春の奇跡(根室本線) | 四季の鉄道風景Gallery

四季の鉄道風景Gallery

北海道と関東を中心に、四季折々の鉄道風景を公開します。

晩冬の3月、早春の4月と、関東より1ヶ月遅れの北海道の春を富良野で味わいました。そして、5月の下旬に春3度目の富良野訪問。もう桜はとうに終わったはずなのに、金山湖畔には、白い大きな一本桜がありました。(2022/5/25-26)

ゆっくり白老を出て、昼過ぎに富良野に到着。ゴールデンウィークの頃が見頃のエゾヤマザクラの並木(東大演習林)も、すっかり若葉の緑になっていました。残雪の芦別岳をバックに、これはこれで素晴らしい季節の表情です。

15時台の往復、どこで撮ろうか迷った末、定番の芦別岳バックのポイントで撮りました。先客が1名いたのが理由です。ここは熊出没頻度が高そうなので、独りだと心細いのです。

返しは、山部の落葉松林で。白く見えるのはタンポポの綿毛。北海道の春はタンポポの黄色が見事なのです。あと一週間早ければ、黄色い絨毯が見られと思います。来年の宿題にします。(来年も春も線路がありますように。)

日の長い季節。17時台の往復も余裕で撮れます。金山湖に向かいました。湖畔では、キタキツネが頻繁に出没。子育ての季節で、道路沿いで親子も見かけました。交通事故に遭わないかとハラハラ。

新緑の金山湖、満水です。小橋を渡るキハ40、北海道色のキハが白く輝きました。最高の光線状態でした。

東鹿越からの返しは、急いで鉄橋のポイントで撮りました。手前の木々は日が落ち、奥はまだ日が当たっている状態で列車が通過。ツートン風情の新緑で、それなりに美しい光景になりました。

19時台の快速狩勝を、夕暮れの布部駅で。まだ十分な明るさでした。お宿は、道民割(宿代5,000円、2,000円の買い物クーポン付)でいつものラビスタです。

翌朝は快晴。すでに始発回送が走るころには日は高く昇っています。布部岳を望む場所では、線路端に白いシャクの花がいいアクセントになっていました。キハの顔に朝日が当たり、気持ちよく撮れました。

この季節の楽しみは水鏡。ちょうど田植えが始まっていました。水田に映る芦別連山。列車通過時には風が治まり、旨く撮れました。

気持ちの良い朝です。山部駅の駅舎の春景色。

3ヶ月連続で訪問した野花南駅。雪景色、芽吹きと季節の表情の変化が楽しみでしたが、今回は、期待通り、緑の中での交換風景が撮れました。

ご存知でしょうか、滝里駅。野花南の次の駅でした。今はダムの底に眠っています。「北の国から」には登場します。蛍が恋人(緒方直人)と下車した駅です。記念館に懐かしい写真が展示してありました。

金山ダム公園は、緑一色。今年は残念ながら満開の桜の時期には訪問できませんでした。

さて、今回はけっこう撮れたし、午後3時台の往復まで待たず帰ろう。でも。キタキツネが気になったので、最後に金山湖畔に寄ると、1本の白い桜を見つけました。こんな時期(5月下旬)に満開です。湖の対岸にはキハが走る小さな鉄橋。「ぜひ、撮ってください。」の声が聞こえたような気がしました。そんなわけで、次の列車まで3時間ありましたが、湖畔のホテルでお茶しながら待つことにしました。

そして、やってきたキハは15時台が北海道色。その次(17時台)は、なんと首都圏色でした。奇跡のようです。

余韻を味わいながら、返しのキハ(首都圏色)を撮りました。

白い桜は、後で調べたところでは、チシマザクラの一種のようです。私が訪ねた日(5/26)がちょうど見頃でした。また、首都圏色のキハ40は、釧路から旭川に配属変えがあり、ちょうどこの日(5/26)が根室線での運用初日でした。優しかった彼が導いてくれたに違いない。そう思いました。

白老鉄日記vol.73(春の奇跡)でした。