ビッグエッグにとうちゃこである。

東京ドームシティーの遊園地である。

東京にいるあいだにチビどもを連れて行こうと思っていたんだが、ディズニーばっかで結局行かなかった。

さぁいよいよである。

チケット購入。

我が母校の試合。初の生観戦である。

細いけど長蛇の列である。

 

いや~ついに来ましたな。

関西に戻ってからドームで大学野球を見る日がこようとは思いもしなかった。

去年は見に行こうという頭もなかったもんな。

ワクワクする。第一試合は近大工学部が勝った。第3試合は毎度おなじみの農大のオホーツクキャンパス。ほんとは全試合みたいんだが帰りのバスに間に合わん。つーか全試合どころが我が母校の試合だけでも全く余裕がない。どうやら第一試合が長引いたようで第2試合の開始は11時半から11時50分になっていた。バスは東京駅を14時半。2時間くらいで終わらないと自分のところの試合でさえ危ない感じである。

そして入場。

いや~さすが全国大会である。

僕の応援する松山大、和歌山大は敗れた。

いや~久々の東京ドーム。初めて来たのは大学生の時。ウルトラクイズが僕の東京ドームデビューだった。その時は高校時代の友人S田が巣鴨に住んでおりそこに泊めてもらった。で、最後に来たのは4年前。会社がらみでバックネット裏のチケットが回ってきましてね。巨人対中日というカープファンからしたらどうでもいい試合だったんだが、巨人先発の山口がノーヒットノーランを達成しましてね。結果的に非常にいいものを見せていただきました。

これもらった。母校オフィシャルのパンフレットである。入り口の横っちょにテーブルがあり、このパンフレットを手に立っている関係者の人達がいた。なになに?と思い「どもー。OBです。ここ、何のブースですか?」って聞くとチケットを売っているとのこと。え~学校ごとに手売りしてんのか???知らんかった。どうやらこのブースでチケットを買った人にこのパンフレットを渡してるらしい。欲しい。僕もそのパンフレットが欲しい。
「さっき向こうの売り場で買っちゃったんですよ~」と言いながら両目から「それ欲しいですビーム」を出す。すると「あ、どうぞ」。なんとパンフレットを頂けた。いや~ありがとう。川西から来た甲斐があったよ。
おぉ~あれはプロ注目の強肩強打のキャッチャー野口君である。
カープにぜひ来てほしい!でも現在カープはキャッチャーが大渋滞を起こしている。會澤、坂倉、中村奨成。あと白濱、石原、磯村と中国道宝塚トンネルばりの大渋滞である。この状況でキャッチャーは取らないだろうな。
本音を言えば神宮がよかった。ただね、これは山登り、とりわけ百名山をやってる人にしかわからんだろうが、幌尻岳の登山に似ている。幌尻岳は日高山地の奥深いところにある非常にアクセスに難のある山であり、さらに常人には日帰り不可能な山。
その幌尻岳と言えば平取コースから入山し額平川を何度も渡渉して登頂するのが誰もが憧れる醍醐味なのである。しかしその渡渉の多さ故、雨が降るともうお手上げ。何か月と準備し、満を持してお山に挑んでも天候次第で渡渉不可となり登れなくなってしまうのである。一方、その渡渉を完全に回避できるコースもある。陽希ルートこと新冠ルートである。このコース、渡渉が一切(まぁ一か所あると言えばあるが)ないので天候に左右されず山頂を目指すことができる。
大学野球の聖地とはいえ雨が降ると中止になってしまう神宮球場と天候に左右されない東京ドーム。関西から有休をとって見に行く人間からしたらまるで幌尻岳登山のようではないか。
梅雨時の6月に開催のこの大会。初日の神宮は雨天順延。もし我が母校が神宮でやることになっていたら予定が狂ってパーになっていた。それを考えると醍醐味という面ではかけてしまうが確実に観戦できる東京ドーム。今回はこちらでよかったなとは思う。
さぁ試合開始。えんじとむらさきの対戦である。天理と言えば一昨年我が母校(高校)が交流試合で撃破した。今日は大学での対戦だがしっかり頼むぞ。
我が母校は神戸国際出身のプロ注目右腕、松本君である。
昨年の大会でも活躍した我が母校のエースである。
変速のサイドスローから繰り出すマックス151kmの速球が武器のプロ注目の3年生である。
来年のドラフト候補である。
カープに来ないかなぁ。
一方こちらは今年のドラフト候補野口君。打つ方も期待してますよぅ。
そしてプレイボール!
松本君の速球がうなりをあげる。1回の表、松本君が無失点で上々のスタートを切る。
我が母校の攻撃。バッターは野口君。
なんかメジャーリーガーのような構え。めちゃくちゃ打ちそうである。
しかし残念ながら凡打であった。
試合は0-0の投手戦。我が母校の松本君もさることながら天理の真城君も小憎たらしいほどのナイスピッチで我が母校の強力打線に本来の打撃をさせない。
そして7回。ついに均衡が破れる。天理の攻撃。1アウト1塁からライト線のヒットで1塁ランナーが一気にホームまで帰って先制点。その裏も我が母校は抑えられゲームは終盤へ。しかしここでゲーム以外のところで非常にやきもきしていた。帰りのバスの時間である。東京駅の八重洲口を14時半に出発する。となれば水道橋発14時13分が掛け値なしの最終列車。そうすると14時には球場を出なければならない。しかし7回を終わった段階で時刻は13時半を回っている。間に合うんかこれ???
8回表、またもピンチを迎えると山内壮馬コーチがマウンドへ。
言わずと知れた元中日の主力投手。栗林君にも多大な影響を与えたコーチである。
そして無事ピンチを脱出。
しかしこの時点ですでに13時40分。こりゃ最後まで見ていたら確実にバスには間に合わん。「うむむぅ~」
試合も気になるがバスの時刻も気になる。この段階で少し弱いになっていた。7回まで見ていたが我が母校の強力打線はゼロ行進。相手投手、真城君から点が取れるような雰囲気がないのだ。バスをキャンセル変更すれば買いなおしの結果2千円もアップしてしまう。さらに困ったのが名古屋からの乗り継ぎ。14時半のバスに乗れば近鉄の急行を乗り継いで帰れるがそれ以降だと特急に乗らねばならん。そうなれば特急料金でまた2千円かかるのである。せっかく激安ツアーでここまで来たのに4千円アップ。さらに行きに大ポカをかましたので京都までの運賃570円も払っている。そしてつい思ってしまった。「負け試合に4千円も払う???」
OBとしてあるまじき行為だが一瞬考えてしまった。しかし気をしっかり持つ。「ここまで来て4千円渋って途中で帰るとかないわ。最後まで見よう。」
 
そして8回裏。先頭の多和田君がレフト前ヒットで出塁すると2番小林君が送りバント。すると天理のベースカバーが遅れラッキーな形での内野安打となる。ノーアウトランナー1塁2塁。ここで登場するのは名古屋の安打製造機、リーグ戦打率.636の伊藤君である。天理は左の伊藤君に備え、左腕の本間君にスイッチ。この試合最大の盛り上がりを見せる。「頼む!打ってくれ~!」
そして・・・
打球はライトスタンドへ!!!
うおぉぉぉぉぉぉぉ~!!!
逆転スリーランホームランである!
僕も前のおっちゃん同様に立ち上がり両手を広げ「うぉぉぉぉ~!!!」と叫んでしまった。
いやはや劇的な逆転劇。こうなったら喜んで4千円払いますよ。
続く野口君も痛烈なセンター前ヒット。
さすがプロ注目の打棒である。
そして9回表。一球投げる度に「うぉらぁぁぁ!」「よっしゃぁぁぁ!」とスタンドまで聞こえる声で気合い十分の松本君。
最後のバッターを三振に仕留めゲームセット。
やった~!!!
我が母校会心の勝利である。バスは15時半に変更。いや~いいものを見させてもらった。
いやはやほんとに楽しかった。東京まで来た甲斐がありましたよ。続く試合は東京農大オホーツク。本来であれば大根をもって踊り狂う姿が見られるのであるがコロナで鳴り物&声を出しての応援は禁止。ほんとは我が母校の鳴り物での応援を見たかったんだけどな。
 
しかしほんとよかった。前にチャリンコこいで神宮に早慶戦を見に行ったことがあった。在校生だけじゃなくてOBも詰め掛けてめちゃくちゃ盛り上がってたのを見て「いいなぁ。やっぱ母校だと熱の入り具合が違うよなぁ」ってうらやましく見ていた。
でも今日は自分がその立場に立ってめちゃくちゃ楽しかった。
 
めちゃくちゃ満足し、存分に東京ドームを満喫してから水道橋の駅へと向かった。  続く