西九州新幹線開業に伴い、JR九州では全エリアでダイヤ改正を実施することとしています。2回目の今回は、西九州エリア以外の路線について分析します。

220610_september_23rd.pdf (jrkyushu.co.jp)

 

1.鹿児島本線

(1)すべての時間帯で普通・快速列車が減便となります。朝時間帯は小倉着上り1本、博多着上下5本が減便となります。日中時間帯は快速の運行をとりやめ、区間快速・普通のみの運転となります。夕夜間帯は毎時1本程度減便となります。

 なお区間快速については運転形態が見直され、「福間~博多~二日市間快速」「福間~博多~二日市~鳥栖間快速」の2種類に整理されます。また、鳥栖~大牟田方面を結ぶ区間快速は、普通に格下げされます。

 日中の快速列車は、現行ダイヤでも毎日運転の臨時列車となっているので、廃止もありうるかも、と思っていましたが、廃止になってしまい残念です。

(2)日中時間帯の荒尾~玉名間は、毎時2本から毎時1本へ減便となります。山間部の区間であるため、利用者が少ないと思われますが、本数半減はなかなか厳しいですね・・・

 なお、現在は鳥栖から熊本方面へ直通していますが、改正後は大牟田で原則同一ホーム乗り換えとなります。

(3)特急「きらめき7号」(小倉22:01発、博多22:52着)を廃止し、かささぎ101号(門司港6:40発、小倉6:56発、博多7:53着)が新設されます。かささぎ号は原則博多~佐賀・肥前鹿島間の運行ですが、この「かささぎ101号」に限り門司港始発で運行されます。

(4)前述した「かささぎ101号」及び夕夜間の特急「ソニック」大分行き4本が、新たに福間駅に停車します。また、赤間駅に特急「ソニック」博多行き6本、大分行き5本が停車します。日中の快速廃止の救済と、博多や小倉からの乗客を少しでも特急に取り込みたい意図がうかがえます。

(5)「ソニック8号」は戸畑に、「ソニック12号」は戸畑・香椎に新規停車します。なお、「ソニック10号」は香椎を通過に変更となります。これにより、大分~博多間の「ソニック8号」「ソニック12号」の停車駅が同じとなり、分かりやすくなります。

 なお、夜間帯の特急「ソニック59号」「きらめき22号」は、吉塚駅を通過に変更となります。

 

2.日豊本線

(1)臨時列車として運行されていた特急「ソニック81号「ソニック80号」が定期列車化され、「ソニック29号」「ソニック46号」として運行されます。コロナ前は定期列車として運行されていたので、厳密には1往復復元という形ですね。利用が戻り始めていることがうかがえ、明るい兆しがみられます。

(2)朝時間帯・夜時間帯に小倉~中津・宇佐間で普通列車上下4本が減便となります。小倉発着の列車は鹿児島本線・日豊本線ともに減便となりましたえーん

 

3.豊肥本線

(1)「九州横断特急2号・3号」は、現在日豊本線の別府発着で運行されていますが、日豊本線への乗り入れをやめて、大分発着へ短縮されます。

(2)熊本~肥後大津で下り2本、肥後大津~宮地間で2往復、豊後竹田~三重町間で1往復減便となります。肥後大津~宮地間は2~3時間運行のない時間帯が増えることとなり、厳しい改定となってしまいました。

 

4.久大本線

 早朝に久留米→筑後吉井で1本増発となるほか、日田6:11発久留米行きが鳥栖行きに延長となります。一方、久留米21:54発日田行きは廃止となります。夜間帯を減らして早朝時間帯に重点を置いた形ですね。

 

5.筑豊本線(若松線・福北ゆたか線 若松~折尾~直方)

 朝時間帯を中心に普通列車7本が減便となります。なお、日中時間帯は、門司港~直方間で鹿児島本線との直通列車が運行され、利便性が向上します。

 

6.指宿枕崎線

 日中時間帯に指宿~山川間で1往復減便になります。1区間だけの減便というのが謎ですが、切れるところは切ろうということでしょうか…

 

7.最終列車繰り上げ

(1)鹿児島本線

 赤間~福間間の最終列車が上下とも25~30分繰り上がります。小倉と博多のちょうど中間のエリアとなり、小倉からも博多からもそれなりに距離がある場所であるからか、利用が少なく、大幅な繰り上げになったものと思われます。

 また、鳥栖から久留米・大牟田方面への列車が一部減便となり、荒木→荒尾間の終電時刻が約20分繰り上がります。鳥栖発23時以降の下り列車は、6本から4本となります。

(2)福北ゆたか線の新飯塚→博多間の最終列車が約10分繰り上がります。深夜帯に博多へ向かう列車とあって、影響は小さいとみられます。

(3)久大本線の久留米発日田行き最終列車が筑後吉井行きに短縮され、日田への最終列車が約1時間繰り上がります。現在の最終列車が日田0:17着と比較的遅いですが、県境の山間部を通る区間は利用が少ないと思われ、繰り上げ対象となったのでしょう。

(4)長崎本線の長崎から諫早方面への最終列車が30分程度繰り上がります。長崎→諫早は1本廃止となります。

(5)日豊本線・日南線の宮崎発最終列車が繰り上がります。延岡方面が15分、都城方面・日南方面が25分繰り上がります。これにより、特急「にちりん21号」から都城行き最終列車へ乗り継ぐことができなくなります。

 

8.観光列車

 三角線の「A列車で行こう」三角行き全3本が網田駅に停車します。所要時間も多く取られ、ゆったり観光を楽しめるようになるようです。

 また、肥薩線を走っていた「かわせみやませみ」は、豊肥本線(熊本~宮地)で運行されます。

 

9.まとめ

 いかがでしたでしょうか。鹿児島本線、特に鹿児島本線の小倉・博多都市圏では終日にわたり減便しているのが特徴です。JR東日本などと同じく、今年の改正では朝ラッシュ時や日中時間帯の減便に踏み込んだ形です。

 なお、同じく博多駅に乗り入れている福北ゆたか線(篠栗線)では減便はない模様です。福北ゆたか線では昨年のダイヤ改正で、日中の本数を毎時4本から毎時3本に減便する改正を実施したからだと思われます。

 また、最終列車の繰り上げも目立ちました。昨年のダイヤ改正でも終電繰り上げを実施していますが、今回は前回の改正時に繰り上げがなされなかったところを繰り上げるような形になりました。全体的に夜間帯の利用が落ちていることがうかがえます。

 その一方で、特急列車はソニックが1往復定期便に復帰したり、西九州新幹線開業にあわせて充実が図られたりするなど、暗い話題が少ないように思われました。利用が戻り、少しずつ減便された分が復活されることを願ってやみません。