JR西日本キハ52形 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

ここはJR西日本及びえちごトキめき鉄道の糸魚川駅。新潟県南西部の町で、三路線が乗り入れるジャンクション駅となっております。

 

そんな糸魚川駅、新幹線が出来るまでは駅に隣接してレンガ車庫があったのですが、新幹線駅建設のため取り壊され、現在はそのレンガを使った装飾が残されています。

 

その左側には線路が伸びているような路面装飾がなされています。…その先、建物の中に、今回のターゲットとなる車両がいます。

 

建物の中に入りまして、そのターゲットがこちら。かつて大糸線の非電化区間で活躍していたキハ52です。大糸線では3両が活躍していましたが、1両はこのように引退まで慣れ親しんだ糸魚川に、2両目は津山に、3両目はいすみ鉄道で動態保存で残されています。この車両は車内が公開されておりますので、中に入ってみるとしましょう。

 

 車内です。JR西日本になってから冷房化・ワンマン化・トイレの撤去が行われており、国鉄時代からは多少変化した内装となっております。

 

ドアです。地方の低床ホームに対応するためステップが付いています。今となっては貴重になった塗りドア、いつまでもここで拝めるようにして頂きたいものです。なおかつてはステップを照らすための明かり窓が付いたプレスドアでしたが、後年に現在のものに取り替えられています。

 

運転台です。元々は完全に乗務員室として仕切られていたのだとは思いますが、ワンマン運転対応のために現在のスタイルに改造されています。

 

反対側です。こちらはかつてトイレがあった側だと思うのですが、しっかりと無くなっています。越美北線時代はともかく、巨大なデッドセクション・大糸線の乗車時間だといらないと言えばいらない…ですかねぇ??一応、現行のキハ120はトイレを有していますが…。

 

天井です。登場当初は非冷房でしたが、後に冷房改造が行われています。キハ40等と同じ改造方法で機器が室内をドーンと占拠しており、おかげで一部の荷棚は撤去されちゃってます。その荷棚は、懐かしの金網となっております。

 

窓です。二段式で、この場所に保存されてからも開閉が可能です。コードが伸びてますが、車内の照明を点けるためでしょうか…。

 

扇風機のスイッチもあります。窓は開いた状態でセットされており、館内で空調が効いているので夏場でも扇風機は必要ありません(笑)

 

座席です。まずはボックスシートから参りましょう。モケットは北陸の国鉄型車両標準のオレンジ色のままとなっております。

 

国鉄標準とも言えるデザインですが、現在の水準から言えばシートピッチも狭く、暖房用の配管が窓下を通っているためかなり窮屈なものとなります。テーブルは窓枠下辺部分が広げられたもので対応しており、ペットボトルが何とか置けるかどうかくらいの幅でかなりスリリングです。北海道のキハ40も、こんなテーブルですよね。

 

そして、シンプルなカマボコ型持ち手。現役で走る車両も、本当に僅かになってしまいましたね。

 

ドア横のロングシートです。座面高め、背ズリはほぼ直角で薄く、クロスシートとの格差は中々です。これで長距離を過ごした方も多いことでしょう。

 

優先座席とセットになった座席です。焦げ茶色ベースのもので、JR西日本で走る車両ではもはや絶滅したのではないかと思われるレアものです。現在も走る優先座席モケットは、緑をベースにしたものになっています。

 

最前面のロングシートです。背ズリは1枚ものですが、座面は2つに分離しております。

 

晩年はワンマン運転対応となっていたため、整理券発行機や運賃箱が増設されていました。運賃箱は、黒をベースにしたキリリとしたものになっています。

 

車番はしっかり隅丸ゴシック、直接記載されています。

 

さてここからは長すぎる番外編、ここの「ジオパル」には、キハ52の引退時に付けられていたヘッドマークが展示されています。

 

また、かつて糸魚川駅を通過していたトワイライトエクスプレスの乗務員の制服が展示されています。

 

で、キハ52の横には、そのトワイライトエクスプレスの最高客室を備えたスロネフ25形500番台のモックアップがあります。六本木で開かれたイベント、「天空ノ鉄道物語」で先行展示され、同展終了後にこの地へ移設、常設展示されています。

 

展示の内部は食堂車とA寝台2人用個室「スイート」で、モックアップの材料はここ糸魚川産の杉材なんだそうな。なお、車番はこの通り実際には存在しないスシ24形の1100番台となっています。

 

という訳で、その食堂車部分。私も一度だけ乗車したことがありますが、中々の再現度の高さです。そりゃあ、備品や部品は実際の車両から持ってきてますので…(^^;;

 

天井です。照明や換気装置、しっかりそのままですね。

 

窓部分です。荷棚、カーテン、飾り照明…お金が無くパブタイム利用しか出来なかったあの時を思い出します(^^;;

 

更に、仕切りに付いていたステンドグラスもあります。これを見て「トワイライトエクスプレスと言えばこれっっ」と思う方も少なくは無いでしょう。え、「サロンカーなにわ」?あれも良い客車ですが、無粋なこと言いなさんな…。

 

お席です。こちらは4人掛け、備品はもちろん本物を使用しています。さすがに食事の備品までは色々ありそうで置けないので、写真で雰囲気だけでも楽しめるようにしております。

 

向かい側の2人組席です。いやぁとにもかくにも、「懐かしい」の一言。いつまでもここで保存され続けて欲しいものです。

 

そして、もう半分はA個室寝台であった「スイート」のお部屋をイメージした区画となっています。

 

さすがにベッドまではありませんが、かつて使用されていたソファが置かれています。このお部屋、お高いだけでなく、10時のボタン戦争に勝つのが至難の業でして、予約出来れば一生分の運を使ったと思っても良かったほどだったでしょう。そんな私は、シングルツインに乗車したのが最初で最後でした。

 

監視カメラの表示は・・なぜか日本海のイメージ。

 

案内書きです。詳しくは省略します。

 

外面の方向幕は糸魚川行き。よっぽどの天候不良で打ち切りになったりすれば出て来そうですが、糸魚川で降ろされても・・当時はどうしようもなかったとこなんでしょうね。

 

更に、モックアップに使いきれなかった展示品がガラスケースに収められています。

 

手前には、食堂車の椅子を流用した休憩スペースがあります。ある意味贅沢な使い方・・。

 

最後に、鉄道関係のスペースには大概ある大規模なプラレールの展示。

 

ホームに戻りまして、現在の大糸線非電化区間の主役、キハ120がやって参りました。本数も減少、車両もショボくなりましたが、後輩の走りを静かに見守っています。