NO.2671 残存車はKC-規制のみです、西肥バス日野ブルーリボンHU、現在のラインナップ紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 西肥自動車(西肥バス)の大型一般路線車両は、近年は古参車両置き換えのために新車を導入しておりまして、上の画像にもありますようにノンステップバスも多く導入されておりまして、低床化が一気に進むに至っております。
 
 この導入には、三菱エアロスター(画像1、F696・2PG-MP38FM~今年導入新車)や、いすゞエルガ(画像2、Z922・QDG-LV290N1)と言った車両が導入されておりまして、佐世保近郊の北部営業所・東部営業所所属車で見る事ができております。しかも、これらは路線車両では珍しくUSBポートも備えられておりますので、利用者にとりましてもありがたいサービスであると言ってもいいかと思います。
 
 私自身も、これまでもこの2車種に乗車した事がありましたが、やはりUSBポート付きと言うのは非常にありがたい装備かなと思う所ではありましょうか。特に距離が長い場合では充電もたまってまいりますので、よりそう思う所ではありますが、もちろんそのためには充電用のケーブルを持ってきていただく事になりますのでご注意いただきたいと思います。
 
 また、移籍車両も番外でもご紹介しました高槻市交通部(高槻市営バス)や西武バス・横浜市交通局(横浜市営バス)・神奈川中央交通(神奈中)などからの移籍車が多く見られております。しかも、ノンステップバスの移籍車両も見られておりますので、都会のサイクルの速さにも驚く所でもあります・・・。
 

 (Z957・いすゞPJ-LV234L1)~元高槻市営バス

 

 (Z964・いすゞPJ-LV234L1)~元横浜市営バス
 
 (F628・三菱KL-MP37JM)~元神奈川中央交通
 
 
 その一方、古参車両ほど廃車が進んでおりまして、画像のように伊万里営業所などでその姿を見る事ができておりまして、それだけ古参車両が減ってきている事も伺わせる所でもありましょうか。
 
 (敷地外より撮影)
 
 
 そして、この廃車の中には日野ブルーリボンも見られておりまして、この中にはU-規制車はおろか、KC-規制車までも見られ始めておりまして、それだけ台数を減らしている事を伺わせております。今回は、これまで導入されましたP-規制以降の日野ブルーリボンを自社発注車・移籍車とともに、現状に関しましても皆様にご紹介してまいります。
 
 (H206)
イメージ 2

 

 

 日野ブルーリボンHU(同じ中乗り車としてHTも含みます)は、自社発注車が昭和63年から平成10年まで37台、さらに移籍車が大阪市交通局・名古屋市交通局・横浜市交通局などから約30台ほど導入されておりまして、移籍車両に関しましては、その分古参車両の置換や車両の若返りに大きく貢献しております。

 

 また、自社発注車のU-規制車以降は行先表示はLED改造が施されておりまして、佐世保市内の変わった系統番号の対応もなされております。また、この改造に関しましては側面部分は枠を交換すると言った動きも見られておりまして、LED改造でも細かな姿も見せております。

 

 (前面部分)~左からH206・H203(平成28年撮影)
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 (LED改造の側面行先)
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 さて、まずは平成6年式以降の自社発注車に関しましてご紹介しますが、まず平成6年に8台(H189~H196)、次いで翌平成7年に6台(H198~H203)導入されておりました。これらの形式はU-HU2MMAAでありまして、このうち平成6年式のH189~H192に関しましては旧嬉野営業所に新製導入した車でありましたが、嬉野営業所が東部営業所の車庫扱いに変わるようになりますと、全車東部営業所に転属しておりまして、登録ナンバーも佐賀ナンバーから佐世保ナンバーに改番するに至っておりました。

 

 (平成6年式・H190)~新製導入・嬉野

 

 

 (平成6年式・H194)~「パラダイスガーデン」ラッピング
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 (平成6年式・H195)~その下の画像は「てんけんくん」ラッピング時代
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 (平成6年式・H196)
 
 (平成7年式・H200)~東部営業所時代
 
 (平成7年式・H201)
 
 (平成7年式・H203)
 
 この自社発注のU-規制車の特徴は、一番はヘッドライトが丸目であるのが特徴であります。西肥バスの車に関しましては、ヘッドライトの丸目はP-規制車から続いておりましたが、後述のように、KC-規制車からはヘッドライトは角目に変わる事にもなりますので、P-規制車・U-規制車しか見られないこの丸目のヘッドランプですので、大きな見分けを付ける部分である事には間違いないでしょうか。また、リアに関しましても米粒テールとなっているのも大きな特徴でもあります。
 
 しかし、そのU-規制車は新たな新車・移籍車の導入に伴いまして大量に廃車が発生しておりまして、現在はわずかな在籍となっております。このうち、H200に関しましては現在は伊万里営業所に所属しているそうでもありまして、このタイプも貴重な車となっているようであります。
 
 (5月東部営業所訪問時撮影)~これらは廃車となります
 (H196)
 
 (H198)
 
 
 そして、平成8年式以降がKC-規制車であります。導入は平成8年が2台(H204・H205)、平成9年が4台(H206~H209)、平成10年が3台(H210~H212)の計9台の導入となっておりまして、形式はKC-HU2MMCAを名乗っております。ちなみに、平成10年式には同形式で西日本車体(西工)B-II架装車も1台(H213)導入されておりました。
 
 (平成8年式・H205)~佐世保ワシントンホテル桜川ラッピング
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 (平成9年式・H206)
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 (平成9年式・H207)~佐世保ワシントンホテル桜川ラッピング、その下の画像が今回訪問時撮影
 
 (平成9年式・H209)~介護のサクララッピング
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 (平成9年式・H210)~その下の画像が今回訪問時撮影
 
 (平成10年式・H211)
 
 (平成10年式・H212)
 
 このKC-規制車の特徴は、P-・U-規制車とは異なりまして、上の画像からもわかりますようにヘッドライトが角目となっております。また、ヘッドライトが角目となっている事からもわかりますように、小糸製のLEDヘッドランプに交換されておりまして、視認性も大幅に向上しているようであります。やはり、丸目では交換できなかったヘッドライトでありますので、角目になりますとこう言った事ができるのがいいのではないでしょうか。
 
 これら車も、残念ながら離脱・廃車になった車も見られておりまして、今回訪問時にはH204・H213の離脱を確認しておりました。特にH213に関しましてはラッピングも施されておりましたが、そのラッピングを一部はがした状態で留置されてもいまして、その姿からも離脱である事を伺わせておりました。
 
 (H204)
 
 (H213)~ラッピングを施していた跡も見られます
 
 
 ここからは移籍車であります。西肥バスの日野ブルーリボンは、平成19年より移籍車を導入しておりまして、最初は後述のように旧大阪市交通局(現・大阪シティバス)からの移籍車でありました。
 
 

 まずは、平成20年に導入されました名古屋市交通局(名古屋市営バス)からの移籍車であります。名古屋市交通局からはKC-規制の平成8年式(KC-HU2MMCA)が11台(H234~H244)導入されておりまして、北部・東部各営業所の他、伊万里・平戸・新上五島各営業所にも配置されております。これら車は、名古屋時代には基幹バス「ミッキー」として使用されていた車たちでありまして、特徴としましては中ドア4枚折戸・銀メトロ窓となっておりまして、名古屋時代の姿がこう言った所で偲ばれております。

 

 (H237)

 

 (H239)~その下の画像は東部時代
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 (H240)

 

 (H241)~その下の画像は東部時代
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 もちろん、この車に関しましてもヘッドライトはLEDヘッドライトに交換されております。やはり角目である事からより交換されやすいのではないかと思いますが、見た目からも違った印象さえも感じさせられます。

 

 

 こちらは、平成21年に導入されました横浜市交通局からの移籍車であります。横浜市交通局からは、平成8年式が4台、平成10年式が2台導入されておりまして、いずれもKC-規制車(平成8年式・KC-HU2MLCA 平成10年式・KC-HU2MLCK)であります。特徴としましては、このタイプは低床ワンステップバスとなっておりまして、その分窓が拡大されている事がわかりますし、窓の形も逆T窓となっているのが大きな特徴でもあります。

 

 (H246・KC-HU2MLCA)

 

 (H247・KC-HU2MLCA)~その下の画像が今回訪問時撮影
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 (H255・KC-HU2MLCK)

 

 これら車も、このほど廃車になった車が見られておりまして、画像のH248が廃車となっております。この車も平成8年式にあたりますので、KC-規制初期と言う事にもなりますが、こう言った低床車さえも廃車になると言うのも時の流れかなとも思う所ではあります・・・。

 

 

 次は、JR東海バスからの移籍車(H233・KC-HU2MMCA)であります。
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 JR東海バスからは、平成20年に2台(H232・H233)が導入されておりましたが、画像にはありませんが、H232がヘッドライトが丸目のU-規制車(平成7年式・U-HU2MMAA)であるのに対しまして、画像のH233がヘッドライトが角目のKC-規制車(平成8年式)となっております。

 

 これら車の特徴は、いずれも4枚折戸となっておりまして、JR東海時代は愛知県瀬戸市を中心とした路線で運行されていたようであります。尚、このH233は廃車となっておりまして、新上五島営業所に相方のU-規制のH232が残るのみとなっております。

 

 

 ここまで、現存するタイプをご紹介しましたが、ここからは全廃となりましたタイプに関しましてご紹介します。西肥バスの日野ブルーリボンHUは、昭和63年から導入されておりましたが、既にP-規制車は全廃、U-規制車も先述のように平成7年式以前の車が廃車となっております。

 

 

 このP-規制車のうち、私が収めておりましたH159(P-HU235BA)であります。この車は平成元年式でありまして、新製導入は東部営業所でありましたが、その後平戸営業所に転属、冒頭で述べました昭和63年式のH148とともに古参分野で活躍しておりましたが、平成28年に残念ながら運用を離脱、廃車となっておりました。
イメージ 19イメージ 24
 
 (東部営業所所属時代)~平成25年撮影
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 こちらは、移籍車では全廃となりました旧大阪市交通局(現・大阪シティバス)からの移籍車(U-HU2MMAA)でありましたが、旧大阪市営バス時代はコスモスクエア方面を運行していた車でありまして、平成19年に10台が西肥バスに移籍しておりました。
 
 (H222)~近藤家具ラッピング
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 (H231)
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 (1枚窓両開きドア部分)

 

 これら車は、いずれも平成6年式でありまして、ヘッドライトは角目タイプとなっておりましたし、窓がT窓、中ドアが2枚両開きとなっているのが特徴でもありましたが、令和3年に伊万里営業所・平戸営業所に所属しておりましたH223(伊万里)・H230(平戸)の廃車に伴いまして、この旧大阪市営バスからの移籍日野ブルーリボンは全廃へと至っております。

 
 そして、これからご紹介しますのは、自社発注車として上五島地区で運行されておりました「つばき号」シリーズであります。
 
 (H168「つばき1号」・P-HT235BA)
 

 (H169「旧つばき2号」・P-HT2235BA)~平成23年撮影時の時点では愛称は解除
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 (H176「つばき5号」・U-HT2MMAA)

 

 この名称「つばき号」とは、長崎県旧奈良尾町の町木でありました「ツバキ」から取っておりまして、旧奈良尾町内の専用車として「つばき○号」として1号から5号までが名付けられていたものでありまして、平成2年に2台(H168・H169、P-HT235BA)、平成3年に3台(H174~H176・U-HT2MMAA)の合計5台が旧五島営業所奈良尾車庫に新製配置されまして、旧奈良尾町内や有川・青方~奈良尾間の路線バスとして運行されておりました。

 

 この車の特徴は本土では見られないリーフサス(板バネ)車となっているのが特徴でありまして、通常本土ではエアサス(空気バネ)車が使用されておりますので、まさに上五島地区でしか見られない車でもありました。
 
 
 運用を離脱しまして、東部営業所にやって来ておりましたH169の姿であります(平成28年撮影)。この時点では、残念ながらもう上五島へ渡る事がないと言うのは正直残念としか言えようがない所ではなかったかと思います。
イメージ 21イメージ 22

 

 

 今回は、西肥バスの日野ブルーリボンHUの現状に関しましてご紹介しましたが、本当に考えてみましても20年経過している車がこのように存在している訳ですので、残存車も正直あとどのくらいかと言う所まで来ている事には間違いないようであります。やはり、冒頭ご紹介しましたように低床車両が多く見られております西肥バスでもありますので、このような高床車両も古い車ほど減って行ってしまうのも運命なのかなとも思ってならない所ではあります。とにかく、残っている車はその時まで元気に運行していただきたいとも思います。
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