私の故郷、九州でかつて存在していた国鉄線について、廃線間際の時刻表を中心に取り上げ、振り返ろうという企画をやっています。
24回目は、第三セクター鉄道となりますが、高千穂鉄道を取り上げます。
ご存知の通り、かつては国鉄高千穂線として開業し、その後JR九州の管轄となってからまもなく第三セクター鉄道の「高千穂鉄道」として再出発しています。しかしながら、2005年9月の台風による被災をうけて、しばらく運休が続き、その後全線廃線が決まった路線です。
九州で第三セクター鉄道が廃線に追い込まれる初めてのケースだと記憶しています。なお、高千穂鉄道線の一部を活用して保存鉄道を運行している「高千穂あまてらす鉄道」が存在していますが、詳細についてはこのブログ内では扱っておりません。
高千穂鉄道線 路線概要
線 名 | 高千穂鉄道線 |
距 離 | 50.0 km |
区 間 | 延岡〜高千穂 |
開業日/会社/開業区間 | 1935(昭和10)年2月20日 /官設鉄道/延岡〜日向岡元 ※日ノ影線として開業 |
全線開業日/会社 | 1972(昭和47)年7月22日 ※このタイミングで高千穂線と改称 |
貨物取扱 | あり 1974年(昭和49年)4月1日延岡 - 日ノ影の貨物営業を廃止 |
廃止日 | 国鉄高千穂線 1989(平成元)年4月28日 ※第三セクター転換 高千穂鉄道線 2008(平成20)年12月28日 ※水害で休止されたのは2005年9月6日
2007(平成19)年9月6日 延岡 - 槇峰間廃止 2008(平成20)年12月28日 槇峰 - 高千穂間廃止 |
廃止理由 | 水害で休止となり、そのまま廃線。 |
運行された旅客列車 | 高千穂鉄道としては、DC のみ |
この高千穂鉄道で活躍していた気動車で2022年現在でいまだ活躍しているのは、JR九州へ売却され改造された、特急海幸山幸号のキハ125−401、−402の2両のみのようです。
時刻表 (2005年12月20日訂補)
今回は2006年1月号より。この掲載時点ではすでに水害による全区間不通となっているのですが、再開を前提に時刻が掲載されたままになっていました。
【下り:延岡→高千穂】
駅名の読み方、上から、のべおか、にしのべおか、むかばき、ほそみ、ひゅうがおかもと、はきあい、そき、かわずる、かみざき、はやひと、かめがさき、まきみね、ひゅうがやと、ごみ、ひのかげおんせん、かげまち、ふかすみ、あまのいわと、たかちほ
【上り:高千穂→延岡】
凡例:★は、運転日によって「トロッコ神楽号」での運行となる列車。
黄色塗りは離合駅とその離合となっている箇所
当時を偲ぶ動画(ブログ筆者が選びました)
NHKアーカイブスでしっかりとまとまっています。ブログ筆者はこの線には乗車したことはないものの、この線に沿っている国道218号線は何度も車で通りました。自身で運転したこともありますが、バイパスの未整備部分が多かった20年前など、道の細さや曲がりくねり具合に四苦八苦した記憶がありますw
廃線の跡をたどった動画(ブログ筆者が選びました)
ひろりんさんがまとめられた廃線跡探訪の動画です。2021年の動画ということで、近況を知るとても良い資料でした。日之影温泉駅のお風呂に入ってみたいと思った次第です。あと観光鉄道のトロッコにも乗車された様子も興味津々で拝見しました。
当時の駅はここにありました(Powerd By Googleマップ)
先に紹介した動画で、一番惹かれた「亀ヶ崎駅跡」です。ちなみに地図内のマーキングはバス停で、駅は五ヶ瀬川沿いにありました。地図をズームアウトするとわかりますが、高千穂線は頻繁に五ヶ瀬川を渡りながら街を結んでおり、水害では数多くの橋梁が破壊されてしまい、そのまま廃線となってしまいました。
参考資料 日本鉄道旅行地図帳 12号九州沖縄 新潮社、時刻表、国鉄の車両18 九州各線 保育社
参考サイト 高千穂鉄道、高千穂あまてらす鉄道(ともにWikipedia)、動画 Youtube、地図 Googleマップ
- 列車名大事典〜最新増補改訂版楽天市場寺本光照さんによる列車名の叙事詩。西九州新幹線開業にともなう列車名変更までカバーしているようです。
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