国鉄バス 名金急行線~7 | 菅沼天虎の紙屑談義

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交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

国鉄バス名金急行線の7回目です。

 

これまでにご紹介いたしました「名金急行線」の乗車券の途中下車指定駅に関する記載は、

 

A~裏面に「途中下車取扱駅以外の駅は下車前途無効」と記載して駅名自体は記載しないタイプ。

B~裏面に「名金線途中下車駅」と記載して、発着区間にかかわらず途中下車指定駅の全駅名を2文字で略記するタイプ。

C~表面に「下車前途無効」と記載して裏面には何も記載しないタイプ。

 

上記の3種類のタイプが存在しており、原則として何れかの様式となっておりますが、原則あれば例外あり!で、上記の3タイプの何れにも該当しない券が存在しておりました。

 

昭和47年7月に鳩ヶ谷駅で発行されました、「鳩ヶ谷から 牧戸ゆき」の乗車券です。

 

 

券面には「発売日共2日間有効」と記載されています。

 

 

 

 

 

裏面です。

 

 

「自動車線内下車前途無効」と記載されています。

 

鳩ヶ谷~牧戸間には、「荻町」、「平瀬」、「御母衣ダム」の3箇所の途中下車指定駅が設定されておりますから、「自動車線内下車前途無効」の記載は誤りで、鉄道線への通しの乗車券ならばともかく、この券は自動車線内発着の乗車券ですから「自動車線内」と区別する記載は不要であり、恐らくは鉄道線への通しの乗車券と裏面記載事項を間違えたエラー券と推察され、この変則的な記載事項の券は他の区間の券の例は未見で、今回ご紹介いたしました例しか持っておりません。

 

 

 

 

 

同じ日に発行されました、「鳩ヶ谷から 荻町公民館前ゆき」の乗車券です。

 

 

 

最初に申しました「名金急行線」の乗車券の途中下車指定駅に関する記載の3タイプのうち、この券はCタイプに該当する券で、これまでにご紹介いたしました、金沢駅、森本駅、福光駅、加賀二俣駅など、金沢自動車営業所管轄の駅の券を見る限りでは、Cタイプは国鉄末期に登場したように見受けられますが、鳩ヶ谷駅を管轄する美濃白鳥自動車営業所の駅では早い時期から登場していたものと考えられ、鳩ヶ谷~荻町公民館前間には途中下車指定駅が設定されておりませんので、表面に「下車前途無効」と記載しても何ら問題はありません。

 

 

 

 

 

昭和55年8月に牧戸駅で発行されました、「牧戸から 荻町ゆき」の乗車券です。

 

 

表面に「下車前途無効」と記載されているCタイプの券となります。

 

 

 

 

 

裏面です。

 

 

裏面記載事項はありません。

 

牧戸~荻町間には、「御母衣ダム」、「平瀬」の2箇所の途中下車指定駅が設定されておりますが、途中下車指定駅に関する記載は全く見当たりません。