水島臨海鉄道さんの撮影会に行ってきました!(中編) | 湯郷温泉てつどう模型館&レトロおもちゃ館スタッフブログ

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岡山県美作市の湯郷温泉にある観光施設『湯郷温泉てつどう模型館&レトロおもちゃ館』のスタッフです。
美作市役所の地域おこし協力隊員として令和4年4月に赴任させていただきました。
当館の日常や鉄道ネタ、地域おこし協力隊について書いていこうと思っています。

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(【前編】の続きです…)

 

水島臨海鉄道さんのクラウドファンディングの返礼品である撮影会に参加すべく岡山駅までやって来ました。

 

 

 

岡山駅から山陽本線で約15分、倉敷駅に到着しました。

 

 

 

倉敷駅から連絡通路を歩くこと約2分で水島臨海鉄道さんの倉敷市駅に到着しました。

JRの倉敷駅と水島臨海鉄道の倉敷市駅は隣接はしているものの、同じ改札内で繋がっているのではなく、一旦駅舎の外に出なければならないという初見殺しな仕様でございます…

 

何故倉敷駅を名乗らないのかは諸説あるようですが、元々現在地より西に駅があった時は倉敷駅を名乗ってたそうで、1970年ごろに倉敷市駅に改称、1981年に現在地に移転したからというのが主な流れだそうです。

 

 

 

駅の窓口で受付を済ませました。

参加証は参加証以外の何物でもなく、ワンデーフリーの効力なんかはないのですが、事前に返礼品として水島臨海鉄道全線で使える回数券11枚綴りが参加者には送られてきており、みんなそれを使う形となりました。

 

 

 

倉敷市駅ホームには【国鉄水島】を実現すべく、賛同された方々のお名前が掲載されていました。

総勢1339名の方が投資されたのは驚き!

でも、この令和の時代にそれだけの方々が国鉄型気動車に関心を持ってらっしゃるというのは一つの指標になりそうですね。

 

 

 

自分自身の名前を見てびっくり!

そういえば断らなければ自動的に掲載されるシステムでした(笑)

 

 

この9:41発の水島行きの定期列車に乗車します。

終点の水島から撮影会の会場である倉敷貨物ターミナルまでは回送扱いとなります。

 

 

 

水島を出ると二手に分かれます。

左手が貨物線、右手が三菱自工前・倉敷貨物ターミナルに向かう線路です。

水島臨海鉄道さんは完全な私鉄ではなく、倉敷市やJR貨物が出資する第三セクターの鉄道会社です。

同じ岡山県には井原鉄道さんと智頭急行さんという、他にも2つの第三セクターの鉄道会社がありますが、そちらは元国鉄の計画線の転身で、水島臨海鉄道さんは元々倉敷市交通局という公営路線が母体で、後に国鉄(後にJR貨物)などの資本参加が加わって成立したという経緯があります。

 

 

水島臨海鉄道と名乗るだけあって、水島〜三菱自工前は海沿いを走ります。

 

 

 

JR貨物が出資しているだけあって貨物輸送が盛んなのですが、このように各所に廃線跡も存在しています…

 

 

10:11定刻で倉敷貨物ターミナルに到着。

名前の通り貨物駅ですので普段は一般旅客の利用はできません。

また、三菱自工前~倉敷貨物ターミナルは非営業区間の為、防犯上の都合により一切の撮影が禁止されていました。

新型機関車に道を譲り、予備車として後輩の活躍を見守るDE70-1が佇んでいました。

国鉄のDE11形0番台ディーゼル機関車をベースに自社用にアレンジされた機関車で、同様の形態で稼働状態を維持しているのはこの機関車が最後の1両だそうです。

 

 

手前の機関車がDD200-601という、水島臨海鉄道最新鋭の電気式ディーゼル機関車で、これもJR貨物のDD200形という機関車をベースに作られたもので、同様の仲間がJR九州にもいます。

 

 

というわけで撮影会開始です!

真ん中の2両編成と右手の車両が今回のクラウドファンディングでかつての塗装に塗り替えられたものです。

残念ながら今回は無関係の左手の車両を含め、国鉄時代より活躍する古豪たちです。

 

 

真ん中の2両編成は朱色(首都圏色)の車両がキハ37形、後ろの白地に帯が入った車両がキハ38形といいます。

両者ともJR東日本から譲渡された車両で、元々は千葉県の久留里線というところで活躍していました。

ピッカピカキラキラの塗装が眩しいですね! 

 

 

 

キハ37形は塗り替えられたもの以外にもあと2両在籍しています。

こちらは水島臨海鉄道オリジナル塗装となっております。

 

 

キハ38形は国鉄末期の1986~1987年に製造された車両で、JR東日本の八高線や久留里線などを経て、先述のキハ37形3両と共に2013年より水島臨海鉄道にて活躍しています。

塗装は埼玉県と群馬県を結ぶ八高線時代の塗装を復刻したものとなっております。

ちなみに、キハ37・キハ38とも諸事情で少数のみの生産となってしまい、両者とも日本国内で現役で活躍しているのはここ水島臨海鉄道だけとなっております。

 

 

残念ながら今回クラウドファンディング対象外となってしまったキハ30-100

キハ30形は非電化区間の通勤輸送に応える目的で製造された車両キハ35系の一派で、1両に運転台が2つ付いている両運転台構造が特徴となっております。

 

 

こちらのキハ30もかつては首都圏や関西圏を中心に多数が活躍しておりましたが、日本国内で稼働状態を維持しているのはこのキハ30-100が最後の1両となっております。

実はこの車両、クーラーを搭載していない所謂非冷房車で、真夏は灼熱地獄晴れとなる為に基本的には秋季後半~春季のみでしか運用されておりません。

なのでこれからの時期は基本的に車庫でお休みとなります・・・

しかし、真夏に灼熱地獄になることを逆手にとって、昨年キハ30-100による灼熱耐久列車炎が水島臨海鉄道さんによって企画されたのですが、感染症拡大が理由で中止となってしまいました・・・

今年のリベンジ開催を期待しております。

 

 

実はもう1両キハ30形がいまして、こちらはキハ30-98です。

こちらも相模線や八高線、久留里線を中心に活躍し、2013年にこちらに渡ってきたのですが、この車両はキハ30-100の予備部品確保を目的として譲り受けられたもので、車籍を保有していない=稼働状態にない車両となっております。

この車両がかつて活躍していた同じ千葉県にあるいすみ鐡道さんが、先日古豪ディーゼルカーキハ28の現役続行を断念したというニュースがありましたが、昨今こういった古豪の車両のメンテナンス事情は深刻で、なかには保存されている車両の部品や他所の鉄道会社で廃車になった部品を買い取るなんてことはよくある話になってきました。

 

 

こちらには現役で最後に活躍していた久留里線時代の名残が残っています・・・

 

 

手前が部品取りのキハ30-98、奥が現役のキハ30-100。

 

 

こちらはキハ30-100で、よく見るとこちらは貫通扉の窓にHゴムが付いておりません。

 

 

一方、キハ30-98には貫通扉の窓にHゴムが付いています。

なのでガチの国鉄形気動車ファンはこちらの方を好むようでして、何らかの事情でこちらの扉が100に移植されないか期待されている方が多いんだとか・・・

 

(後編に続きます・・・)