています。

 

前面の表情が違って見える原因が判りましたので、新たな窓割寸法図を元に加工をやり直すことにします。(続く)

 

【関連記事】

 TOMIX 製品にない御殿場線のクモハ73を作る(7)

 TOMIX 製品にない御殿場線のクモハ73を作る(6)

 TOMIX 製品にない御殿場線のクモハ73を作る(5)

 TOMIX 製品にない御殿場線のクモハ73を作る(4)

 TOMIX 製品にない御殿場線のクモハ73を作る(3)

 TOMIX 製品にない御殿場線のクモハ73を作る(2)

 TOMIX 製品にない御殿場線のクモハ73を作る(1)

 TOMIX 旧国72・73形旧製品の加工用にパーツ集め