蓼科の山荘に来たからには、蓼科高原鉄道の今シーズン開業式をしなくてはならない。ところが、実は昨シーズンの最後に、あるポイントで原因不明の脱線が発生し、時間切れでそのままになっていた。

 

 

 ポイントマシンがきちんと切り替わらず、分岐のレールが中途半端な位置で止まることが1つの原因だったが、それを手で直してもなお脱線する。その状態で昨シーズンは営業中止のまま冬に入ってしまったのだ。

 

 

 ポイントマシンと分岐のレールを両方とも取り替えるという大工事も覚悟した。しかしその前に原因を究明しようと、1両で走る市内電車をここに持ってきて車輪の脱線具合をじっくり観察した。

 

 

 その結果分岐部分のレールの幅が狭くなっていることがわかったため、手で強く押し広げてみるとパチンと言う感じで元に戻ったようだ。と同時に、ポイントマシンの動きも元に戻った。つまり2つの不具合は1つの原因によるものだったことがわかった。めでたしめでたし。

 

 

 と言うわけで、ヤードからまずは中国国鉄のディーゼル機関車が4両の客車を引いて出発。続いて日本国鉄のEF 66 が5両の客車を引いて出発。中国の車両から始めたのは決して「中国の海洋進出ならぬ鉄道進出」のせいではなく、いわば試運転なので何か事故が起きたら中国に犠牲になってもらおうという考え方からである。

 

(ユイチャンラインの電車も動くことを確認した)

 

 これらはいずれも既製品で自作の車両ではない。今回は名古屋を経由してきたので、冬に東京に疎開(避寒)させている自作の電車を持ってきていない。また、最近作った客車も持ってきていない。これらを走らせてこそ本当の開業式だから、今年の本格営業はだいぶ遅れそうである。