1970年5月16日現在

西部国道本線時刻表

東名高速道路開通に伴い、都市間バス輸送の主役は高速バスへ移るも依然として市内での庶民の足バスでした。先述の通り戦後復興とともに静岡ー袋井間に直通バスが走りましたが、1970年代初頭にも、金谷駅前ー袋井駅前間(静鉄)西部国道本線が運行されていました。


西部国道本線と周辺路線図

(1961年11月16日現在)

経路は東海道本線:袋井ー金谷に沿って路線があり、菊川ー金谷間は現在の(静岡)県道79号線国道473号線を経由して静岡県中部と西部を結んでいました。系統は菊川駅前を境に東西に分断されていました。





急行静岡浜松線開始の翌年:1964年5月に開通した準急浜松掛川線。開業時には1日16往復運行されていましたが、この時点で10往復まで減便されています。バス黄金期ながら利用者は伸びず1971年には廃止となりました。

遠州鉄道797
静2う・797
三菱MAR440(1964年)
浜松駅-広小路
1964年5月11日


静岡鉄道894

静岡2か・894

三菱MR470(1967年)

新静岡ー静岡駅前

1970年6月

静岡鉄道では昭和40年代となり更なる輸送力増強のため急行便が設定されて更なる利便性向上が図られていました。当時、(一般)路線バスクリームのツートンカラーでしたが、急行・快速便で用いられた車輌はピンククリームのツートンカラーを用いました。

その他、静岡から掛川まで(当時の)国道1号線を直通する急行静岡掛川線がありました。これは静岡鉄道大井川鉄道との2社共同運行でした。


1970年5月16日現在

急行静岡掛川線時刻表

(上り)掛川方面

掛川駅前 ー新金谷入口ー  青木 ー 新静岡

    8:45   -     9:23      -   9:42 -  10:12

  12:50   -   13:28      - 13:47 -  14:17 

  13:45   -   14:23      - 14:42 -   15:12 

  17:45   -   18:23      - 18:42 -  19:12


(下り)掛川方面

新静岡  ー  青木  ー新金谷入口ー掛川駅前  

  7:05   -    7:35  -     7:54    -     8:30

12:00   -  12:30  -   12:49    -   13:25

14:45   -  15:15  -   15:34    -   16:10

16:00  -   16:30  -   16:49    -   17:25

(斜め字大井川鉄道担当便)

このように高度成長期に個人の移動距離が長くなるにつれてさまざまなバス路線が誕生しましたが同時にさまざまな問題が露呈していきます。


❶雨後の筍のような新線開業

静岡ー袋井間のバス路線は、逐次増便されていく中で短いスパンで周辺部へも路線開通が相次ぎます。1961年時点で遠江一宮駅から遠江二俣駅まで路線バスが運行されるなどこの頃は『広げられるだけ広げる』ような路線も多々ありました。これらの路線は10年と持たないうちに廃止されています。

❷分かりにくい運行系統と回数券
掛川ー金谷間の路線バスは東海道筋大井川鉄道菊川から牧之原を通り金谷へ行く静岡鉄道。1963年に開通した急行静岡浜松線は専用の回数券を用いていますが、各社一般路線と同じ区間を走るのですが各社バス回数券は使用出来ませんでした。