京都市営交通110周年 | 鉄道とバスのブログ

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京都市営の路面電車が1912年6月11日に開業してから今日で110周年を迎えた

最初の営業区間は

烏丸線 七條驛前 - 烏丸丸太町、千本大宮線 壬生車庫前 - 千本丸太町、四条線 四条西洞院 - 四条小橋、丸太町線 烏丸丸太町 - 千本丸太町間であった。

開業初日は花電車が運転され、10万人の市民が開業を祝った。


 






開業を祝う花電車

路線は戦後に至るまで延長され、最盛期は76.8km、車両351両(1957年度)の路線となった。乗客も増え1963年(昭和38年)には一日平均564,488人の利用があった。

しかしその後の自動車の増加。定時性を確保し乗客離れを食い止めるためには、1960年代に解禁された自動車軌道乗り入れを再び全面禁止すべきという声もあったが、市は一部の路線(外周線の18.3kmにつき1975年4月から)を除き実施しなかった。また実施された区間においてもそれが徹底されていたとはいえない面があった。定時性が保てない→運行ダイヤを停留所に提示できない→乗客離れが進むといった悪循環が、意図的に行われたという指摘もあった。

1969年(昭和44年)、に京都市の新たな交通計画(十文字の地下鉄路線とそれを補完するバス路線網)が可決され、外周線を除く市電の撤去が定められた。この背景には、累積赤字で交通局が財政再建団体に指定され、利子補填などの支援・監督を受けるに当たり、赤字事業の縮小として路面電車の撤去が求められるという事情もあった(これは京都に限らず当時の多くの公営路面電車が直面した)。市民による反対運動も行われたが、市は拒否。1976年(昭和51年)に全面撤去へと計画を変更したのち、地下鉄開業にそなえ1978年(昭和53年)に全面廃止され、83年の歴史に幕を閉じた。


市電全廃

市電廃止反対を求める署名は27万人に達したとされる。市電廃止はマスコミに「日本で最初に開業した電車が廃止」などと大きく取り上げられて全国的に報道された。