山部駅を発車した滝川発釧路行普通列車(2429D)は、富良野盆地を南へ進み、盆地の南限を左にカーブ。

車窓から広がる田んぼや畑は姿を消し、原生林の森に入ってきた。

 

おっ!空知川を渡る鉄橋だ!

橋桁の鉄色と、北海道らしい夏の風景。ローカル線はいいね~

「根室本線全線開通100周年」を迎えた2021年以降、懐かしい国鉄色も登場。

※写真1・2:東へ(左から右へ)進むキハ40(下金山~金山)

 

午前11時35分、2429Dは金山駅に到着。(旅で乗っているのは2両編成のキハ40・タラコ色です)

 

午前11時35分、金山駅を発車。

 

金山駅といえば急カーブ。10両編成の函館行特急おおぞら(キハ82)の入線シーンを、直に見たかった。

 

※写真3~8:曲線区間にある金山駅。たまらんね・・

 

金山駅を過ぎると、列車は険しくなってきた山間を通り、「ピー」と甲高い汽笛を鳴らしながらトンネルに3度入る。

野花南~富良野間のトンネルほどではないが、二つ目の空知トンネル(長さ2,255m)は結構長い。

でもね・・この暗闇を抜けると、いきなり絶景が待っているんですよ!

※写真9:列車後方デッキからの眺め

 

おっ、トンネルを抜けるぞ・・みんな、進行方向左側だよ!

 

トンネルを抜けると、そこは「かなやま湖」、鉄橋通過! 

大学時代「急行・狩勝1号(札幌→滝川→釧路)」で帰省する時は、いつもこの瞬間が楽しみ。

今日のかなやま湖(空知川を金山ダムで堰き止めたダム湖)は、青さが際立つ。満水だし、最高です!

※写真10・11:根室本線のオアシス・金山湖。30年ぶりに通過!(金山~東鹿越~幾寅。写真10は2023年6月撮影)

 

午前11時49分、列車は東鹿越駅に到着。

 

ここで残念なニュースをお届けします。(多くの方がご存じのことと思います)

 

2014年夏の乗り鉄旅では、ここから先も鉄道で進みますが、連続台風による甚大な被害を受けた2016年8月中旬以降、この先は不通となり、現在も代行バスが運行しています・・泣

 

更に、2022年3月には、沿線自治体が鉄道の存続を断念したため、富良野~新得間の廃止が事実上決定しました・・泣

 (※追記・2024年3月を以て廃止となります)

 

かつては道東と道央や本州を結んだ大動脈。私もいろんな思い出があります。長い間、ありがとうございました。

 

ということで、現在のサボはこれです。

次の写真は、新型コロナの影響を受ける前の、夏の様子。

 

海外からの観光客も利用していて、ベテランのバスの運転手さんが、こんな話を私にしてくれました。

 

「俺は英語がまったくダメで、外国のお客さんが増えてきて、どうしたらいいか困ったのさ。でもね、地元の方々に背中を押され英語の勉強を始めたの。最初はちんぷんかんぷんだったけど、今は「Departure(出発)」とか大切な言葉を画用紙に書いて、皆さんに見せているんだ。俺が外国の方々とコミュニケーションできるとは、まったく思っていなかったけど、人生ってわからないものだね。毎日が楽しいよ!」

 

10分くらい、二人で話をしたかな・・

素晴らしいお話に、感銘を受けました。

私も人生を諦めません。新型コロナが落ち着いて、また、紙ボードが活躍するといいですね。ありがとうございました。

 

さぁ、旅を進めよう。

※写真12~17:2017年夏の東鹿越駅

 

東鹿越駅を発車した2429Dは、東西に長い金山湖の南側を幾寅駅(南富良野町)に向かって走っている。

※写真18:林間から時々見える「かなやま湖」(金山~東鹿越~幾寅)

 

ここは幾寅駅。まもなく列車がやって来るが、あのスキー場はいい斜度だな~笑

いつかウェーデルン(小回り)でシュプールを描きたい。

午前11時54分、2429Dは車両の影とともに幾寅駅に到着。あれ?タラコだ!

そして、やって来た列車は、旭川発帯広行「快速狩勝」。2429Dの1本前を走る列車で、午前10時7分に到着。車両は富良野線経由なのでキハ150(ラベンダーカラー)。富良野駅で出会った車両です。

1日1往復の「快速狩勝」。上りは山部駅で出会った(釧路始発)帯広発滝川行でキハ40。下りは旭川発帯広行でキハ150。行き帰りの駅と車両が異なる、珍しい快速だ。

 

「急行狩勝」が全盛期の頃、「札幌~釧路(6両)」と「旭川~釧路(2両)」を富良野駅で併結・切り離しする「急行狩勝」が1日1往復していたので、その歴史を大切にしているのかな?

 

では、幾寅駅を訪ねてみましょう。

あれ?幌舞駅・・?

そうなんです。ここは、映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地なんです。

泣けるよね・・この映画。

駅舎内には、このようにロケーション記念展示コーナーがあり、

駅舎の側には映画のタラコ列車が展示。

ヘッドマークには、心に残る健さんの立ち姿。いつまでも忘れません。

車内です。

 

「鉄道員」のロケセットも駅の周囲に現存しています。

※写真18~28:高倉健さんとの繋がりを大切にしている幾寅駅

 

幾寅駅の「JR北海道・わがまちご当地入場券」を買ってビックリ!

リゾート特急「クリスタルエクスプレス」が、この区間を走っていたとは・・

 

2014年秋は「フラノ紅葉エクスプレス」として「クリスタルエクスプレス」が、札幌~富良野間を1日1往復してましたが、それとは別に、臨時運行したのでしょうね。

それと裏面の金山湖。東西に細長いのがよくわかる。トンネルから出るのが左端で、湖の手前を右に走り、右端手前に東鹿越駅があります。

 

次の写真は、富良野駅に入線する札幌行「フラノ紅葉エクスプレス」。

※写真29・30:懐かしい「クリスタルエクスプレス」。この頃は道内も「リゾート特急」が3編成ありました。

 

さて、幾寅駅を出発しよう。

「快速狩勝」は午前10時7分、2429Dは午前11時54分、幾寅駅を発車。

 

健さんと同じ場所から見送ろう・・

 健さん、どんな思いだったのかな・・

ありがとうございました。

※写真31~35:幾寅駅(幌舞駅)を去る列車

 

 (つづく)

 

*追伸

「北海道ローカル線旅日記!夏の根室本線(滝川駅~釧路駅)」をご訪問いただきまして、誠にありがとうございます。

 

終点・釧路駅までは、209.6km&6時間10分。まだまだ先は長いですね。

 

東鹿越~新得間は、今となれば幻の区間。当時の記録と記憶を辿りながら、旅の想い出をいつまでも大切にしたいです。

 

では最後に、東鹿越発滝川行普通列車からの車窓の景色を動画でどうぞ。

(撮影時間・43秒。東鹿越→金山間)