先日は名鉄西蒲線の近況を視察して久々に来ましたが、実は名古屋近郊でも他に今後の存続がかなり危ぶまれる鉄道路線がありますね。
JR西日本が運営する関西本線・亀山~加茂間がそれに該当し、このほど詳細な輸送実態が関係自治体や利用客らに公表されました。今のところ、路線そのものの廃止までは特に言及がないものの、もともと沿線人口が稀薄で、今は関東や関西方面からの直通優等列車もなく、貨物列車も全廃されていますね。
往年の客車急行“大和”とかディーゼル特急“あすか”は若い鉄道ファンからもすっかりと忘れ去られ、ディーゼル急行“かすが”も全廃されて久しい。
この区間は未だに単線非電化。ワンマン運転のキハ120形が60分間隔で細々と運行されているだけ。
昭和48年秋までは蒸気機関車が長編成の貨物列車を牽きながら、加太(かぶと)峠越えに連日、大奮闘。まるでD51やC58の天国で、休日ともなれば撮り鉄で大にぎわいしたことでも有名になりましたね。後には完全無煙化され、これらはDD51、DE10に交代しましたが、国鉄時代末期までにはヤード式運用の全廃もあり、貨物列車そのものは加太峠から姿を消しています。
沿線自治体の亀山市や伊賀市などは路線廃止の阻止に躍起とか。せっかく近隣の草津線全区間が電化されたので、単線のままでも構わないから、亀山~加茂間の電化も何とか出来ないものかどうか、過去には何度も論議されていました。
ごく最近、伊賀市長が打開策の一環として、伊賀鉄道と関西本線の直通運転の可能性も模索したいとも。今のところは実現性は極めて薄いだろうが、この実現のためには、亀山~加茂間を電化するか、あるいは伊賀鉄道にもディーゼルカーを配備する必要があります。
ただ問題点としては、電車と液体式ディーゼルカーでは運転資格が異なること。仮に電気式あるいはハイブリッド式の導入がどちらかの事業者に出来れば、ハードルは自ずと低くなりそうだ。しかしながら、ハイブリッド式はおろか、電気式も導入価格はまだまだ高くて、強いて言えば電気式の大幅な製造コストダウンの可否が大きな鍵に?? 樽見鉄道や長良川鉄道、明知鉄道、天竜浜名湖鉄道などが気軽に購入出来る価格までに至れば幸いだが。伊勢鉄道は電化がむしろ望ましい。
あるいは、仮に関西本線中部を武豊線に準じたような、き電ちょう架式で電化出来れば、伊賀鉄道の1000系やJR西日本の227系1000番台が使えることにはなり、季節に応じて、名古屋や天王寺方面から伊賀神戸駅まで季節的に臨時特急(271系や383系後継車種?)の直通もしやすいだろう。あの大阪・梅田北地下駅にでも直通出来れば理想的だ。
またキハ120形も自動空気ブレーキ式で、そろそろ老朽化も目立ちますね。鉄道線として今後も残すならば、最低でも電気指令式ブレーキ採用のキハ122形やキハ127形の導入も考えるべき時期には来ているだろうね。また、この区間の上下経営分離化も選択肢の一つだろう。
私自身としては、ここ当面の措置として、手の空いたキハ85系やHC85系を活用して伊賀鉄道線との連絡を前提とした名古屋~伊賀上野間を結ぶ不定期もしくは臨時急行の創設を提言したい。HC85系については、JR西日本の快諾さえ得られれば、名古屋~奈良~天王寺間で一度、性能確認のための試運転を行うことも決して悪くはなかろう。また、今後の智頭急行の特急型車両(次世代はくと用)の開発ヒントにもなりそうだ。
一方、電化するならば、三重県や奈良県、京都府、伊賀市、亀山市などからの資金支援も必要だ。
但し三重県の本音は、あくまでも伊勢鉄道、紀勢東線・亀山~松阪間を優先的に電化することだろうが。うん。
亀山駅にて、関西線と紀勢線とで分かれている故、定期での需要喚起にそのような波動的な相互乗り入れは一考と思います。SLか、ディーゼルの観光列車を乗り入れる事からできないものでしょうか。
また、同様に名古屋~伊勢奥津間にも臨時急行を設けるのもありだろうね。うん。