東京都交通局では、都営新宿線の混雑緩和の為に2010年度から列車の10両編成化を進めており、8両編成で製造された10-300形1次車への中間車増結と、10-000形の置き換えも兼ねた3次車以降の10両固定編成の新造を実施して来ました。10-000(10-300R)形の置き換え完了後も依然として1次車による8両編成8本の64両が残存していましたが、2021年より全列車の10両編成化に際して、6次車10両編成を増備し1次車は順次廃車とする方針になりました。これにより主要機器は別物になっているものの、同一形式内での代替が発生する珍しい事例になっています。
2022年1月に落成した6次車の10-670F。基本的には5次車に準拠していますが、戸閉装置がスクリュー軸駆動方式からJR東日本E235系と同様のラック式に変更されており、開閉動作音が異なっている他、バリアフリー対策強化として開扉時の盲動鈴鳴動機能が追加され全車両にフリースペースが設置されました。
5次車の10-610F。2016〜2017年に掛けて増備されたグループですが、車両製造メーカーとの契約の関係で4次車と並行導入されました。この5次車からイメージチェンジの一環で車内の配色が変更されています。
5次車以降の車内設備。1〜4次車の座席モケットは秋の紅葉や銀杏をイメージした黄色と緑の組み合わせでしたが、5次車からは新緑の季節を思わせる鮮やかな緑に変更され、手摺りも青色で滑り止め加工を施したものになりました。
車内案内表示は三菱電機セサミクロによる17インチワイド液晶画面で、10-520Fから採用された動画広告用画面「チカッ都ビジョン」を併設した2台構成が引き継がれています。
今後も6次車の増備は続き、残存している8両編成の廃車を順次進め2022年度中には全列車が10両編成化される見込みです。