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2022.06.28

京急車が京成線内を快速特急で走る。

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京急1000形 1201編成
2021.5.17/八 広

▲京急1000形の快特三崎口行・・・? 否、快速特急三崎口行である。2022年2月ダイヤ改正で、三崎口・京急久里浜〜青砥・京成高砂を走る一部列車が京成押上線内で快速特急として運転されるようになった
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青砥駅 列車案内装置
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▲快速特急三崎口行を案内する青砥駅の列車案内装置。対して、京急車は「快速特急」の種別幕がないため「快特」と表示する

京成線で2022年2月に実施されたダイヤ改正は、スカイライナー青砥停車の正式ダイヤ化や日中時間帯の京成本線特急の快速への格下げなど、新型コロナウイルスの感染拡大による利用状況の変化を受けての総まとめのようなダイヤ改正であった。そんな中で、一部の運行系統にも変化が発生。三崎口・京急久里浜から青砥・京成高砂を発着する列車の一部が京成押上線内で普通から快速特急に変更され、京急車が京成線内を快速特急として走るという新たな日常風景が見られるようになっている。

こうした変化は、これまで都営浅草線内をエアポート快特として運転していた列車のうち、青砥・京成高砂発着系統の列車を各駅停車に格下げしたことによる。この羽田空港〜青砥・京成高砂発着の列車は従来、青砥で京成本線特急と接続していたが、種別の格下げに伴い接続を解消せざるを得なくなった。そこで、羽田空港発着の列車の代わりに三崎口・京急久里浜発着の列車の一部を押上線内で快速特急とすることで、青砥で京成本線特急改め快速との接続を確保。京成本線〜都営浅草線の速達移動という役割も受け持っているというわけだ。

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都営浅草線〜京成押上線 運行パターン

▲2022年2月ダイヤ改正における都営浅草線〜京成押上線の日中時間帯40分サイクルの運行パターンの変化のイメージ。羽田空港〜青砥系統の列車が都営浅草線内と押上線内で普通に格下げされた代わりに、三崎口・京急久里浜発着の列車の一部が押上線内で快速特急に変更された(※再掲、西馬込〜泉岳寺間の区間列車は省略)

これまで京急車が京成線内で快速特急として走ったのは、2010年5月ダイヤ改正で設定された1753H快特京成成田行のわずか一例のみ(※当時は快速特急ではなく快特)。したがって、今回のダイヤ改正で登場した京急車の快速特急青砥行と快速特急京成高砂行、快速特急京急久里浜行、快速特急三崎口行は、いずれも京成線内では初出の列車となっている。なお、京急車は種別幕に「快速特急」がないため、種別表示は「快特」で代用している。京急線内ではお馴染みの「快特青 砥」や「快特三崎口」といった行先表示が、京成線内でも見られるようになったのは面白いところである。

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