4月の名谷車両基地特別見学ツアーの後、しばらく動きがなかった2122Fでしたが、5月の中旬についに名谷を発つ日が来てしまいました。



廃車初日は5月18日、いつもの時間に陸送が始まりました。
初日に運ばれたのは2522号車と2622号車(先頭車)です。
走り慣れた名谷の町、しかしながらいつもの鉄路ではなく道路を走る姿。
もう二度と戻ることのない片道旅の始まり。


山陽電車の踏切を越える神戸市営地下鉄。
普段踏切のない路線を走る電車が、踏切を渡る光景はなんとも言えません。


その後は神戸、三宮と経た2122F。
バス停を横目に東進します。



トレーラーの歩みは意外と早いもの、あっという間に兵庫を抜けて大阪に入りました。
その後は奈良で数枚撮って初日の撮影は終了しました。

2日目は写真未掲載ですが近場で撮影。
2222号車と2422号車(女性専用車)が運ばれました。


そして5月20日の陸送最終日、この日は2122号車(先頭車)と2322号車が名谷を出発。
名谷では見晴らしのいいポイントで見送り、その後は初日と同じ踏切へ。
レールの上をガタゴトと、お別れを感じさせない軽快な音を立てて走り去って行きました。



国道へ出ると道路の案内標識や夜景の高層ビル群と絡めて撮影でき、普段のベッドタウンを走る姿とはまた違う景色を拝めます。
最初で最後の光景です。




その後は大阪を通り抜け、奈良方面へ参ります。
兵庫では目にかかれない地名の看板の下をくぐり抜け、最期の地へ。


旅も終盤、最期を見届けるために解体場所の山奥まで来ました。
ここまで来ると光源はほぼなく、いかにも終末といった様相。
一方でトレーラーや先導車の音と、田んぼから聞こえるカエルの合唱が異質さを醸し出します。
主要幹線付近ではたくさんいた同業者も、最終地点付近の山奥には誰もおらず、独りで最期を見届けました。
終わってみるとあっけないもので、ただこれから地下鉄を利用して6000形に遭うたびにもう2000形はいないんだなと懐かしさを思い出すのかな、と。

これにて22号車が廃車、2000形34年の歴史に幕を下ろします。

ありがとう
2000形
お疲れさまでした!