2022年6月10日~12日 東京ガーデンシアター・宙組公演
●SUZUHO MAKAZE SPECIAL RECITAL@TOKYO GARDEN THEATER「FLY WITH ME」
構成・演出/野口 幸作
真風涼帆初のコンサートが、なんと最大収容人数約8,000人の東京ガーデンシアターで、しかもLDH JAPANのライブの企画・演出を手掛けるクリエイティブチーム「TEAM GENESIS」によるプロデュース。
公演の発表があった頃は、まだコロナもオミクロンが流行り出して、緊急事態宣言やらもあったし、宝塚も公演中止など頻繁にあったので、ホンマにこんな大きな会場でできるのか不安でしたが、なんとか無事に公演開催でき、3日間5公演終えましたね。
6月10日12時公演、第2バルコニー 2Bブロック7列目で観劇。
まぁなんとか見える位置の席でしたが、これでS席10000円は高すぎ。8000円ぐらいが妥当かな。
劇場全体を「空港」および「宙(ソラ)」に見立て、大空や銀河などをテーマにした壮大なコンセプトのもと、「Love(愛)」と「Dream(夢)」と「Romance(浪漫)」溢れる構成でお届けするLDH JAPANと宝塚歌劇の初のコラボレーションが、皆様に、未来への希望に満ちた究極の「Happiness(幸せ)」を届ける作品。
こういうドデカイ箱のコンサートは今まで真矢みき、柚希礼音の武道館、明日海りおの横浜アリーナで見ましたが、最初の二人はそれだけの力を持っていたので武道館でやる意味はありました。しかし横アリは・・・。完全に広さを持て余してましたからね。人気はありましたが、この器でやるほどの内容でもなかったですし。さて、今回はどうだったのでしょうか??
◆FLY WITH ME-PROLOGUE-
ショーの開幕で、宙、飛行機、空港、CAなどでこの作品のコンセプトである雰囲気を上手く作り上げて行き、機長の真風涼帆が登場し、白濱亜嵐作曲の主題歌で一気に盛り上げます。LDHのメドレーで、いつもの宝塚ではない感をアピールしますが、私的には大劇場公演でもできそうなプロローグだなと。潤花のCAがアイドル的で、唯一宝塚的でない雰囲気でしたね。
◆SWAG-Welcome to TOKYO-
東京に降り立ち、空から地上の列車へ・・・。「Choo Choo TRAIN」のあと、天彩峰里が「銀河鉄道999」をソロで歌うところまでは良かったんですが、その中で英詞部分の男役陣の音程の外し方が半端なかった(笑)
音のピッチが全然やがな。 余談ですが、電車の装置は阪急1000系がモデルですかね?
◆INTRODUCTION OF HiGH & LOW-THE PREQUAL-
前場面が終わって、スクリーンにドラマ「HiGH & LOW」の映像が流れ、宝塚の予告へ・・・。こういう系のドラマって苦手なんですよね。訴えかけるものは強くても、暴力的で品のなさが、そのメッセージ性を低くするんですよね。その後、チームごとに紹介があり、そのテーマソングと衣装で歌い踊ります。
芹香斗亜のカッコよさが半端なかった。真風もカッコいいし、オリジナル役のカナの潤も可愛かった。しかし話題性はあっても、こういう世界が宝塚に融合するのか、野口幸作氏の手腕に期待します。
◆MAKAXILE SHOW TIME PART 1-HAVANA BEACH(LOVE)-
移動式の階段が大階段ぽくなって、急に宝塚レビューな展開へ。ここも男役連中の「L-O-V-E」が外してましたねぇ・・・。真風の「Too Darn Hot」もなぜにここで「キス・ミー・ケイト」? 最後の「君の瞳に恋してる」だけがマッチしてました。
◆MAKAXILE SHOW TIME PART 2-NYC CLUB(DREAM)-
ここ記憶に薄いです・・・寝てたんかな(笑)
◆MAKAXILE SHOW TIME PART 3-NEO JAPONESQUE(HAPPINESS & ROMANCE)-
J-POPをさらに歌舞伎チックに編曲したりと面白かったですね。「勝手にしやがれ」「浪漫飛行」など私の年代には聞きやすい楽曲。
◆AWESOME-RODE TO SUZUHO MAKAZE-
宝塚コンサートでありがちな、ミニコントコーナー。これホント、アタリハズレが大きいんですよ。今回は短めで真風の宝塚受験への道をフィクションも交えながらやるんですが、ここはやはり芹香のコメディエンヌの力が発揮されて、退屈しないものに仕上がってました。レシートを投げるの失敗してましたがね(笑)
紗幕後ろの白燕尾の紳士は潤花?
名曲「明日へのエナジー」。
◆WONDERFUL-TAKARAXUKA MEDLEY-
ようやく宝塚の曲が登場。「シトラスの風」、「オーシャンズ11」の「JUMP!」は分かるけど、なんで汀夏子の「丘の上のジョニー」?こういう関係のない選曲が、冷めるんです。まさかサヨナラ公演でやるんか?
ラストはお馴染み「TAKARAZUKA FOREVER」で締めます。
◆MAGNIFIQUE-LDH×TAKARAZXUKA MEDLEY-
宝塚5組を連想させるLDHの曲を歌います。花組は「情熱の花」、月組は「花鳥風月」、雪組は「Powder Snow~永遠の終わらないを~」ここのカノちゃんしっとり歌えてて感動。星組は「あの空の星のように」、宙組は「O.R.I.O.N.」。そして最後は黒燕尾のボレロで「R.Y.U.S.E.I.」、ここの場面が一番良かったです。宝塚とLDHがコラボした意味が感じられましたし。
◆ANOTHER SKY-FINALE-
最初の「Y.M.C.A」も酷かったなぁ。なんでタカラジェンヌって、J-POP下手なんですかね?
ラスト曲、「SEIZE THE DAY-今を生きる-」は最後に相応しいものでしたが、どうもサヨナラを意識させるような歌詞が、意味深でしたがね。まぁ来年あたり・・・。
全体的にコンサートと言うより、大きな箱でやった宙組公演のショーという感じでした。二番手が出ていたのもあったし、楽しんで見ましたがショーとしてまとまりすぎてた感もあります。
こういうご時世と、生徒への負担軽減もあるのでしょうけど、舞台の広さを使いきれてない。この人数とこの構成なら舞浜かドラマシティでも出来そうに思います。そうなるとチケットが取りにくいか(笑)
宙組の生徒に関しては下級生ほど歌えてないなと。潤、芹香、天彩あたりはいいけど、真風でも声が籠り気味。
それと舞台左右上のモニターが、本舞台と声も映像もコンマ何秒かずれるのが気持ち悪くて・・・。そんなんリハの時点でなんとかならんのかいな。
とにかく文句は言ったものの、それなりに楽しんだ公演ですし、コロナ禍で長らくやってなかった大箱での公演が出来たことに歌劇団も自信が付いたと思います。
生徒も我慢の強いられる2年以上を過ごし、大舞台で歌って踊って、発散できたことと思います。