「まだ生き残っていた」絶滅危惧種の「201系」

迫る引退…いよいよ一路線のみに

 国鉄時代を代表する車両で国鉄型電車「201系」の運行を順次終了する。JR西日本でいまも運行されている「201系」が、あと数年で姿を消すことになった。3月におおさか東線での運行が終了し、現在はウグイス色の車体に白いラインが施された関西線(大和路線)のJR難波―加茂駅間のみ。鉄道ファンらは<絶滅危惧>と呼び、名残を惜しんでいる。
201系は、国鉄時代の1980年代前半に量産された車両。当時としては最先端の技術が使われ、省エネ電車の先駆けとなった。約1000両が製造され、首都圏では中央線や武蔵野線、関西圏では東海道線などの主力車両として、都市部の鉄路を支えてきた。
JR関西線(大和路線)で運行されている201系(JR難波駅で)

 だが、2000年代に、軽量でより消費電力の少ないステンレスの新型車両が登場すると、各路線で車両の更新が進み、2011年には首都圏の全車両が引退した。JR西では、JR東日本よりも車両更新が緩やかで、東海道線の運行を終えた車両などを、大阪環状線と関西線、おおさか東線の3路線で使い続けてきた。

大阪環状線の専用車両323系電車

 大阪環状線では、新型の専用車両「323系」が導入されたことに合わせ、19年に運行が終了。おおさか東線でも、今年3月に行ったダイヤ改正を機に、JR西が独自に初めて製造し、1989年に登場した「221系」が走るようになり、引退に至った。

「おおさか東線」で運用が始まった221系電車により201系は、おおさか東線より引退!

 一方で、鉄道ファンの間で201系の人気は根強く、ダイヤ改正前日の3月11日夜には、おおさか東線でのラストランを一目見ようと、大勢の鉄道ファンが沿線駅に集結したほどだった。

JR大和路線の大和川、亀の瀬渓谷を通過する201系電車

 ダイヤ改正後の現在、関西圏では関西線が唯一201系が走る路線となった。JR西によると、JR西が保有する201系は96両あるが、関西線でも新型車両の導入に伴い、24年度末までに引退する予定となっている。201系の「チョッパ音ともお別れ」!「省エネ電車」

 

最後まで走り続ける姿を見届けたいと、SNS上では「まだ生き残っていたの、201系。余裕あるうちに撮っておきます」「(201系が)残り少ない余生を過ごしています」など熱いメッセージがあふれている。

 

by   GIG@NET

 

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