絶滅危惧種になった鉄道車両の扇風機(追記あり) | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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 今日から6月だが、早くも数日前に真夏日が記録された。今年の夏も暑くなりそうだ。世界的な半導体不足で、今夏はエアコンが故障しても修理用の部品が入手難で、大変なことになるそうだ。故障しないことを祈るのみ…。
 さて、東急8500系引退を巡ってネット上で交わされていた話題の一つに「また扇風機が付いた電車がなくなる…」というものがあった。なるほど、いつの間にか扇風機の付いた鉄道車両が絶滅危惧種になっていたのだ。
 高度経済成長期の通勤電車にクーラーはなく、夏に活躍したのは扇風機だった。身動きが出来ないギューギュー詰めのラッシュ時、頭上で回転する扇風機は、蒸し暑い車内の空気をかき回すだけ。涼感には程遠く、本当に気休め程度だった。あの時代の記憶があるのは、自分も含めて一定以上の年代だろう。「昔は良かった…」が口癖のご老人がたまにいるけど、エアコンなしの生活には戻れまい。
 1970年代から通勤冷房車が増え始めたが、扇風機も残されて併用された。クーラーが送り出した冷気を扇風機がかき回すのだ。東急8500系もそんな電車だったし、一部はニセ冷房車(屋根にクーラーキセはあれど中は空っぽ)もあった。
 残念ながら8500系の車内は撮っていないので、冒頭の画像は先輩格の東急7000系(初代)のもの。譲渡先の弘南鉄道での撮影で、吊り輪の広告は東急時代のまま残っている。
 他に車内の扇風機を撮っているものがないか、探してみた。


 室内を撮っていても座席まわり中心なので、意外と扇風機は写っていない。
 まず、見つかったのは下北交通の旧大畑駅で動態保存されているキハ85形(国鉄キハ22形)のもの。壁面に扇風機の運転スイッチであるボタンが見える。扇風機毎に個別運転が出来るのだが、回すか回さないかで乗客間の小さなバトルが繰り広げられた。
 下北交通といえば、むつバスターミナルが昨日で営業終了となった。鉄道駅と同じように発車ベルが鳴らされ「〇番線から〇〇行きが発車しま~す」というアナウンスで出発する光景はもう見られなくなった。だいぶ老朽化が進んでいる建物は解体されると報じられている。
 ちょうど昨夜、バス旅番組の再放送で登場していたのも何かの縁か。今後、冬場のバス待ちは寒そうだ。
 話を戻して、冬姿を。

 冬場にカバーを掛けられた状態が写っていたのは、大井川鐡道のしらさぎ号。かろうじて撮れていた。
 お次は、天井に埋め込まれたタイプ。

 北陸鉄道で撮影した、旧京王3000系のもの。地下鉄車両にこのようなタイプが多かった気がする。
 ところで、鉄道車両の扇風機はいつ頃から装備されたのだろうか。おまけで扇風機なしの車内を。


 上が大井川鐡道の旧型客車、下が東武5700系だ。夏場は窓を開けて、涼をとっていたのだろう。

(追記)
 この記事をご覧いただいたモハメイドペーパー様から、東武5700系についてのご指摘をいただいた。5700系の画像にある、天井の丸い突起物が扇風機の取り付け座で、使用しない時期は外していたとのこと。ご教示ありがとうございました。