ちょっと古い画像で恐縮ですが、新潟県の県庁所在地駅である新潟市と県南西部の上越地域の都市間を結んでいた快速「くびき野」の思い出の画像を貼り付けてみました。
 過去に何度も貼り付けた画像もあれば、以前のアカウントでアップした古い記事から引っ張ってきた画像もあったりしますが、かつて四国や山陰など一部の地域を除けば北は旭川から南は鹿児島までの全国各地で見られた485系特急型電車の定期運用としての終焉の地であると個人的には思っている北陸地区、とりわけ新潟の485系の晩年の姿と分類上は普通列車に位置付けられる快速列車ながら特急型車両が充当され、停車駅の少なさは特急列車並みでグリーン車や指定席も連結されていた乗り得列車だった「くびき野」の晩年の姿を振り返ってみたいと思います。
 なお、一部画像は画像を保存していたカードが破損してしまったようで再生できないため、前述した別のアカウントでアップしていた記事の画像を引っ張ってきたのでサイズが小さかったり、カメラ機能が良くなかった当時のスマホで撮影したもので画像が粗いものがあるのでお見苦しいかとは思いますがご容赦願います。
 なお、撮影地は特記以外はこの快速列車の始発駅であるJR東日本信越本線(現・えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン)新井駅です。

 クロハ481-1029
 昭和53年(1978年)に製造された制御車(運転台のある車両)クハ481-1035の乗務員室側の半室をグリーン車化改造した車両です。
 当時の国鉄秋田鉄道管理局南秋田運転所(秋アキ)に新製配置され、東北本線~奥羽本線経由で上野~秋田間の特急「つばさ」などで活躍した後、昭和62年(1987年)の国鉄分割民営化でJR東日本所有車両となった同車は盛岡支社青森運転所(盛アオ)に転属、東北地方北部の特急列車で活躍し、青森在籍時に半室グリーン車化改造を受けてクハ481-1029となりました。
 平成12年(2000年)7月に青森から当時の上沼垂運転区(新カヌ)に転属し、上野・金沢方に連結されて晩年は新潟~酒田・秋田間の羽越本線の特急「いなほ」や新潟~金沢間の信越・北陸本線の特急「北越」、そしてこの信越本線の新潟県内都市間快速列車の「くびき野」などで活躍した車両です。
 上沼垂運転区はその後の組織改編により新潟車両センターとなったので車体妻面に書かれている所属基地の電報略号は「新ニイ」に変更されました。

 国鉄分割民営化後は全国各地で国鉄から継承された車両のイメージアップを兼ねて車内設備などを改良したグレードアップ改造やリフレッシュ改造が行われて上沼垂運転区当時の485系もグレードアップ改造施工編成から赤とクリーム色の国鉄特急標準色からアイボリーホワイトをベースにエメラルドグリーンとマリンブルーの帯を巻いたカラーに変更、後に上沼垂所属の全編成に波及していきましたが、このクロハ481-1029など後になって青森や秋田から転属してきた車両はオリジナルの国鉄特急色のままで編成を組んで最期を迎えました。

 ちなみに新潟車両センター(←上沼垂運転区)配置の485系は晩年は前述のグレードアップ改造編成から始まったカラー変更が行われた編成はT編成、首都圏及びJR西日本区間への乗り入れ可能な保安装置を搭載し、新宿~村上間の夜行快速列車「ムーンライトえちご」や上野~金沢間の夜行急行列車「能登」に導入されていた女性専用車両「レディースカー」改造が施工された車両を組み込んで国鉄特急色のままで残っていたK編成、土崎工場(現・秋田総合車両センター)で前面を大胆に改造し、客室設備もさらに大幅にリフレッシュ改造したR編成に区別されていましたが、このクロハ481-1029が組み込まれた編成だけは国鉄特急色ながらK編成ではなくT編成の一員としてT18編成を名乗っていました。
 
 国鉄時代の新潟運転所には運用を担当する電化路線が信越本線や上越線、羽越本線の村上以南、越後線など直流電化区間だけだったこともあり交直両用型電車の配置はありませんでした。
 上越新幹線開業により新潟運転所に所属していた特急「とき」用の183系1000番台が全て中央本線の特急「あずさ」へ転用されて松本運転所へ、一部は房総特急へも転用されて幕張電車区に転属して収容能力に余裕も生まれたのか、国鉄分割民営化が迫った頃には民営化後の車両運用も見据えた車両の転配が全国規模で行われてそれまで485系の配置が無かった新潟にも青森・秋田・金沢・向日町などの運転所から集められて配置されました。
 とくに耐寒耐雪対策が強化された1000番台は東北新幹線開業により余剰が発生していた青森運転所や南秋田運転所からの転属が続きました。
 当初はグレードアップ改造施工車だけに行われていた新型シートへの交換はグレードアップ未施工車にも指定席車両を中心に波及していきました。
 このT18編成は新潟方の制御車には北海道向けに製造された1500番台のクハ481-1508が組まれていました。
 このクハ481-1508はグレードアップ編成の自由席車両に組み込まれていたため車内設備については軽微な改造しか行われませんでしたが、塗装は前述したアイボリーホワイトにエメラルドグリーンとマリンブルーの帯に変更されていました。
 この塗装に変更された車両は車体側面裾部の形式と車両番号がオリジナルの切り文字からレタリングタイプに変えられていたため、国鉄特急色に戻されてからも白いペイント表記となってたのが残念でした。
 485系1500番台はデビュー当初は青森運転所に配置されて大阪~青森間の特急「白鳥」として使われたのち昭和50年に北海道に渡ってでんぎ完成していた札幌~旭川間を結ぶ北海道で初めて設定された電車特急として特急「いしかり」デビュー。しかし、北海道の厳しい寒さに対応しきれず冬期を中心に車両故障が頻発、北海道向けとして本格的に開発された781系特急型電車がデビューすると青森に戻されて東北本線の特急列車に転用されました。
 クハ481の1500番台は製造数そのものが少なく、晩年は長野総合車両センターや勝田車両センターに配置されて改造されたりして姿を変えたものもあるなかでこのクハ481-1508は原形に近い姿で最期を迎えたこともあってか、解体されることなく新潟市秋葉区の「新津鉄道資料館」にて保存・展示されています。
 485系の先頭車両であるクハ481や、これに信越本線横川~軽井沢間でのEF63形電気機関車との協調運転装備を付加した489系の保存・展示車は多くが初期に製造されたボンネット型であるのに対して非貫通タイプで、しかも北海道向けスタイルの同車が展示車両として残されたのは幸運なことなのかもしれません。
 クハ481-1508
 クハ481-1500番台の特徴は運転台の上のヘッドライトが2灯、北海道時代に改造された尾灯の形状でした。


 クロハ481-1011
 画像のサイズが小さいですが、こちらはグレードアップ編成から始まった通称「上沼垂色」を纏ったT16編成です。
 こちらは昭和51年(1976年)製造のクハ481-1003から半室グリーン車化改造を受けて車号が変更された点や、秋田や青森などを経て新潟に配置された点では前述のクロハ481-1029と同じで、金沢・新井方に連結されていました。
 このT16編成T17編成は晩年は「くびき野」専用編成的な運用をされていたように思います。
 クハ481-351
 こちらは昭和51年(1976年)に製造されて青森運転所に配置されて東北本線の特急「はつかり」「やまびこ」などで活躍していた車両です。
 こちらも青森や秋田での配置を経て新潟へやってきた車両です。新潟方に連結されていました。

 中間に連結されていた4両(モハ485-1020・モハ484-1020・モハ485-1045・モハ484+1045)のうちモハ485-1020+モハ484-1020のユニットはかつてグレードアップ編成に組み込まれていた指定席用車両で、窓を上下方向に拡大し、座席部分の床を嵩上げしたセミハイデッカー構造とし、シートピッチを広げて座席も新型に取り替えていたことに加え、天井もルーバータイプにするなどの改造をされていました。
 このグレートアップ改造は松本運転所の183系に施された特急「あずさ」のグレードアップ改造に準じた改造内容となっています。このグレードアップ改造は後に信越本線の特急「あさま」用の長野総合車両所(現・長野総合車両センター)の189系にも波及しましたが、天井のルーバー方式は189系では採用されず、フラットな天井に変更されています。

 上沼垂運転区グレードアップ編成当時の485系は中間の4号車にグリーン車を組み込んだ9両編成で組成され、大阪方の1号車から6号車までが指定席用として前述のグレートアップ改造を受け、グリーン車は2列+1列の3列構造としてシートを大型化されましたが、普通車のグレードアップ改造にあたってはシートピッチが拡大されたため窓割と座席の位置が合わなくなり、座席によっては窓柱の部分に座席が位置する結果になっています。 
 国鉄分割民営化時点で青森から鹿児島にかけての広範囲に配置されていた485系…JR各社はイメージアップと居住性の向上をめざしてそれぞれリフレッシュ改造を実施、それに合わせて車体のカラーも大胆に変更されましたが、あまりにも車両デザインに合わない派手な塗装も多かった中ではこの上沼垂色は好きなカラーリングでしたし、日本海の沿岸や東北や北陸の風景にも合っていた気がします。
 このカラーリングと後述するR編成は特急「白鳥」「雷鳥」の運用で大阪まで運転されていたので、関西でも目にしたかたも多いと思います。また、グレートアップ編成は大阪での間合運用として東海道本線の大阪~米原間の座席定員制ライナー列車「びわこライナー」にも充当されていた時期もあったのでこの沿線から大阪へ通勤されていた方にも乗車されていた方もいらっしゃることと思います。
 晩年は中間のグリーン車は外され、青森や秋田からやってきた半室グリーン車化されたクロハ481を連結した6両編成となった485系上沼垂色は「白鳥」の運用がJR西日本に移管されたことや大阪から新潟直通の「雷鳥」廃止などで金沢~秋田間でしか見られなくなりましたが、直流1500V/交流50Hz20000Vおよび交流60Hz20000Vという3電源走行可能である485系の性能を生かした運用がされていました。
 グレードアップ車の車内。
 座席によっては窓割とシートの位置が合わなくなるという結果にもなったグレードアップ改造。
 指定席車両に施工されたグレートアップ改造のうち自由席寄りの1両は閑散期には自由席となることが多かったので、このような時期に始発駅から乗車する場合は早めにホームで並んで自由席となっているグレードアップ車の展望の良い座席に座ったものでした。
 長岡駅にて。
 長岡駅にて。
 この編成は検査期限が切れたために北陸新幹線金沢開業による特急「北越」快速「くびき野」廃止を待たずしてその前年に廃車されました。


 クロハ481-3020
  こちらは前面を大きくイメージチェンジするとともに車内も大幅にリフレッシュ改造されたR編成のうちの1本です。この編成はR28編成です。
 このリフレッシュ改造は青森車両センターで受け持っていた東北本線の特急「はつかり」用に秋田車両センター(旧土崎工場)で施工された改造に準じて同じ秋田車両センターで施工されたもので、細かな点では青森車との相違点もありますが、外見で一番大きな違いはそのカラーリングです。
 青森車は新潟車でのエメラルドグリーンの部分が黄色となっています。
 このR28編成はご記憶の方も多いと思いますが、平成17年(2005年)12月25日の19時14分頃に発生した秋田発新潟行特急「いなほ14号」が羽越本線の北余目駅~砂越駅間を走行中に突風により脱線事故を起こして大破したR24編成の代わりに余剰しゃりょうが発生していた青森車両センターの485系のうちA9編成から4両が新潟車両センターに転属、北越急行経由で越後湯沢~金沢間を結んでいた特急「はくたか」のうちJR東日本持ちだった1往復で使われていたR1編成のうちの1ユニット(モハ485-3040+モハ484-3040)とを合わせた6両編成としてR28編成となった編成です。

 モハ485-3040
 この車両は元「はくたか」用のR1編成で9両編成を組んでいた車両でした。結果的にこの画像を撮影した日が最後に485系に乗車した日となりました。そしてこのモハ485-3040が最後に乗車した485系ということになります。



 クハ481-3350
 R28編成の新潟方制御車はこの車両。元青森車で改造前は300番台のクハ481-350でした。

 3000番台はのちに登場したJR東日本の新型特急車両と比べて遜色ないレベルまで大きくリフレッシュされたため、当初は「はくたか」「白鳥」「雷鳥」「北越」といった北陸方面の特急列車や一部は羽越本線の「いなほ」に使用されましたが、検査期限が切れて廃車となったT編成やK編成が姿を消してゆくに従って「くびき野」のような快速列車の運用にも入るようになりました。

 それでは最後に「くびき野」に乗車した日に車内で撮影した動画で締めたいと思います。
 モハ485-3040のモーター音です。



 そして長岡駅を発車するR28編成です。




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