旅行三日目は、シルバーフェリーで苫小牧港に到着後、路線バスで苫小牧駅まで移動する。その後はJR北海道の未乗車区間3つに乗車する。日高本線で鵡川往復、室蘭本線で室蘭往復した後、室蘭本線下り列車に岩見沢まで乗車して本日の未乗車区間の乗車を終える。岩見沢からは函館本線で札幌まで移動して、本日は札幌に宿泊する。
 朝は5時前に起床、自販機でコーヒーを購入してパンで軽い朝食とする。ぐっすりとは言えないが、今日の行動に問題は無いくらいは眠れた。船は多少は揺れたが、たいしたことは無かった。そのあと、デッキに出て着岸の様子を見る。苫小牧港への入港と着岸を見学して、部屋に戻り出発の準備をする。空は雲が広がっているが、このあとは晴れる予報になっている。

 苫小牧西港フェリーターミナル / 5:55 (定刻6:00) 到着 
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 苫小牧駅行きの路線バスの発車時間は6:30で、札幌駅行き高速バスは6:46だ。フェリーの遅延や多客時の混雑を考慮して余裕を持った連絡時間をとっていると思うが、今日は約5分の早着で下船もスムーズだったので待ち時間をもてあましてしまう。大きなフェリーターミナルは開放されているのでトイレはベンチには困らないが、早朝なので店はどれも開いていない。見かけただけでも10数人の乗客が時間をつぶしているようだ。
 このフェリーターミナルは何度も利用しているが、いずれも自家用車だったのでバスを利用したことはない。同行者の妻は何度かタラップで乗降したことがあるが、ドライバーの自分はいつも車で乗降だった。十勝または道央で行われたRALLY JAPANの観戦のためにフェリーを利用して、往路は仙台から太平洋フェリーで、復路は大洗へ商船三井フェリーというパターンが多かった。いずれも長時間の豪華な客船で、シルバーフェリーとは少し条件が違う。
 苫小牧駅行きの道南バスは6:26頃に入線して、9人の乗客を乗せて定刻に出発した。フェリーターミナルの近くの道路上に北海道中央バスの高速バス車両が2台停まっていて、時間調整をしているようだ。札幌行きの高速バスは2台運行のようだ。フェリーターミナルのバス停には3人ほどしかいなかったが、朝の通勤時間帯なので途中からの乗客が多いのだろう。

 道南バス/24系統 フェリー線 / フェリーターミナル 6:30 → 苫小牧駅 6:47 
 いすゞ 7E/KC-LT333J改 (1997年式) / 道南バス 室蘭 200 か 650 
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 フェリーターミナルから苫小牧駅へ向かう道は順調で、定刻の約17分で到着した。反対方向に向かう道路は車が多く、早めに職場に向かう人達なのだろうか。
 苫小牧の中心街は訪れるたびに寂れてくるような気がする。2004年のRALLY JAPAN観戦の時利用したダイエーがはいっていた駅前の商業ビルは閉鎖されて幾久しく、今では廃墟のようになっている。地権者の関係や再開発の問題が山積みで、取り壊しも目処も立っていないらしい。駅ビルも苫小牧エスタ閉店後はそのままで、こちらも廃墟のような寂しい外観だ。

 苫小牧駅 / 北海道/苫小牧市 
 JR北海道 / 室蘭本線、日高本線 
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 日高本線の列車の出発まで1時間以上あるが、付近に時間をつぶせそうなところが何もないので、改札前のベンチに座って時間をつぶす。KIOSKの代わりのセブンイレブンも開店は7時からだった。
 日高本線と言えば、2014年に7泊8日の北海道(鉄道)旅行をしたとき、旅行五日目に日高本線に乗車して様似を往復しようと考えた。しかし、いろいろ事情があって別の行動をしたが、そのことが今でも悔やまれる。その時はまた別の機会に乗車すればいいと軽く考えていたが、その翌年1月に高波の被害で鵡川-様似間が不通となった。その後代行バスが運行されていたが復旧されることなく、2021年4月1日付で正式に廃止となってしまった。結局、その区間は乗車することができなくなってしまった。
 苫小牧発鵡川行き普通2223Dはキハ40形2両編成で、多くの学生等を乗せてきた222Dの折り返しだ。前寄りはラッピング車両で「むかわ竜復興トレイン」だ。新型車両H100形の導入が進んでいるが、日高本線はキハ150形もなくキハ40形だけが運用されている。約150両あったJR北海道のキハ40形も約半数がH100形に置き換えられてしまった。

 JR北海道/日高本線 普通 2223D / 苫小牧 7:52 → 鵡川 8:20 
 国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1706+1783(2両/苫小牧運転所)
 苫小牧→鵡川間初乗車 
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 2両編成の2両目に乗車、乗客は約10人だった。勇払で数人が下車したが、他の駅での乗降はなかったようだ。日高本線は30㎞あまりの短い路線になってしまったが、そのほとんどを何もないところを走っている。特に勇払原野の殺伐とした風景は印象的だ。この列車は普通だが、浜田浦は通過する。
 終点の鵡川には28分で到着した。折り返し時間は11分なので、あまりゆっくりはしていられない。同業者と思われる人が数人、私と同じように駅舎や付近の写真を撮っている。転換バスはほとんどが日高本線と接続していないので、この時間はバスの便はない。

 鵡川駅 / 北海道/勇払郡むかわ町 
 JR北海道 / 日高本線 
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 折り返しの2224Dには地元の人10人あまりと、折り返しの乗客を乗せて出発した。この列車も隣の浜田浦は通過する。

 JR北海道/日高本線 普通 2224D / 鵡川 8:31 → 苫小牧 8:59 
 国鉄キハ40形気動車1700番台 / 1783+1706(2両/苫小牧運転所)

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 次は室蘭本線の東室蘭行きに乗り換えるが、またも乗り換え時間が1時間あまりある。いろいろ調べてみると、駅北口にあるMEGAドン・キホーテの中にあるミスタードーナッツが9時から営業しているのを見つけた。朝からドーナッツかと思ったが、いろいろ軽食的なものがありホットドックを注文した。
 この巨大なMEGAドン・キホーテは元々は何だったのか調べたら、「ファンタジードーム」というアミューズパークだった。長崎屋の関連会社が運営して1990年に開業したが、業績不振により1997年に閉鎖した。閉鎖後は親会社の長崎屋が入店したが、2010年に今のMEGAドンキホーテに転換したということだ。駅とは連絡通路で結ばれていて便利で、駅周辺には他に大きな商業施設はないので、それなりに賑わっているのだろうか。
 駅に戻りホームに向かったが東室蘭行き432Dはまだ入線していなかった。432Dは9:56頃回送で入線してきた。車両は最新型のH100形だった。乗車するのはもちろん初めてだったが、実車を見るのも初めてだ。車内はセミクロスシートで、山側の2人がけボックスシートを確保した。1両編成のワンマン運転で、座席の6割くらいが埋まった。

 JR北海道/室蘭本線 普通 432D/苫小牧 10:04→東室蘭 11:19 
 JR北海道H100形気動車 / 40(1両/苫小牧運転所)
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 室蘭本線のこの区間は何度も通っているがいずれも「(スーパー)北斗」で、普通列車に乗車するのは初めてだと思う。電化されている区間だが、普通列車は基本的に気動車でワンマン運行されている。JR北海道の電車は最短3両編成なので、この区間の需要に合わないためだ。これまではキハ40形が主力だったが、新型のH100形に置き換えが進んでいる。実際に乗車してみるとキハ40形との快適さの違いは大きく、首都圏の新型電車と比べても遜色は無いと思う。しかし基本的には気動車なので、音と振動のほうはどうしようもない。
 ほとんどの途中駅で乗降があるが、運転本数が少ないので仕方の無いことだ。それなりの利用があるのだが、日中は1両で十分間に合うようだ。特急なら約40分で到着だが、1時間15分かけて東室蘭に到着した。
 東室蘭での室蘭行きへの乗り換えは同一ホームでの乗り換えだ。東室蘭発室蘭行き4460DもH100形1両だった。乗客は11人で、こちらも2人がけのボックスシートに座ることが出来た。

 JR北海道/室蘭本線 普通 4460D/東室蘭 11:25 → 室蘭 11:38 
 JR北海道H100形気動車 / 30(1両/苫小牧運転所)
 東室蘭→室蘭間初乗車 
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 室蘭支線は東室蘭で室蘭本線から分岐して室蘭までの7㎞の支線だ。室蘭は室蘭市の中心部に近く、東室蘭を経由して苫小牧方面に直通している列車も多い。札幌行きの特急電車も運行されていて(室蘭-東室蘭間は普通)、支線ながらそれなりの需要がある区間だ。全区間複線電化で、とりあえずはJR北海道としてはどうこうしようとは考えていない路線だ。
 沿線は工業地帯に隣接していて、市街地の中を走るのでJR北海道の他の路線と窓から見える景色が違う。比べると寂れてはいるが、鶴見線沿線なんかと似ていなくもない。

 室蘭駅 / 北海道/室蘭市 
 JR北海道 / 室蘭本線(室蘭支線)
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 室蘭での折り返し時間は8分しか無いので、駅舎の写真を撮るのが精一杯で駅周辺の状況はチェックしていない。現在の駅舎は1997年に新築されたもので、その時駅の位置が約600メートル移転して現在の位置になった。旧室蘭駅舎は北西に約600メートル離れた場所(以前室蘭駅があった場所)に現存していて観光案内所などに利用されているそうだ。木造の立派な駅舎で国の登録有形文化財にもなっているそうだが、今日は足を伸ばす時間が無い。
 乗車してきた4460Dがそのまま折り返し苫小牧行き433Dになる。ここまで来たのと同じように2人がけのボックスシートに座った。室蘭からの乗客は11人だった。

 JR北海道/室蘭本線 普通 433D/室蘭 11:46 → 苫小牧 13:17 
 JR北海道H100形気動車 / 30(1両/苫小牧運転所)
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 新型車両は快適で、1時間半の乗車時間は長く感じなかった。行きには気づかなかったが、社台付近から樽前山の独特な山容がよく見えた。この付近の踏切には寝台特急などを撮影に何度も訪れているが、いずれもレンタカーか自家用車利用だった。
 室蘭本線経由岩見沢行き1469Dはキハ150+キハ40+キハ150の3両編成で驚いたが、客扱いは先頭車両だけで、後2両は締め切り扱いだった。間違って乗車しようとしないように、ドアに「締切回送、この車両には乗車出来ません」と張り紙がしてある。

JR北海道/室蘭本線 普通 1469D/苫小牧 13:26→岩見沢 14:50
 JR北海道キハ150形気動車100番台(150-108)+キハ40形1700番台(40-1763) 
 +キハ150形100番台(150-110)(3両/苫小牧運転所/客扱いは150-108のみ)
 追分→岩見沢間初乗車 
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 2人がけのボックスシートに座ったが何かがおかしい。窓は上部だけが開く仕組みだが、全てが開け放れている。キハ150形100番台にはなんと冷房が付いていないのだ。今日はそれほど暑くないのでクールファンだけでもなんとかなるが、停まっている時は暑い。
 苫小牧からは4人の乗客を乗せて出発した。室蘭本線のこの区間は、追分までは2014年の北海道旅行の時に乗車した。その時は夕張支線(石勝線夕張支線、2019年4月1日廃止)乗車が目的だったので、苫小牧から乗車して追分で石勝線に乗り換えた。
 かつては運炭列車が運行されてこの区間は全て複線だったが、現在は三川から先は単線となっている。室蘭本線となっているが、今は追分-岩見沢間は運転本数の少ないローカル線となっている。

 岩見沢駅 / 北海道/岩見沢市 
 JR北海道 / 函館本線、室蘭本線 
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 これで未乗車区間の乗車を終え、宿のある札幌まで函館本線で向かう。車両は721系3両編成で、車内はがらがらだった。721系は3扉車だが寒冷対策として仕切扉を設けたデッキがあり、これぞ北海道の車両という構造だ。座席は転換クロスシートなので快適だ。しかし、窓の外側がどれも汚れていて外がまるで見えない。ボディーの汚れはあまり気にならないが、洗車機にも掛けていないと思われるくらい汚れている。

 JR北海道/函館本線 普通 224M/岩見沢 15:10 → 札幌 15:52 
 JR北海道721系電車5000番台 / F-5001編成(3両/札幌運転所)
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 札幌に近づくにつれ乗客はどんどん増えていった。3両編成なので座席はほとんど埋まったようだ。札幌駅に降り立つのは久しぶりで、2018年7月の千歳基地航空祭以来だ。
 指定席券売機で明日利用する北海道&東日本パス北海道線特急オプション券を購入して、歩いて7,8分の所にあるホテルに向かった。

 札幌駅 / 北海道/札幌市 
 JR北海道 / 函館本線 

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 ホテルにチェックイン後少し休憩してから、近くのカレーハウスCoCo壱番屋に向かった。 かつて住んでいたこともあり、札幌では食事処に困ることはないが、今日はとにかく近くで済ませることにした。この店は大好きで、東京でも旅行でもよく利用する。注文するのはいつもほぼ同じで、チキンカツカレーだ。新しい驚きはないが、安心安定の味だ。

 カレーハウスCoCo壱番屋 北海道大学前店 / チキンカツカレー 

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 旅行三日目はJR北海道の未乗車区間3線(日高本線、室蘭支線、室蘭本線(追分-岩見沢))に乗車した。日高本線が短くなってしまったこともあり、いずれもあまり魅力的な路線とはいえなかった。鉄道には申し訳ないが、どちらかといえば乗りつぶしそのものだといった感じだった。しかし、一日天気にも恵まれ予定通り行動できたのは何よりだ。昨夜はフェリーで十分に睡眠できなかったので、今日は早めにベッドに潜り込んだ。



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