○交 法政大学発行 飯田橋⇔桜新町 通学定期乗車券 | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昭和38年1月に「○交」法政大学で発行されました、「飯田橋⇔桜新町」の通学定期乗車券です。

 

 

東京印刷調製の券となります。

 

有効期間によって断片を切断する期間指定式の券で、経由の「千駄ヶ谷、渋谷経由」が印刷、運賃も断片に印刷されており、このような期間指定式の定期乗車券の場合は有効区間も決まっていて印刷されるハズですが、この券は有効区間の右側が記入式となっていて「桜新町」のゴム印が押印されています。

 

この定期乗車券が発行された当時、まだ現在の東急電鉄田園都市線の一部である渋谷~二子玉川間(東京急行電鉄新玉川線)は開業しておらず、当時の「桜新町」は東京急行電鉄玉川線の電停で、この券には「千駄ヶ谷、渋谷経由」が印刷されておりますので、国鉄線から東京急行電鉄玉川線への連絡用の通学定期乗車券と考えられ、当時の東京急行電鉄玉川線の運賃は全線均一で、定期運賃についても全線均一でしたから、玉川線内の全ての駅が飯田橋~渋谷間の国鉄線区間の定期運賃と合算した同一の定期運賃となる事になり、これにより玉川線側の区間の駅が記入式であっても定期運賃は印刷されている事になります。

 

それならば、玉川線側の区間は最遠駅となる終点の「二子玉川園」を印刷としても良いのでは?と思いますが、この券は通学定期乗車券であり、購入に必要な「通学証明書」は使用者の居住地と学校の最寄り駅の区間で発行されますから、この券の使用者が「桜新町」居住であれば玉川線側の区間が「二子玉川園」までとなる「通学証明書」は発行出来ない事になり、全線が均一運賃となる玉川線側の区間であっても「通学証明書」によって区間が変わる事が想定されますので、この通学定期乗車券の玉川線側の区間の駅は印刷とはならずに記入式となっているものと推察されます。