2009年撮影。
今回の『駅【アーカイブ】』コーナーは、
石川県中南部に広がる白山市の中部、山間部の入口に位置していた北陸鉄道石川線の元終着駅で、加賀国一宮である白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)への最寄駅でしたが、利用客の減少などから、2009年11月1日に廃止された
加賀一の宮駅 (かがいちのみやえき。Kaga-ichinomiya Station) です。
駅名
加賀一の宮駅 (廃止時点で駅番号未導入)
廃止日
2009年11月1日
所在地
石川県白山市 (旧・石川郡鶴来町)
路線
北陸鉄道:石川線
隣の駅
鶴来方・野町方……中鶴来駅
訪問・撮影時
2009年5月
駅舎です。西を望む。
Wikipediaによると駅舎は1940年竣工で、白山神社総本社の門前駅であることから、唐破風の車寄せが付く入母屋造りの瓦屋根や木製の駅名看板など、純和風の風格のある造りが特徴だった、との事です。
廃止後は取り壊される予定でしたが反対運動がおこり、2021年3月に国の登録有形文化財として登録されました。その2年前の2019年からは金名線の廃線跡を整備したサイクリングロード・手取キャニオンロードの休憩施設などとして使用開始されました。
駅前広場はなく、駅舎手前に若干のスペースがあるのみでした。
駅前です。駅舎より東を望む。駅前は住宅地です。
東への道路は上り坂になっており、坂上には獅子吼高原があり、ゴンドラリフトで山上へアクセス可能です。
駅前です。南を望む。右手が加賀一の宮駅です。
約100m先で左へ曲がると白山比咩神社への参道に入り、階段を登ると本殿に到達します(駅から南東へ約500m)。
改札口です。
末期の当駅は無人駅だったため、窓口は閉鎖されていました。
また、右側には過去に自動券売機がありましたが、無人化に伴い撤去されたそうです。
改札の先はホームでした。
駅舎の南側(終端方)には通用口がありました。
末期の当駅は無人駅だったため、常時開放されていました。
駅名標です。
現在と同じデザインでした。
隣駅表示は普通、端に寄るのですが、北鉄の終着駅の場合は隣駅が下部中央に表示されます。
北鉄に駅ナンバリングが導入されたのは加賀一の宮駅が廃止されて10年後の2019年です。
末期の加賀一の宮駅は単式ホーム1面1線で、駅舎に面して幅の狭いホームがありました。
電車は当駅到着後、そのまま折り返していました。
写真は終端方を望む。
現在、線路敷はサイクリングロード(手取キャニオンロード)に転用されました。
鶴来方・野町方を望む。
この先、手取川と離れて、住宅地の中を北上し、中鶴来駅を経由して鶴来駅へと至りました。
鶴来駅以遠は現役路線です。
終端方を望む。右前方にホーム跡のような構造物がありました。
少し先で線路が途切れていました。
以前は16.8km先の白山下駅まで金名線が延びていましたが、1984年に休止、1987年に廃止されました。
現在、廃線跡の大半は道路やサイクリングロード(手取キャニオンロード)に転用されました。
あとがき
私が加賀一の宮駅で下車(乗車)したのは2003年、2009年の計2度です。2003年は石川線の乗りつぶしのため下車しましたが、ファンはいませんでした。2009年は車窓風景撮影のため下車しましたが、廃止まで1年を切っていたため、ファンが複数いました。駅舎は解体されずに保存されているようです。
下車(乗車)時・・・2003年、2009年
廃駅訪問は(飛行機、レンタカー含む)
東京から・・・当日中に到達可能、日帰り往復可能
大阪から・・・当日中に到達可能、日帰り往復可能
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・なし
飲食チェーン店・・・なし
廃止は残念ですが、実情を考えると仕方ありません。現役時に訪問できてよかったです。
(参考:地理院地図、Google地図、Wikipedia)